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身の丈に合った毎日を送るには。5冊の「自然とともに
自然体で生きるための本」

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毎朝同じ時間に早起きして、そそくさと支度をして大混雑の電車に揺られ、味も素っ気もないオフィス空間で長時間働いて遅い時間に帰る。そんな毎日を過ごしていると、なんだか自分らしく生きていないなあと、感じる人も多いのではないでしょうか。あるときふと立ち止まって、自分を振り返ってみたくなるはずです。身の丈に合った毎日を、地に足をつけて送るには? 今月もこの方に教えてもらいましょう。南青山のブックカフェ「brisa libreria(ブリッサ・リブレリア)」で、訪れる人たちと会話をしながら、その人が本当に欲している本をまるで薬を処方するように提案してくれる“ブックセラピスト”、元木忍さんです。

 

自然をあらためて感じながら
なんでもない日常をとても大切に

「人間とは自然の一部です。電車に乗って会社に行って、仕事で毎日忙しくしていると忘れてしまいがちですが、ひとは自然から生まれて、いずれ自然に還る存在。そういった忘れていた自然をあらためて感じ、なんでもない日常を“自然体で”過ごすことは、この現代にとても大切なことだと思います。身の回りの自然に思いを馳せる、“オーガニック”に関する正しい知識を得る、シンプルでも食材や調味料にこだわった心を込めた食事をとる……。こうして自然の中に答えを見つけることで、“毎日が本番!”というような気持ちで、丁寧にくらし、1日1日を大切に生きることができるのです。今回はそういったことを教えてくれる本を選びました」(元木さん)


Selected Books

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『はじめてのオーガニック手帖』
マーブルブックス(編)
メディア・パル ¥680

「今では当たり前のように、そこらじゅうで使われている単語ですが、“オーガニック”とはさて何のこと? と聞かれたら明確に答えられますか? 有機栽培と自然栽培の違いとは、無農薬とはどういったものなのか。今まで何気なく聞き流していたことがもつ意味やメリットをきちんと理解しましょう。オーガニックとは、食べ物だけではなく、服や化粧品など肌身につけるものに関わり、それはそのまま生き方にも影響することなんです。きちんと根本から理解することで、自分が取り入れるものすべて、ココロとカラダにいいものを選べるようになります」

 

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『自然ぐすり 〜植物や食べものの手当てでからだとこころの不調をととのえる〜』
森田敦子(著)
ワニブックス ¥1,620

「自然の中には、人間にとっていい作用をもたらしてくれる“薬”のような植物がたくさん。この本は“フィトテラピー”と呼ばれる植物療法の第一人者がまとめた本で、その植物療法の考えにのっとって、胃腸の疲れや生理不順、気分の落ち込みなど、症状別にどんな植物(ハーブ)や野菜・果物をとったらいいか、具体的な対処法を教えてくれています。まるで、一家に一冊ある『家庭の医学』のような存在なんです。体の不調を感じた時にすぐ、病院や薬局の薬に頼ってしまう、そんな思い込みや習慣をあらためて欲しい。自然の薬でカラダを整えましょう!」

 

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『生きるための料理』
たなかれいこ(著)
リトル・モア ¥1,620

「食事は人間にとってすべての基礎となるもの。たなかれいこさんが“自然食”に興味をもって自家農園をしているからこそ、食を通じた健やかな生活にもとても説得力があります。やはり、まずはからだを内側から温め、浄化する方法が一番大切なんですね!載っている料理は素材を活かすものばかりで、実にシンプルですが、その分、その料理を食べる意味や基本的なノウハウが、こちらにしっかりと届くんです。素材を活かすと、良い調味料があれば、細かいレシピなんていらなくなるんだな、と実感しますよ」

 

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『一汁一菜でよいという提案』
土井善晴(著)
グラフィック社  ¥1,620

「続いてもうひとつの“食の本”。NHK「きょうの料理」でおなじみの料理研究家、土井善晴氏が、タイトルのとおり“一汁一菜のすすめ”を説いています。みなさん、料理をつくるようになって最初の頃は、張り切っていろいろとつくって食卓に並べるでしょう。何品を作るかってところがとても気になったり重要に思ったりしていませんか? 品数よりも、手作りにこだわるってことが大切だと思うのです。作る余裕もないのにおかずを無理して作る必要はない、とこの本は教えてくれています。毎度の“汁”=おみおつけを大切に作るだけでごちそうになり、それが毎日食べることとの向き合い方なんだとあらためて気付かされます」

 

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『自然にふれて取りもどす 人間の基本』
スノーピーク(監修)
マガジンハウス ¥1,620

「スノーピークが培ってきた自然との付き合い方や知恵、懐かしい遊び方などを1冊にまとめた本です。この本を読んでいると、たとえ都会の中でも、木は茂り、街路樹があり、虫だってたくさんいて、自然はすぐそこにあるということを気付かされます。私が好きなページで、長靴で水たまりを歩くところがあるんですが、ぴちゃぴちゃと歩く感覚をすぐに思い出しました。虫の声にそっと耳をかたむけるなど、都会のど真ん中でも、自然を感じ、野あそびをしている楽しみを感じようと思えば感じられるんですよね。『春の七草を、いくつ言えますか?』など時折挟み込まれる雑学も、楽しく読んで学べていいですね」

 

取材・文=@Living編集部 撮影=田口陽介

Profile

元木 忍

brisa libreria 代表取締役。大学卒業後、学研ホールディングスで書店営業やマーケティング、楽天ブックスではECサイト運営や物流、CCCでは電子書籍ビジネスの立ち上げと、一貫して書籍にかかわる仕事を担当。東日本大震災を機に人生を見直し、2013年に、サロンを併設したブックサロン brisa libreriaを南青山に開業。オーガニックスパサロン spa madera も経営している。