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いまあらためて、ワインの世界へ北陸から日本ワインを新定義する「SAYS FARM」を訪ねる

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氷見の土地に合う、期待のブドウ品種「アルバリーニョ」

現在造られているワインの種類は約10種類。そのどれもが人気で常に品薄状態だそうですが、県外では入手が難しいものも多いとか。なかでも「アルバリーニョ」というブドウ品種を使った白ワインは、現在のところ、このワイナリー内のショップ以外では入手が難しい、希少なもの。

スペインの大西洋沿いに広がる、リアス・バイシャスというワイン産地で古くから栽培されているアルバリーニョ。海から数十キロメートル圏内、畑はほぼ標高200メートル以下の場所に広がり海からの湿気を含んだ風を受けながら育ちます。30年前まで、当地以外ではほとんど栽培されていなかった品種で、高貴なブドウ品種として知られるものです。現地でも、豊富な魚介料理と合わせて楽しまれる白ワインが造られています。

ここセイズファームでは2012年から栽培しており、今年で3回目の収穫。年々しっかりと根を張って、良い状態になってきているといいます。

今年から導入した雨よけの傘。毎年の気候に合わせて栽培方法を変える工夫も。写真はカベルネ・ソーヴィニヨン
今年から導入した雨よけの傘。毎年の気候に合わせて栽培方法を変える工夫も。写真はカベルネ・ソーヴィニヨン

「アルバリーニョの魅力は、ブドウが熟した時のブドウ自体の存在感、魅力が今栽培しているブドウのなかで一番高い点だと思っています。熟した時の糖度と酸度の上がり具合や、皮が厚くて病気になりにくいところも魅力。そういうことを総合的に考えると、この土地にもっとも向いている品種はアルバリーニョだと思います」(田向さん)

今のところ、アルバリーニョの生産量はまだ全体の3%程度で、数百本しか造られていません。今後は栽培面積も増やして、数千本単位を目指しているとか。日本ワインのファンであれば今、誰もが飲みたいと切望するセイズファームのアルバリーニョ。来年春以降、運がよければワイナリー内で出会えるかもしれません。

 

ボトルにも表現されるセイズファームの世界観

ちなみにミニマルで美しい世界観は、ワインのラベルやキャップにも表れています。白地のラベルにタイピングしたような文字で、商品名、製造年、生産者、生産地、内容量、生産本数のみが整然と書かれています。それはまるでデータ表で、色や絵柄は一切ありません。ボトルの口を広く覆うキャップシールもなく、先端がロウキャップで封じられているだけなのです。

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写真上はセイズファームのラベル。イラストやデザインされた文字によって装飾された、一般的なラベルとは一線を画す
写真上はセイズファームのラベル。イラストやデザインされた文字によって装飾された、一般的なラベルとは一線を画す

「富山は全国でもワイン産地として決して有名な場所ではなく、ワイナリーを立ち上げた当初、どうしたら多くの人の手に取っていただけるかを試行錯誤しました。結果、ワイナリー全体の世界観をラベル含めたボトルの見た目にも、と考えてこのスタイルに行き着きました」(田向さん)

無駄なものは削ぎ落とされ、シンプルに洗練されたデザイン。まさにワイナリーの世界観、醸造家の思い、そしてワインの味わいが表現されているようです。

東京から約2時間、思い立ったら日帰りでも訪れることができるこの空間は、日々のライフスタイルをミニマルに見直すヒントを与えてくれるかもしれません。

 

Winery

Profile

SAYS FARM(セイズファーム)

住所:富山県氷見市余川字北山238
電話番号:0766-72-8288/090-7743-8288(レストラン予約専用)
営業時間:10:00〜17:00(ショップ・ギャラリー)/11:00〜14:30,15:00〜16:30L.O,17:30〜21:30(レストラン)
定休日:なし

 

取材・文=山田マミ 撮影=泉山 美代子