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女性が家と我が身を守るには?ホームセキュリティのチェックポイント

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自宅の防犯について、不安に思ったことはありませんか? 都市部では特に、近隣との付き合いが少なく、例えばエレベーターに乗り合わせた人が同じマンションの住人かどうか、わからないことはしばしば。集合住宅につけられた防犯カメラやオートロックが、きちんと機能しているのか知らない人もいるでしょう。また、夏になると窓を開け放したままにする機会が多くなり、防犯への意識が低くなりがちです。物騒な事件があとをたたない中、女性が家と我が身を守るにはどうしたらいいのか、日本防犯学校の桜井礼子さんに聞きました。

 

防犯意識を持つことがセキュリティの第一

「ホームセキュリティ」と聞くと、まず警備会社のセキュリティを思い浮かべる人が多いかもしれません。実際に賃貸物件でも、警備会社と契約し、インターフォンなどには施錠確認のセンサーがついていたり、火災感知器やボタンひとつで通報できるサービスが付帯していたりなど、安心して暮らせる機能が備わっている物件が増えてきています。ひとり暮らしの人や、子どもの留守番時間が長い家庭、高齢者がひとりでいる時間の多い家では、特にこのようなシステムがあると安心です。

「認知されている犯罪件数が大幅に増えているわけではありませんが、近年の傾向として、物を盗むだけの侵入窃盗が、暴行や脅迫をともなう侵入強盗に発展しているなど、犯罪の凶悪化が目立っています。何らかの防犯対策がなされているとわかると、侵入に時間がかかって入りにくさを感じるため、犯罪者のターゲットから外れる可能性が高まりますから、安心して暮らすためにも防犯対策することが重要です」(日本防犯学校・桜井さん、以下同)

しかし、セキュリティが施してある物件でも、注意すべき点はあるそうです。

「ここは大丈夫だからと、入居者自身の防犯意識が薄れてしまうことも。セキュリティシステムがあることはもちろん良いのですが、第一に大切なのは、防犯意識を持つことでしょう。たとえば、宅配業者や警察、警備会社などを装った押し込み強盗は、自ら鍵を開けて犯罪者を迎え入れてしまうことで発生します。ホームセキュリティが万全でも、防犯意識が薄いと犯罪被害にあう危険性が高まるのです」

 

安全な賃貸物件を選ぶための3つのポイント

物件を選ぶときに女性がいちばんに気をつけなければならないのは、その物件がどれくらい安全か、でしょう。では、不安の少ない物件にはどのようなポイントがあるのでしょうか?

「街や自治体による、侵入犯罪者に狙われにくい住宅を推奨する『防犯優良住宅認定制度』という取り組みが始まってきています。いくつかの審査基準に達した物件が認定され、数年ごとに審査し直し更新されていくものです。このような物件を選ぶのもひとつの手だと思いますが、それ以外にも注意して見ていただきたいポイントが3つあります」

 

1.部屋までの通路は、見通しのよい場所を選ぶ

オートロックや管理人が常駐している集合住宅は、エントランスで人目につきやすいので比較的安全といえますが、そこから部屋にたどり着くまでの道のりに死角がないか、考えてみましょう。

「階段の場合、外から見える外階段ではなく、完全に室内になっている内階段がありますよね。内階段は道路などの人目があるところから完全に見えなくなるので、侵入者には好都合な場所と言えます。廊下についても同じことが言えるでしょう。また、集合住宅自体が高いブロック塀で囲まれている場合も、外からの見通しが悪くなるので注意が必要です」

 

2.施されている防犯対策が機能しているか確かめる

オートロック扉があるにもかかわらず、ゴミ集積場へのドアや裏口からは誰もが侵入できるようになっているなど、意味のある防犯対策になっているかどうかについては、確認が必要です。

「エレベーターやエントランスについているカメラがフェイクだったり、入口に警備会社のシールが貼ってあっても契約が終了していたり、防犯対策であるはずのものが見せかけだけだったという場合があります。それ自体が防犯になっていないと断言はできませんが、何か起きた場合には何の役にも立たないので、フェイクなのか稼働しているのか知っておくことが最低限必要です」

 

3.正面入口以外の侵入経路がないか確認する

集合住宅の正面が大通りに面していたり、人通りが多かったりして安全に見えても、別の侵入経路があると、犯罪者の目にとまりやすくなります。

「ベランダの横に雨どいがあったり、ベランダ越しに隣の部屋へ行ける構造だったり、また、屋上に簡単にあがれる物件は、犯罪者が侵入する経路になりますから、女性のひとり暮らしでは避けたほうが賢明でしょう。近隣の犯罪情勢をインターネットなどで調べて、犯罪が多発している地域は避けるなど、情報収集も必要です。また、玄関ドアに鍵がひとつしかないところ、窓のサッシのクレセント錠がダブルロックではない物件は、鍵つき補助錠をつけるなどの対策をしてください」

 

セキュリティシステムのある家に住むことだけでなく、自身で安心できる空間をつくることが大切です。次は、具体的におすすめの防犯グッズや防犯に対してできることをピックアップしていただきました。