湿気によって発生したお風呂の黒カビ、ギトギトにこびりついたキッチンの油汚れ、汗ジミで首元が黒ずんだワイシャツや泥汚れの落ちない靴下など、家の中には、悩ましい汚れがいっぱい。ゴシゴシ磨いても労力をかけたわりには落とせないし、そもそも貴重な休みを掃除に費やすなんてうんざり……と感じる人も少なくないはず。そんな不満を解消してくれるのが、酸素系漂白剤の「オキシクリーン」を使った掃除術です。
“家事えもん”の愛称で親しまれている家事芸人の松橋周太呂さんは、10年前にスタイリストからオキシクリーンを教えてもらい、強力な汚れ落ち効果に魅了されたとか。その後、オキシクリーンの魅力であるさまざまな家事がつけ置きでラクになる、自由な時間を生み出せて便利! ということを伝えたいという思いから、『ズボラさん熱望! 放置してキレイに! ほったらかし掃除術』(SBクリエイティブ)ほか、数冊のオキシクリーン掃除術本を出したり、オキシクリーンのイメージキャラクターとして全国各地でイベントを行ったりと、オキシクリーン掃除術を発信しています。
「オキシクリーン」とは?
グラフィコ「オキシクリーン 1500g」※日本版オリジナルパッケージ
1382円
アメリカ発の酸素系漂白剤。漂白・消臭効果のある過炭酸ナトリウムと、汚れ分解効果のある炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)が主成分。塩素、蛍光増白剤は不使用で、日本版は界面活性剤や香料も無使用なので、自然に戻りやすいという特長がある。
今回は、そんな家事えもんさんに、オキシリーンを使った、最もおすすめの掃除法「オキシ漬け」のやり方を教えてもらいました。まずはオキシ溶液作りから。
“オキシ漬け”とは? オキシ溶液の作り方
40〜60℃の湯4リットルに対して、付属のスプーン1杯(約28g)のオキシクリーンを入れ、泡立て器などを使ってしっかりと溶かし、オキシ溶液を生成。そこに、汚れが気になるものを入れて、20分〜6時間つけ置く掃除方法のこと。
「オキシクリーンをしっかりと溶かすことと、汚れを分解する酸素量を放出する湯温を守ることがポイントです。理想の温度は50℃ほどですが、湯を注いでいる間に冷めてしまうので、55℃〜60℃に設定して湯を貯めるのがいいでしょう」(家事えもんさん、以下同)
※衣類に使用の際には、洗濯表示の液温に従うようにしてください。
「オキシ漬け」8つの活用法
それでは、家事えもんさん直伝のオキシ漬けテクを8つ、紹介しましょう。家事えもんさんの“オキシ漬け愛”あふれるネーミングにも注目です。
1)汚れた衣類をポイポイ入れる「待ち伏せオキシ」
まず、基本のオキシ漬け活用法は衣類のシミ抜きです。「ワイシャツの襟や袖の皮脂汚れ、靴下やユニフォームなどの泥汚れ、血液のシミなど、さまざまな衣類の汚れに効果的です。塩素系漂白剤と違い、色物にも問題なく使えます。また、消臭効果もあるので、汗や加齢臭もスッキリ。家族がお風呂に入る時間帯に、洗濯かご代わりにオキシ漬けの液を入れたバケツを用意しておく『待ち伏せオキシ』をすれば、手間なくオキシ漬けができます。それらをいつものように洗濯すれば、汚れ落ち具合の違いに驚くことでしょう」
2)カーテンなどの大物類は浴槽で「ほったらかしオキシ」
カーテンや洗濯可能なラグ、バスマットなどは、浴槽に湯を張り、数時間から一晩かけてオキシ漬けをするのが効果的です。「繊維の奥まで染み込んだ土埃や排気ガスをしっかり浮かせるためには、じっくりと時間をかけてオキシ漬けを行うといいでしょう。このとき、プチプチ(緩衝材)を上にかけると湯温が下がりにくくなります。ほかにも、浴槽に洗面器やバスチェア、シャンプーラックや棚のパーツ、石鹸ケースやお風呂の蓋などをポイポイ入れてオキシ漬けするのもおすすめです。一晩おいて翌朝に水洗いをすれば、バスグッズと浴槽がピカピカになります」
3)浴室の床一面を漬ける「まるごとオキシ」
排水溝のゴミ受けをビニール袋に入れて縛り、バケツでつくったオキシ溶液を、床一面に流します。こうすることで、床全面をオキシ漬けすることができ、タイルの溝にある黒ずみやヌルヌル汚れが落とせます。
「塩素系の洗剤のようなツンとした臭いがなく、ほぼ臭いがしないのもうれしいポイントです。わが家では寝る前に行い、翌朝までこのままほったらかし状態にしています。そして翌朝、漬け置き後にも残っている汚れがあれば、歯ブラシなどで軽くこすれば簡単に落ちます。最後はシャワーで隅々までしっかりとオキシ溶液をすすげば、ゴシゴシ磨き不要でタイルはピカピカに!」
洗濯物やバスルームでのオキシ漬けに続き、キッチンやトイレでの活用法とは?