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春の衣替えは、エアコンにも。暖房の冬じまいと冷房の試運転で
夏を心地よく迎える準備の方法

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4月は寒さもやわらぎ、暖かい日も増えてきます。コートをしまったり、寝具を軽やかなものに替えたりと、暮らしの中でも少しずつ季節の準備を始める時期です。そんな“衣替え”のタイミングで、忘れずに見直しておきたいのがエアコンです。

冬の間、暖房として活躍してくれたエアコンは、見た目以上にホコリや汚れをため込んでいることがあります。一方で、気温が上がり始めると、今度は冷房の出番がすぐそこに。近年は春先から暑さを感じる日も増え、冷房を使い始める時期が早まる傾向も見られます。

だからこそ4月は、エアコンの“冬じまい”と“冷房前の試運転”をセットで行うのにぴったりの季節。暖房の汚れをリセットし、冷房シーズンを安心して迎えるために、正しいお手入れとチェック方法を知っておきましょう。

冬のエアコンは、想像以上に長時間働いている

パナソニックがエオリア アプリに接続したユーザーの利用データをもとに分析したところ、2025年11月〜2026年2月の今冬、全国平均のエアコン暖房利用時間は冬期合計で1306.94時間にのぼりました。もっとも利用時間が長かった秋田県では、1日平均15.28時間、冬期合計1833.50時間という結果に。冬の暮らしの中で、エアコンが長時間稼働している実態がうかがえます。

また、同調査では「今冬、例年に比べて電気代が高くなった」と感じた人が52%、「エアコンを連続運転する日が増えた」と答えた人が40%に。長時間運転の使い方としては、「睡眠時を除いて在宅時はつけっぱなし」が42%、「睡眠時を含めて在宅時はつけっぱなし」が34%、「24時間つけっぱなし」が21%でした。寒い日が続くと、室温を一定に保つためにエアコンをつけたままにする家庭も少なくありません。

一方で、使う時間が長くなっているにもかかわらず、お手入れは後回しになりがちです。フィルター自動掃除機能が搭載されていないエアコンを使っている人のうち、冬の間にフィルター掃除を「まったくしていない」人は24%、「したことがない」人は9%。合わせて33%が、冬の間まったくフィルター掃除をしていないことがわかりました。

エアコンは、使えば使うほどフィルターや本体まわりにホコリがたまりやすくなります。汚れをそのままにしておくと、運転効率の低下やニオイの原因につながることも。衣類を季節ごとに入れ替えるように、エアコンも暖房シーズンの終わりにいったん整えておくことが大切です。これをエアコンの暖房の冬じまいと言います。暖房運転が終了したら「冬じまい」をしたいと思っている人が47%いるにもかかわらず、毎年冬じまいをしているかというと、「ほとんどしたことがない」「まったくしたことがない」人を合わせると50 %と半分にのぼります。

暖房の「冬じまい」は、前面パネル・フィルター・内部の3ステップで

「冬じまい」をしない理由としては、「面倒だから」「やり方がわからないから」という声が非常に多くありました。そこで、パナソニック エアーマイスターの福田風子さんに正しい冬じまいの方法を教えていただきました。

エアコンの冬じまいは、特別な道具をそろえなくても、基本の手順を押さえれば家庭でも取り入れやすいお手入れです。ただし、作業前には必ず運転を停止し、電源プラグを抜いてから行いましょう。

まずは、本体まわりのお手入れです。エアコンの前面パネルやルーバー、本体表面を、清潔なやわらかい布で拭きます。前面パネルは多くの機種で取り外しが可能です。取り外せる場合は、本体から外して布で拭き、内部の掃除が終わってから再び取り付けます。

ルーバーはエアコンの吹き出し口にある羽の部分。隙間が狭く、掃除機のノズルなどが届きにくいため、やわらかい布で乾拭きするのがおすすめです。汚れが落ちにくい場合は、水またはぬるま湯を含ませた布をよく絞って拭くとよいでしょう。

次に、フィルターのお手入れです。フィルターは一度本体から取り外し、掃除機でホコリを吸い取ります。汚れがひどい場合は、薄めた中性洗剤でつけ置き洗いをします。その後、しっかり乾燥させてから本体に戻しましょう。湿ったまま戻してしまうと、カビの原因になることがあるため注意が必要です。

冬じまいならではのポイントとして、加湿器を使っていた家庭はフィルターの状態をよく確認しておきたいところです。エアコンの真下などで加湿器を使っていると、フィルターにカルキが付着することがあり、フィルター自動お掃除機能の故障につながる可能性があるとされています。自動お掃除機能がある機種でも、目視で確認しておくと安心です。

最後に、内部のお手入れです。フィルターを外した本体内部に汚れやカビが見える場合は、手が届く範囲であればやさしく拭き取ります。ただし、手が届かない部分までカビが付着している場合や、カビくさいニオイがする場合は、無理に自分で内部を洗浄せず、専門業者やメーカーの相談窓口に相談しましょう。

エアコン内部のクリーニングには専門知識が必要です。除菌剤や市販のお掃除スプレーなどを内部に吹きかけると、残った洗浄剤が故障の原因になるおそれがあります。見えない部分まできれいにしたいときほど、自己流ではなくプロに任せることが大切です。

いざスイッチを入れたら故障していた!を避けるために冷房シーズン前に不具合を見つける

冬じまいと合わせて行いたいのが、冷房の試運転です。一般社団法人 日本冷凍空調工業会と一般財団法人 家電製品協会は、4月10日を「エアコン試運転の日」と定め、夏本番前の早めの試運転を呼びかけています。パナソニックも、4〜5月のうちに試運転を行うことを推奨しています。

「同じエアコンだし、冬に暖房が問題なく使えていれば、冷房も大丈夫」と思う人もいるかもしれません。しかし、暖房と冷房では発生しやすい不具合が異なります。とくに冷房時には室内機側で結露水が発生するため、暖房では問題がなかったエアコンでも、冷房を使い始めてから水漏れなどに気づくケースがあります。

パナソニックの調査では、エアコンの試運転を行った人のうち38%が何らかの不具合に気づいたと回答しています。もっとも多かったのは「異臭がした」19%、次いで「カビが生えていた」11%、「水漏れしていた」9%でした。さらに、不具合に気づいても「しばらく様子を見た」25%、「そのまま使い続けている」9%と、34%が十分な対応を取らないまま使用を続けている実態も明らかになっています。

では、具体的に試運転の方法を教えていただきましょう。おなじくパナソニックのエアーマイスターである福田風子さんにうかがいました。

試運転をする目安は、気温が20℃くらいになる頃。冷房運転で、室内温度より3℃以上低く設定して30分以上運転します。試運転を行う際は、マスクをして窓を開けておくと安心です。しばらく使っていなかったエアコンは、内部にたまったカビやホコリが風に乗って放出される可能性があるためです。運転中は、冷たい風がきちんと出ているか、異音や異臭がないか、水漏れがないかを確認しましょう。

試運転後には、フィルターのホコリやエアコン内部のカビも目視でチェックします。手が届く範囲の汚れは拭き取り、カビくさいニオイが続く場合や内部の汚れが気になる場合は、エアコンクリーニングを検討してもよいでしょう。

夏本番の“エアコン待ち”を避けるためにも、4月のうちの準備が大切

エアコンの不具合は、暑くなってから気づくと対応が遅れがちです。パナソニックが昨年夏にエアコンを修理または購入した人を対象に実施した調査では、昨年夏にエアコンを修理した人の36%、購入した人の24%が、発注から使用可能になるまで2週間以上かかった「エアコン待機者」だったことがわかりました。

修理で2週間以上かかった理由として多かったのは、「工事を複数回にわたって実施したため」52%、「繁忙期で工事業者の予約が取れなかったため」45%。購入の場合は、「繁忙期で工事業者の予約が取れなかったため」52%、「在庫がなく取り寄せになったため」47%が上位でした。

暑さが本格化してから修理や買い替えを検討すると、予約や在庫の都合で、すぐに使えない可能性があります。とくに近年は、春先から気温が高くなる日もあり、冷房の出番が思ったより早く訪れることも。熱中症対策の面からも、早めにエアコンの状態を確認しておくことは、暮らしの安心につながります。

また、長く使っているエアコンにも注意が必要です。同調査では、エアコンを10年以上使用している人が23%にのぼりました。エアコンが古い、調子が悪いと感じることがある人は33%、10年以上使用している人では50%に達しています。価格の高さや物価高の影響で買い替えを控える人も多い一方、試運転は修理や買い替えの判断を早めるきっかけにもなります。

衣替えや寝具の入れ替えと同じように、エアコンも季節の変わり目に整えておく。冬の汚れをリセットし、冷房がきちんと使えるかを確認することで、暑い季節をより快適に迎えることができます。今年も猛暑が予測されています。エアコンの冷房がフル稼働になることは間違いないため、この時季にしっかりとしたお手入れをしておくことで、この先のエアコンの快適な運転につながるでしょう。

4月は、住まいを夏仕様に整え始めるタイミング。暖房におつかれさまの気持ちを込めて冬じまいをし、冷房には「今年もよろしく」の気持ちで試運転を。そんな小さなひと手間が、これからの季節の心地よさを支えてくれそうです。

※記事内の調査結果はすべて、パナソニック「エオリア」調べとなります。

文=アットリビング編集部