【番外編 / 野菜】
生の野菜を2~3種合わせて作る“カット野菜”の冷凍作り置き
野菜は生のまま冷凍すると、解凍後に水分が出てしまったり、根菜はブヨブヨになってしまったりするので冷凍には向かないといわれています。ところが、野菜の切り方や解凍後の状態を生かした調理をすれば、凍ったままや半解凍で使え、調理時間を短縮することができるのです。ここでは、加熱調理をせずに冷凍した玉ねぎ、にんじん、じゃがいもの野菜ミックスを使った冷凍食材の活用テクを紹介します。
火の通りが早く、用途がたくさんの「常備野菜ミックス」
玉ねぎ、にんじん、じゃがいもの定番常備野菜は、煮物、炒め物、シチューなどさまざまなメニューで活躍します。冷凍の野菜ミックスがあれば火が通りやすく味もしみ込みやすくなるので、大幅時短に貢献します。
【材料(2人分)】
玉ねぎ…1/2個
にんじん…1/2本
じゃがいも…2個
【作り方】
1. 玉ねぎはくし切り、にんじんは厚さ1cmの半月切りにする。
2. じゃがいもは3~4cm大の乱切りにして水にさらし、しっかりと水気を拭く。
3. 1と2を冷凍用保存袋に入れ、口を閉じて冷凍する。
【活用レシピ1】
手早くできて、しっかり味がしみこむ
「肉じゃが」
茹でたじゃがいもを凍らせるとスカスカになりますが、生のままならOK! 凍ったまま鍋に入れて、10分ほど煮込むだけで肉じゃがをつくれる手軽さは、やみつきになります。
【材料(2人分)】
「常備野菜ミックス」…1袋
牛こま切れ肉…120g
しょうが…1/2かけ
絹さや…3~4枚
サラダ油…小さじ2
だし…カップ1 と1/2
<A>
しょうゆ…大さじ2
みりん…大さじ2
砂糖…大さじ1
【作り方】
1. 牛こま切れ肉を食べやすい大きさに切る。しょうがは千切りにする。
2. 絹さやは筋を取り、塩少々(分量外)を加えた熱湯で色よく茹で、水にとって斜め半分に切る。
3. 鍋にサラダ油を熱し、1の牛こま切れ肉としょうがを炒める。肉の色が変わったら、「常備野菜ミックス」を凍ったまま加え、強火で炒めてだしを加える。
4. だしが沸騰したらアクを取り、[A]を加え、中火にする。落としぶたをし、10分ほど煮る。
5. 煮汁が1/3量になったら落としぶたを取り、上下を返してそのまま汁気がなくなるまで強火で煮汁をとばす。
6. 器に盛り、絹さやを散らす。
【活用レシピ2】
揚げ焼きにした具材と卵でボリューム満点!
「スペイン風オムレツ」
半解凍した「常備野菜ミックス」をざく切りにして多めの油で揚げ焼きし、塩・こしょうをした卵に混ぜて焼くだけ。ランチやお弁当に大活躍の食べ応えある一品です。
【活用レシピ3】
火の通りが早いから、パパッとつくれる!
「チキンカレー」
ひと口大の鶏もも肉を炒め、凍ったままの「常備野菜ミックス」を加えてつくるカレーです。カレールウの味が野菜にしみ込みやすいので、コトコト煮込む必要なし!
食材を、鮮度やおいしさをキープしながら長持ちさせられるだけでなく、おいしさを引き出し、調理時間の短縮までも可能にする冷凍術を活用しない手はありません。お買い得な新鮮食材との出合いを生かし、冷凍保存をフル活用しながらおいしくいただきましょう。
Book Info
『冷凍&冷蔵 かしこい保存と作りおき350品』(ワン・パブリッシング)
調理の時短とおいしさキープができる食材別の冷凍や冷蔵方法から、下味冷凍の「ミールキット」まで、オールシーズン使える350品のレシピをピックアップ。食材別にレシピが並んでいるので、作りたいレシピがすぐに見つかります。
肉や魚、野菜類をおいしく冷凍する方法や解凍のコツ、鮮度を保つ正しい冷蔵や常温保存のノウハウをわかりやすく解説。カレー、鶏のから揚げ、ポテトサラダなどの定番おかずを冷凍し、新しいおかずにリメイクする活用術も必見です。鮮度を保ち、おいしく食材を保存するテクニックだけではなく、冷凍食材のアレンジやリメイク例が豊富なので、やりくり術が身につきます。
取材・文=今井美由紀(Neem Tree)