コンビニエンスストアの棚にもたくさん並ぶ、サラダ。緑黄色野菜ばかりでなく、チキンを取り合わせたボリュームたっぷりのなサラダや、ナッツやたまごなどを組み合わせた栄養バランスの良いサラダなども目立ちます。そんな一品で満足できるようなサラダとドレッシングを自宅で楽しめるレシピを、野菜の料理家として活躍する西岡麻央さんに考案していただきました。
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なぜサラダがトレンドに?
日本ではここ数年のうちに、サラダ専門店が急増しました。西岡さんによると、それはニューヨークですでに目にしていた光景だったそう。
「8年くらい前にニューヨークを訪れたとき、サラダの専門店がカフェと同じようにたくさんあって、びっくりしたんです。仕事の合間にサラダを食べて、職場に戻るようなライフスタイルが根付いていました。健康意識が高まるなかで、この流れが日本にもきたのではないかと思います」(野菜の料理家・西岡麻央さん、以下同)
おすすめは、メインディッシュになるサラダ
トレンドになってきているのは、メインディッシュになるサラダ。サラダの中にお肉やお魚、雑穀米やショートパスタ、果物、ナッツなどが入り、とにかくボリューム満点なサラダのことです。
「タンパク質や炭水化物などがとれて栄養バランスがよく、お腹がいっぱいになりつつも、野菜メインなので、とてもヘルシーですよね。食事作りのハードルも下がりますし、おいしくて体にもいいとあって、人気を集めています」
今回は西岡さんに、3つのクラフトサラダを紹介していただきます。
温野菜で腸内環境を整えて。「かぼちゃときのこのグリルサラダ」
食物繊維豊富なかぼちゃやきのこ、海藻を取り合わせた、腸が働くグリルサラダです。かぼちゃの甘みと、たっぷり入ったアボカドで、食べ応えも満点。お通じの調子を整えたいときや、なんとなく胃腸がすっきりしないとき、油ものを食べすぎてしまったときにもびったりです。
「腸に潤いを与えるアボカドも入れ、ボリューム満点に作りました。濃厚な胡麻ドレッシングと合わせると、より食べ応えのある味になります」
【材料(1皿分)】
・海藻(乾燥)……3g
・かぼちゃ……60g
・しめじ……40g
・エリンギ(小)……1本
・アボカド……1/2個
・くるみ……10g
・塩……少々
・グリーンリーフ……2枚
・油(米油または太白ごま油)……適量
・クミンシード……小さじ1/2
《ごまドレッシング》
・練りごま(白)、すりごま(白)……各大さじ1
・米油、砂糖、穀物酢、牛乳……大さじ1
・醤油…小さじ1
【下準備】
・海藻は水で戻し、水気を切る。
・かぼちゃは、種とワタをとって薄切りにする。
・しめじは根本を切ってバラバラにし、エリンギは食べやすい大きさに切る。
・アボカドは薄切りにし、くるみは砕く。
【作り方】
1.油をひいたフライパンに、しめじとエリンギを入れて炒める。
「しんなりするまでグリルしたら、塩をふってから取り出しておきます」
2.そのままのフライパンに、さらに油をひいてクミンシードを加える。かぼちゃを並べて焼き、塩をふる。
「かぼちゃは両面に焼き色がしっかりつくくらいまで炒めます」
3.グリーンリーフを手でちぎる。
「葉はよく洗ってざるにあげて水気を切り、食べやすいサイズにちぎりましょう」
4.それぞれの材料を盛りつける。
「グリーンリーフを先に敷き、上にかぼちゃやきのこを並べていきましょう」
5.ドレッシングの材料をよく混ぜ合わせてかける。
「ドレッシングは、分離しないようにしっかり混ぜ、食べる直前にかけましょう」
惣菜を使って手軽に。「豆腐とひじきの和風サラダ」
惣菜として売られているひじきや、冷凍の枝豆を使った和風サラダです。手軽に購入できるものを使いつつも、生野菜や豆腐と合わせることで、ボリュームが出て満足度の高いサラダに。
「豆腐やツナ、枝豆と、タンパク質豊富な食材を取り合わせました。ダイエット中やボディメイク中におすすめです。既製品も取り入れながら作ることで、一気に料理のハードルが下がり、続けやすくなりますよ」
【材料(1皿分)】
・木綿豆腐……150g
・枝豆(冷凍) ……正味30g
・ミニトマト…… 3個
・ツナ(缶詰)……50g
・オクラ……2本
・ひじき煮(市販)…50g
・ベビーリーフ……30g
・塩……少々
《和風ドレッシング》
・穀物酢……大さじ3
・しょうゆ、油(米油または太白ごま油)……大さじ2
・砂糖……大さじ1
・白ごま……小さじ2
【下準備】
・豆腐はキッチンペーパーに包み、水気を切る。
・枝豆は鞘から出し、ミニトマトは半分に切る。
・ツナは水気を切る。
【作り方】
1.オクラはヘタとガクを取り、塩をふって板ずりしてから、熱湯で1分茹でる。
「オクラに塩をふり、まな板の上でころころ転がします。こうすることでアクが抜け、彩りよく茹でることができます」
2.皿にベビーリーフを敷き、豆腐をちぎりながら乗せる。
「豆腐は、食べやすい大きさにちぎってのせます。しっかり水分を拭くのがポイント」
3.枝豆、トマト、ツナ、ひじき煮をのせる。
「こちらのサラダは、材料をひとかたまりにせず、どこから食べても同じように盛りつけました。トマトはタネか見える方が見えるように盛りつけると、華やかな印象になりますよ」
4.ドレッシングの材料をよく混ぜ合わせてかける。
「ドレッシングの油は、お好みで構いませんが、米油や太白ごま油など、香りがなくさらっとしたタイプがおすすめです」
鶏むね肉で高タンパク低カロリーに。「鶏肉とさやいんげんのサラダ」
鶏むね肉とたまご、りんごが入った、お腹がいっぱいになるサラダです。ショートパスタも入れて、ランチにもなるように仕上げました。
「ナッツやりんごなど、食感のあるものを取り合わせると、食べているときにも楽しいですよ。ケチャップとマヨネーズで作るオーロラドレッシングはコクがあり、さっぱりとしたむね肉を食べ応えのある味にしてくれます」
【材料(1皿分)】
・ショートパスタ(フジッリ)……20g
・りんご……1/8個
・茹でたまご……1個
・アーモンド……10g
・オリーブオイル……適量
・油(米油または太白ごま油)……適量
・鶏むね肉……100g
・塩……適量
・さやいんげん……2本
・サニーレタス……2枚
《オーロラドレッシング》
・ケチャップ……大さじ2
・マヨネーズ……大さじ1と1/2
・牛乳、米油……大さじ1
・穀物酢、砂糖……小さじ1
・塩……少々
・粗びき黒こしょう……適量
【下準備】
・ショートパスタは茹でる。
・りんごは皮つきのままいちょう切りにする。
・茹でたまごは殻をむいてくし切りにする。
・アーモンドは砕く。
【作り方】
1.ショートパスタは茹でたあと、ザルにあげてオリーブオイルをなじませる。
「パスタにオイルをからめておくと、くっつきにくくなります」
2.鶏肉に塩をなじませる。フライパンに油をひき、鶏肉とさやいんげんを焼く。
「焼けたら、鶏肉は薄切りに。さやいんげんは、3等分くらいに切ります」
3.サニーレタスは手でちぎり、皿にのせる。その他の材料も盛りつける。
「この後、砕いたアーモンドをかけましょう」
4.ドレッシングの材料をよく混ぜ合わせてかける。
「とろんとしたオーロラドレッシングをたっぷりとかけてどうぞ」
栄養バランスが気になったら、まずはクラフトサラダ生活をはじめてみましょう。ドレッシングはある程度作り置きしておくと、さらに手軽になります。
Profile
野菜の料理家 / 西岡麻央
航空会社で客室乗務員として勤務するうち、不規則なリズムと食生活を解消すべく、料理教室に通うように。食べ物が心と体に与える影響力を感じ、退社後は料理家の井上絵美氏に師事、エコールエミーズ・プロフェッショナルコースにてディブロマを取得。現在は、サラダ専門店でメニュー監修をするほか、野菜を使ったレシピを提案している。
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取材・文=吉川愛歩 撮影=安藤佐也加 編集協力=Neem Tree