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脂肪が地球を救う!? どんな社会貢献ができるの?脂肪を燃やして寄付する
アプリ「チャリティー・ダイエット」

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「あなたの脂肪が、地球を救う」という、ちょっと不思議なコンセプトでチャリティ活動を行なっている、特定非営利活動法人メタボランティアが注目されています。自分と世界が一緒に健康になっていくプロジェクトと聞くと、具体的にはわかりませんが、とにかく興味がわいてきますね。

@Livingでは、この活動の運営組織であるNPO法人メタボランティアの代表理事である竹田周さんにインタビューしてきました。

ヘルスケアビジネスプランナーの肩書で活動に取り組む特定非営利活動法人メタボランティア代表理事・竹田 周さん
ヘルスケアビジネスプランナーの肩書で活動に取り組む特定非営利活動法人メタボランティア代表理事・竹田 周さん。

 

健康になることで、飢餓の子どもたちを救う

――メタボランティアの活動はいつから始まったのですか?

メタボランティアがNPOとしてスタートしたのは2009年からとなります。「メタボ健診」がスタートした、その約1年前の2008年から任意団体というかたちで活動を初めていますので、9年ほど活動していることになります。

――もう9年も「あなたの脂肪が、地球を救う」というユニークな活動を続けられているのですね。ところでメタボランティアの活動はどのような発想から生まれたのですか?

メタボランティアの活動が始まる前の約10年前、世界には肥満の人が約10億人(現在は21億人に増加)いると言われ、また飢餓の人も約10億人(現在は8億人弱に減少)おり、肥満と飢餓という全く正反対の健康問題を抱えている方が同じ数だけいる状態でした。肥満は飽食などによるカロリー過多、飢餓は食糧不足や貧困によるカロリー不足ということになります。そして、2008年に「特定健診・特定保健指導」、今ではすっかりお馴染みになった「メタボ」という言葉が普及するきっかけとなった、いわゆる「メタボ健診」が始まりました。このような世界の状況、そして日本の健康に対する新たな取り組みの推進を受け、メタボランティアではカロリーという単位に着目しました。

――現代人はどうしてもカロリーを多く摂りすぎる傾向がありますよね。

そうですね。そこでスポーツや運動により無駄な脂肪を燃やす事で余分なカロリーを減らし、その減らした分のカロリーを食糧支援というかたちで飢餓に苦しむ子どもたちへ送ることで、カロリーを循環させることが出来れば、肥満と飢餓の問題を同時に解決し20億人の健康人口が生まれるのでは? という発想からスタートしました。

 

健康促進イベントへの参加費が
飢餓救済活動への寄付になる仕組み

――現在参加できるメタボランティアのイベントはどのようなものがあるのですか?

これまではウォーキングの他、ヨガやボクササイズ、フットサルにスイミング、マラソンなど様々な企画を実施しています。

――そうしたウォーキングやスポーツイベントがどのように社会貢献に変わるのですか? 「脂肪を寄付に変える」とはどのような方法か教えてください。

メタボランティアでは運動やスポーツをする際に発生する消費カロリーを、貧困や飢餓などの社会貢献活動の寄付に変える活動を行っています。例えば、体重60キロの方が、しっかりウォーキングを5キロすると消費カロリーは約250キロカロリーとなります。これを1キロカロリーごとに1円の寄付として変換すると250円となり、私どもでは途上国で約5食分の食料を寄付することが可能になります。この寄付金はイベントの参加費用の一部を使用します。こうすることで、ウォーキングイベントに参加された方は、健康になり、さらに健康になった分のエネルギーを寄付にすることで、遠くの子どもたちの健康を支援することができるということになります。このような運動エネルギーを社会貢献につなげる仕組みがメタボランティアですので、消費カロリーが発生する運動やスポーツ、レジャーなど体を動かすことなら何にでも適用可能です。

――これまでメタボランティアの活動に参加された方はどのくらいの延べ人数なのですか?

これまでは、実際のイベントを主に実施してまいりましたが、WEBやアプリなどの企画も合わせると延べ12万人の方々にご活用いただいています。まだまだ少人数で東京近郊でのみの活動ですので、今後はWEBやアプリの取り組みも強化して全国各地の方々にご参加いただける仕組みを提供していきたいと考えています。

 

カロリー消費が寄付に変わる
アプリ「Charity Diet」が
この春から先行会員募集中!

――そのWEBやアプリの取り組みのひとつがこの春先行ローンチされる「Charity Diet」ですよね。「Charity Diet」は、これまでメタボランティアが行ってきた、消費カロリーの量に応じて、社会貢献活動への寄付に変換する仕組みをスマートフォンアプリで提供するプロジェクトとのことですが、「Charity Diet」ならではのメリットを教えてください。

これまでは、イベントを中心に行ってきましたので、参加したくても場所や時間の都合で参加できない、自分の地域でやって欲しいというようなご要望を数多くいただいていました。そこで、以前から、スマートフォンなどを活用して、いつでも、どこでも、メタボランティアに参加する事ができる仕組みができないかと考えておりました。そして、昨今のスマートフォンによるフィットネスやヘルスケアアプリの普及、センサー技術の向上により日常の活動から消費カロリーを取得することが容易になってきたことから、実現が可能と判断し今回のプロジェクトを開始することにしました。

Charity Dietの変換レートは30〜50キロカロリーで1円の寄付になります。スポーツでも、遊びでも、通勤でも、連携するアプリで計測した消費カロリーは全て対象ですので、日々の健康への取り組みが寄付というかたちで社会貢献に変わるのです
Charity Dietの変換レートは30〜50キロカロリーで1円の寄付になります。スポーツでも、遊びでも、通勤でも、連携するアプリで計測した消費カロリーは全て対象ですので、日々の健康への取り組みが寄付というかたちで社会貢献に変わるのです。

――寄付をする団体は選べるのですか?

はい。今回の先行サービスでは、「特定非営利活動法人国境なき医師団日本」「特定非営利活動法人ハンガー・フリー・ワールド」「公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」「特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン」「公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)」「認定特定非営利活動法人カタリバ」の6団体にご参加いただき、ご利用いただく方が自ら応援したい団体を選べるようにしています。

――寄付する団体が明確なので、参加者も自分の健康が社会貢献につながっているという実感が持てますね。ところで、この6団体への寄付はどのようにお決めになったのですか?

今回の「Charity Diet」を始めたきっかけの一つとして、2015年に国連により定められた「持続可能な開発目標(SDGs =Sustainable Development Goals )」があります。これまでのメタボランテイアの取り組みでは貧困や飢餓などの問題を抱える途上国への食糧支援ということにしていましたが、健康をもっと大きく捉えると、環境や教育、人権、災害、地域振興など様々な要素が整って健康的な生活が送れるという事になりますので、SDGsで定める「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「すべての人に健康と福祉を」などの17のゴールに基づく活動を行う団体の方々に多く参加いただきたいと考えています。

――「Charity Diet」の寄付金の原資は企業や団体との共同プロジェクトとして、ご協賛いただいているそうですが、協賛団体はどのような団体なのですか?

現在は、地理空間情報技術を活用した街づくりやエネルギーソリューションを提供する国際航業株式会社とSOMPOホールディングスの生命保険を取り扱う損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社、個人向けの血液検査サービスを中心に健康総合サービスを展開する健康ライフコンパス株式会社にご参画いただいています。3社ともに、積極的な社会貢献活動を行なっており「Charity Diet」のコンセプトを理解していただきご賛同いただいています。先行サービスに向けては、健康、社会貢献にご関心のある多くの企業様にご参加いただきたいと考えており、現在募集を継続しています。

「Charity Diet」は損保ジャパン日本興亜ひまわり生命のアプリ「Linkx(リンクロス) aruku」など、多くの健康系アプリと連携する予定
「Charity Diet」は損保ジャパン日本興亜ひまわり生命のアプリ「Linkx(リンクロス) aruku」など、多くの健康系アプリと連携する予定。

――社会貢献効果の高い素晴らしい活動ですね。2011年の東日本大震災以降、NPO法人が多く設立されましたが、継続はなかなかご苦労があると聞いたことがあります。メタボランティアの活動は継続可能ですか?

はい。これまで9年間の活動では、非常にたくさんのパートナーの皆様と健康と社会貢献を両立する様々な企画を実施してきました。今後もこの方法は変えずに、時代にあった企画やサービスを、ご賛同いただけるパートナーの皆様と一緒に実施していきたいと考えていますので、コンセプトは崩さずに形は変えつつ続けられる仕組みとして活動をしていきたいと考えています。

 

あなたが動けば、世界が動く。
運動不足を解消して地球をよりよくする力に!

――最後に今後の取り組みとして、メタボランティアの中長期の目標をお聞かせいただけますか?

2020年に東京五輪を控える日本ですが、WHO(世界保健機関)の調査よると15歳以上の日本人の65.3%が運動不足だとされています。これは、中国(30.6%)、ドイツ(30.4%)、アメリカ(43.2%)と比較すると大きな差があります。また、スポーツ庁の調査においても、過去1年間での運動頻度が週1日未満と回答した人が56%と運動した人を大きく上回っています。イギリスのケンブリッジ大学の研究によると運動不足による死亡リスクは肥満や過体重の2倍という結果も公表されており運動不足は健康に重大な影響を与えます。

――日本人の運動不足は世界レベルで見ても深刻ということですね。

そうです。一方、社会貢献活動の分野でも、先ほど述べた国連による「持続可能な開発目標(SDGs =Sustainable Development Goals )」が2015年に定められ、日本の積極的な社会貢献活動が求められています。しかし、日米の個人と企業の寄付を比較すると、アメリカが約30兆円に対し、日本は約1.5兆円と20分の1(いずれも2013年のデータ比較)となっており、日本の社会貢献活動への関心の低さが目立っている状況です。このような中で、本アプリでは、運動を社会貢献活動に繋げる仕組みを提供することで、運動不足と社会貢献不足という二つの課題解決を行い世界へ活力ある日本の姿を示して参りたいと考えています。

――いつでも、どこでも、誰でも運動不足の解消で健康になれて、その消費したカロリーが世界を変革して地球をよりよくする力になるということですね。今まで地球を救うなんて考えたことがなかったですが、「Charity Diet」ならやってみたいです。

 

メタボランティアでは2017年4月現在、チャリティ・アプリ「Charity Diet」の先行会員募集中です。500名限定、ご利用は無料です。“脂肪を燃やして、寄付にする”アプリ「Charity Diet」を試してみませんか。

http://www.metavolunteer.com/project/charitydiet/

 

特定非営利活動法人メタボランティア http://www.metavolunteer.com/

 

インタビュー・構成=プロデュース・オン・デマンド 撮影=三木匡宏