ついつい足を運んでしまう。地元の人々に愛されるお店
赤羽駅東口から徒歩4分。「赤羽一番街」を進んで少し外れたところに、「醸し屋素郎 slow」はあります。ズラリと並べられた一升瓶のディスプレイが、取り扱うお酒の種類の豊富さを物語っており、お酒好きの人々を店内へと誘います。
お店がオープンしたのは、2006年10月のこと。もうすぐ14周年を迎える店内には、著名人のサインがズラリと飾られています。
とくに多く見られたのが、プロ野球『ヤクルトスワローズ』の選手の方々のサイン。実はこちらのお店、“赤羽一、ヤクルトスワローズを愛するお店”を自称していて、スワローズの応援グッズやユニフォームも飾られているなど、選手も公認のスワローズ愛たっぷりのお店でもあるんです。
思わず目移りしてしまう、豊富なドリンクメニュー
外観のイメージ通り、ドリンクメニューはバリエーション豊か。季節によってグランドメニューに変更はあるものの、日本酒だけでも10種類以上のラインナップが用意されており、日本全国のおいしい地酒を楽しむことができます。
カクテルやサワー類が多いことも、女性にうれしいポイントでしょう。今回は、スローベリーを浸けたジンをソーダで割った「素郎ソーダ」と、ぶどう酢とびわエキスを加えたビタミンたっぷりのサワー「びわみんサワー」をいただきました。素郎ソーダは、ジンの華やかな香りとスローベリーのほのかな甘み、そして絞ったレモンの酸味が絶妙。びわみんサワーは、びわの優しい甘さとぶどう酢の爽やかな酸味が相まって、お酒があまり得意でない人でもスイスイ飲んでしまえそうな一杯です。どちらも後味がスッキリしているので、食事との相性も抜群!
思わずお酒が進む、個性的なメニューの数々
定番の居酒屋メニューから、ここでしか食べられないユニークなメニューまで、フードメニューのラインナップも豊か。まずはグランドメニューから人気のおつまみを注文してみましょう。
こちらは“slowの絶対エース”との呼び声高き『マカロニたまごのポテトサラダ』。その名の通り、固ゆでのたまごとマカロニが加えられたポテトサラダなのですが、オリジナルのドレッシングで仕上げられているんです。このしょうゆ・マヨネーズ・ごまベースのドレッシングが、まろやかなポテトサラダとの相性抜群! 箸もお酒も止まらなくなります。
続いて、お店の名物とも呼ばれる『揚げたて 厚揚豆腐』。やわらかいおぼろ豆腐を揚げたもので、外はカリカリ、中はプルプルの新食感が楽しめる一品です。今回は自家製のだし醤油とともにいただきましたが、マヨネーズとソースでお好み焼き風に食べるのもおすすめなのだとか。
お次は、鈴木さんおすすめの『手羽先のチューリップ揚げ』! 「どうして“チューリップ”なんだろう?」と不思議に思っていましたが、運ばれてきた姿を見て納得。まるでチューリップの花のような形をしていますよね。手羽先揚げといえば、細かい骨があって食べづらいというイメージがありますが、こちらのチューリップ揚げは片手でペロリと食べられるのが魅力的。一口食べれば、口の中にあふれ出すジューシーな肉汁がたまりません。
「こんなに手羽先がおいしいならば!」と、鶏レバーも注文してみることに。こちらは『しろレバーのオイル漬け』。レバー特有のくさみが驚くほど少なく、なめらかな食感とほのかな甘みが絶妙です。気をつけないと、どんどんお酒が進んでしまいそう……。
最後のシメは、やっぱりお茶漬け。明太子・梅・鮭から選べますが、今回は明太子を注文しました。玄米茶のお出汁をたっぷりかけていただきます。これまで注文したメニューは、思わずお酒が進むようなしっかりとした味付けだったのに対し、お茶漬けは玄米茶の香ばしさが際立つシンプルで素朴な味。身体の内側からじんわりと温まり、「ああ、きょうも一日がんばった!」と癒やされるおいしさです。
おいしいお酒と肴が、不安な毎日の励みになる
コロナ禍で一時は営業自粛を余儀なくされ、その後感染症対策を実施しながらも、少しずつ以前の営業形態を取り戻していった「醸し屋 素郎slow」。自粛期間中にスタートしたテイクアウトメニューも好評を博し、赤羽の人々の“おうち飲み”も支えています。
この日は開店直後に取材へ伺いましたが、しばらくすると、仕事帰りと思われるグループ客で席が少しずつ埋まり始めました。こんなご時世だからこそ、「きょうは何を頼もうかな」と選ぶことさえ楽しみながら、大切な人と楽しむお酒のおいしさは格別ではないでしょうか。
Shop Data
醸し屋 素郎slow(かもしや すろう)
所在地=東京都北区赤羽1-39-8 サアムビル1階
電話番号=03-3598-5465
営業時間=【火~金】17:00~24:00【土、日、祝】15:30~24:00 ※今後の時勢に伴い変更可能性有り
定休日=月曜日
http://slow.japan-web.jp/
取材・文=藤間紗花 撮影=柴崎まどか