自分に合ったスーツケースを手にいれたら、いよいよパッキング。旅行前は仕事などで何かと忙しく、また旅程の最終日も時間の余裕は意外と少ないので、パッキングに充分な時間がとれないこともあります。とはいえ、適当なパッキングでは、荷物が入りきらなかったり移動中に大事なお土産を損傷してしまったり……。時間をかけず、スーツケースのスペースを有効に使って万全なパッキングしたいものです。前編でスーツケースの選び方を指南してくれた山田絢音さんに、引き続きスーツケースの使い方を研究してきたかばんメーカーのスタッフならではの、基本的なパッキング術を教えてもらいました。
4分割の重量バランスを心がける
「荷造りで最重要なのは重量バランス。スーツケースを立てた状態で重心が下部にくるよう、荷物の配分を決めることが大事です。“4分割の法則”と呼んでいるのですが、スーツケースのスペースを蓋側とハンドルが装着された方の底側、各上下の4つに分割し、上部に軽いものを、下部に重いものを、さらに蓋側に軽いものを、底側に重いものを配分します。これで重心が底側の下部に来るため、スーツケースを持ち歩きやすくなる上、中での荷崩れを防ぐことができるんです」(山田さん・以下同)
パッキングケースを活用する!
「パッキングケースを使う大きなメリットは、どこに何を入れたかが一目瞭然で分かること。市販のパッキングケースはサイズもカラーバリエーションが豊富なので、入れるものに合わせてサイズを選んだり、色分けしたりとルールを決めて活用しましょう」
※パッキングケースはすべて「FLIGHT 001」
隙間を作らないこと!
「スーツケースの内部にすき間があると、荷崩れしたり中身が損傷したりする原因になります。かといって、行きの時点で容量いっぱいに荷物を詰めて込んでしまうと、お土産など帰りに増える荷物が入らなくなってしまう……。そこで行きの時点では、スペースの60%を目安に量を抑えましょう。スーツケースの下部から順に詰めていって、空いた上部のスペースにはサブバッグに新聞紙などを詰めていくといいですよ。荷物が増えたら、その分を新聞紙を捨ててスペースを作ったり、割れ物の緩衝材に使ったりできます」
以上を念頭に手軽、かつ時短でパッキングしましょう。旅先での帰りのパッキングも考慮したパッキングは、旅全体を快適にしてくれるはずです。Bon voyage!
Profile
エース マーケティング部 広報 / 山田絢音
かばんメーカーの広報担当として、バッグの選び方やパッキングにまで精通。旅行前に旅行会社主催で開催される参加者向け講習会などでもレクチャーしており、そこでは“ロールケーキ・ミルフィーユ詰め”などパッキングの実演も行っている。
取材・文=納富廉邦 撮影=真名子