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女性が家と我が身を守るには?ホームセキュリティのチェックポイント

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自分でできるセキュリティ対策とは?

セキュリティについてできることは、セキュリティシステムのある家に住むことだけではありません。自分でできることを日々続けたり、備えつけられる防犯グッズなどを使ったりしながら、安心できる空間をつくることが大切です。ここでは具体的におすすめの防犯グッズや防犯に対してできることを、引き続き日本防犯学校の桜井礼子さんに聞きました。

 

1.玄関だけでなくポストも施錠する

玄関の鍵はもちろんのこと、外につながる出入り口はすべて施錠すること。

「玄関はドアチェーンもきちんとかけ、来訪者が来てもチェーンをかけたまま対応してください。荷物を受け取るときは、どこから何が届いたのかインターフォン越しに尋ねて、思い当たるときにだけ受け取るようにします。また、サッシや、ベランダの履き出し窓には、必ず補助錠をつけましょう」(日本防犯学校・桜井さん、以下同)

ポストについては2でも触れますが、ここも鍵は必ず施錠しましょう。ダイヤル式のポストは、数字を合わせたまま施錠せずにいる人も多く見受けられます。ポストには個人情報が詰まっていますから、どんな人物が何人で住んでいるのかなどの情報を犯罪者に与えないようにしましょう。

工具がなくても簡単に取りつけられるサッシ用の補助錠。振動があっても、内部の歯車が固定されているので、緩みません。「補助錠があると、開錠の時間が倍はかかると言われています。侵入というと玄関ドアのピッキングが思いつきますが、窓も入りやすい入口のひとつであることを忘れないようにしましょう」


ベッセル「まど番す(つまみ式)」
733円(編集部調べ)

 

付属の強力両面テープを使い、女性でも簡単に取り付けができる窓用補助錠。スライド式なのでロックをしながら窓を少し開けることも可能です。「鍵式なので、侵入者の手が届いたとしても、ロックを解除される心配がないタイプです」

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日本ロックサービス「はいれーぬ 鍵つき」
2355円

 

2.個人情報が外部に漏れないよう注意する

個人情報がわかると、その家に住む人の生活パターンが見えやすくなり、犯罪者に侵入する機会を与えてしまうことがあります。

「ポストや玄関の表札は苗字だけにしましょう。玄関先には、女性のひとり暮らしだと悟られないよう、男物の靴や傘を置くのもおすすめです。玄関先のデコレーションや表札の文字などからも伝わってしまうものがありますし、ひとり暮らしであれば、女性らしい色のカーテンやレースものは避けるなど、外から見えるインテリアにも注意が必要です」

 

3. 近所の人との協力体制をつくる

集合住宅では、どんな人がどの部屋に住んでいるか知ることも大切な防犯対策です。

「マンション内で会う人の顔を覚えたり、積極的に挨拶したりすることが、犯罪者が侵入しにくい雰囲気づくりにつながります。町内会やマンションの自治会などがある場合はなるべく顔を出すのも良いでしょう。また、室内の様子がわかるようなホームネットワークシステムを導入しておくと、万が一侵入者があったとき、遭遇してしまう危険を回避することができておすすめです」

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スマートフォンと連動して室内を見守るカメラ。会話もできるので、子どもとの会話やペットへの指示などにも使えます。「カメラに内蔵されたセンサーが温度や音を感知すると、スマートフォンに通知がいき、カメラの映像を見ることができます。カメラは最大4台つけられ、赤外線LEDで夜間でも映像を確認できて便利です」

パナソニック「ホームネットワーク システム KX-HJC200K-W」
2万8080円(編集部調べ)

 

4.外から見て留守であることがわからないようにする

出勤時間や帰宅時間などが外から見てわからないようにすることで、部屋への侵入をしにくくする可能性がありますから、留守のときでも人気があるよう装うことも大切です。

「外出時は、外から室内が見える部屋の照明をつけておくのも良いでしょう。リモコンつきで、照明の点灯時間がセットできるタイプのものもありますので、外が暗くなる時間に点灯するようセットするなどして使ってみてください」

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普段はスイッチとして使用でき、留守のときは照明の留守番タイマーが設定できる仕掛けになっている防犯グッズ。「家にいないときに照明をつけておくと防犯にはなりますが、電気代が気になりますので、タイマー予約して生活パターンを悟られないようにするのが良いでしょう」

パナソニック「あけたらタイマ(2線式)」
7528円(税込)

 

防犯グッズは上で紹介したもの以外にも、お手軽なものから家全体を守れるようなハイスペックなものまで、さまざまな種類があるので、部屋のタイプに合わせて選んでみてください。

また、これから引っ越しを考えているならやはり、ホームセキュリティのある部屋や防犯優良住宅に認定された部屋をリクエストして物件探しをしてみるのは大事な対策です。例えばダイワハウスの賃貸物件「D-room」には、ホームセキュリティシステムを搭載した「防犯配慮型賃貸住宅」が用意されています。

センサーが異常を感知、あるいは非常ボタンを押すことでシステムが作動、ALSOKやSECOMといった契約する警備会社から警備員が駆けつけるので、外出時も在宅時も安心です

 

犯罪は、自宅にいるときでさえ、誰でも巻き込まれる可能性があります。常に防犯意識を持つことを心がけましょう。

 

Profile

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防犯アナリスト / 桜井礼子

日本初の女性防犯アナリスト。一般社団法人日本防犯学校講師。防犯界の第一人者で予知防犯提唱者「梅さん」こと梅本正行氏に12年間師事し、事件現場の検証と取材に携わる。女性・母親・高齢者の親を持つ立場で、弱者を犯罪被害から守る予知防犯を提唱する活動を展開している。

 

取材・文=吉川愛歩 構成=Neem Tree