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私たちの暮らしが地球を、そして私たちを脅かす!きちんと知りたい
“マイクロプラスチック”のこと

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マイクロプラスチックによる影響は?

マイクロプラスチックが与える影響とは、どのようなものなのでしょうか?

【影響1】動物へのダメージ

ひとつには、海鳥や貝、魚などがマイクロプラスチックを誤飲したり食べてしまったりして、健康被害を生んでしまうことです。
「実際に解剖したハシボソミズナギトリという海鳥の胃の中からは、かなりの量のマイクロプラスチックが発見されました。胃の中で未消化のまま溜まっていきますので、胃腸を傷つけたり、食欲不振や栄養失調を引き起こしたりしてしまうのです。ウミガメ、クジラ、さらに魚など200種以上の海の生物からプラスチックが検出されており、ダメージを与えています」

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【影響2】人体へのダメージ

魚や貝に含まれたマイクロプラスチックを人が飲み込んでも、プラスチック自体が人体に影響するわけではなく、やがて排出され、体内に溜まることはありません。
「しかし今後も手を打たなければこの汚染は止められず、海を漂うマイクロプラスチックは20年後に10倍まで増加すると言われています。現時点では、魚や貝に含まれるマイクロプラスチックを摂取したとしても、排出して問題なく過ごせていますが、プラスチックには100種以上の有害な化学物質が含まれていますし、それが今の10倍となったとき、同じことが言えるかはわからないのです」

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プラスチック製品をどう削減するか?

リサイクルの徹底やレジ袋の有料化を取り入れるスーパーマーケットが増え、以前より関心は高くなりましたが、マイクロプラスチックの問題が減っているわけではありません。

「リサイクルは、もちろんしないよりするに越したことはありません。しかしリサイクルにもエネルギーとコストがかかり、リサイクルに伴う環境汚染というリスクもあるので、作らない・使わない・捨てない、の徹底という、根本的な部分を変えていくことに意味があります」
環境への意識の変化が求められているのです。

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こんなことに注意してみよう
・レジ袋をやめてマイバッグを取り入れよう
・ペットボトル飲料を買わず水筒やマイボトルを使おう
・量り売りや包装の少ないものを選ぼう
・シリコンや石油成分、スクラブの入ったヘアケア用品やスキンケア用品を使わないようにする
・アクリルたわしやメラミンスポンジをやめてセルロース製など、天然素材のものを使う
・化学繊維の洋服は持たないようにする

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環境問題について考えはじめると、その規模の大きさに囚われてしまい、“自分だけが気にしてもたいした効果はない”と思ってしまいがちです。しかし一人ひとりが環境について心がけた買い物をすることで店舗の意識が変わることもあるのです。身近なことからまずはじめてみましょう。

Profile

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東京農工大学農学部環境資源科学科 教授 / 高田秀重

理学博士。日本水環境学会学術賞、日本環境化学会学術賞、日本海洋学会岡田賞など多数を受賞している。世界中の海岸で拾ったマイクロプラスチックのモニタリングを行う市民科学的活動「インターナショナル・ペレットウォッチ」を主宰、マイクロプラスチックの危機について訴える講演活動も行っている。

取材・文=吉川愛歩 構成=Neem Tree