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自身の体の不調から辿り着いた暮らしとは?三者三様の『からだとこころを整える』方法

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こころの声を聞く方法

元木:欲望やからだの声に正直なのは、たしかに重要かもしれません。

田中:自分のこころの状態に合わせて、行動を決められるのが『からだとこころを整える』で紹介している女性に共通しています。自分の頭で考えて行動できていて、みなさん健康もこころのケアも人任せにしていないんです。

元木:でも世の中には、こころの声やからだの声が聞こえないという人もいますよね。

田中:お灸とかマッサージをしてみて「心地いい〜」と思える瞬間を探してみるのがいいかもしれませんね。あと手軽に始められる「簡単瞑想」もいいですよ。私は朝起きて、白湯を飲んで、軽いストレッチをした後、簡単瞑想でからだの状態をスキャンしています。「昨日より息が詰まるな」とか「なんか左に傾いているな」とか、昨日の自分と比べてどんな変化があるか定点観測をしていくと、からだの声を聞くきっかけになります。イライラしている時は、なかなかからだに気持ちが向かないけど、「乱れているな」と感じるのもひとつの気づきになります。

初心者にもおすすめだという、煙のでないお灸。気になる疲れに合わせたツボにお灸を据えるとじわじわと効き、元気に働き続けていくためのお守りにもなっているそう。
初心者にもおすすめだという、煙のでないお灸。気になる疲れに合わせたツボに、お灸を据えるとじわじわと効き、元気に働き続けていくためのお守りにもなっているそう。

元木:自覚することが必要ですよね。

田中:あと、“10年日記”もつけているんです。夫と喧嘩をするのは、どういうタイミングなのかを知りたくて、記録するようになったんです。すると花粉症が出てくる時期や疲れが溜まった年末に大喧嘩していたり、生理周期も関係していることが分かったんです。それ以外にも、季節の変わり目で必ず同じようなことで体調を崩すなど、自覚できれば対策ができるので、データにするというのもひとつの方法かもしれませんね。

 

「幸せ」の形は自分で決める

元木:『からだとこころを整える』には、田中さんが普段整えるために使っているアイテムがたくさん紹介されていますよね。

田中:「ホメオパシージャパン」の「プロテクション&クリアリング」のスプレーは、電車の空気が悪いときや、出張先で落ち着かない宿に泊まったときにシュッとスプレーするのに使ったりしています。あと春先の花粉がひどい時期には、「イムネオール100」というリフレッシュローションも手放せません。

フラワーエッセンス「プロテクション&クリアリング」(左)と、「イムネオール100」(右)。取材したのはまだ花粉が残っていた時期だったので「この季節には、リフレッシュローションが必需品」と紹介してくれた。
フラワーエッセンス「プロテクション&クリアリング」(左)と、「イムネオール100」(右)。取材したのはまだ花粉が残っていた時期だったので「この季節には、リフレッシュローションが必需品」と紹介してくれた。

田中:あとフラワーエッセンスも使い始めるまでは「怪しい」と思っていたんですけど(笑)、勉強しながら、自分で人体実験していたら、効き目を強く実感するようになりました。こころの状態に働きかけるものですが、こころを整えることでからだにもいい影響が生まれ、お守りのように活用しています。

以前はブレンドのフラワーエッセスをよく使っていたということだが、最近はバッチフラワーのシングルエッセンスを愛用。よく使うのは、真ん中の「クラブアップル」で、浄化と開放のエッセンスとして人気なのだとか。

元木:私もフラワーエッセンスを使っていますが、海外では当たり前に使われているんですよね。

田中:そうそう。漢方や鍼灸と同じように、症状だけを診るのではなく“人”を診ているから、同じ症状でも人によって処方されるフラワーエッセンスが違うんですよね。そこが好きなんです。私もいろんな健康法を試していく中で、健康にも多様性というか、「あの人には合うけど、私には合わない」ものがたくさんあることを知りました。この本も、全員が同じ整え方をしていません。本を参考にしながら、自分に合うもの、しっくりくるものを見つけるヒントになれば、と思っています。

元木:合う人と合わない人がいるっていうのは、私も共感しました。ストレッチをしたり体を動かすことで健康を取り入れている人もいるし、音楽やアロマ、みんな好きなものを選んでくれたらいい。この中で自分が気になったものから始めてみるくらいでもいいですよね。

田中:そうですね。元号が令和に変わってからよりいっそう、幸せってこういう形、結婚ってこういう形、恋愛は……、仕事は……って、人ぞれぞれの形を見つける時代になってきたと思うんです。あと今回の新型コロナウイルスのことをきっかけに強く思ったのが、お花見ができて、友達とごはんを食べて、外で遊べるということが“当たり前”ではなかったということ。

元木:“当たり前”のことなんてないってことですよね。

田中:「こころ」の平穏と感謝の気持ちは比例すると思うので、こんな時だからこそ、感謝の気持ちを伝えるのが大切だと思います。「ありがとう」は、お金が1円もかからずその場の空気をよくしてくれますから。

元木:旦那さんはちゃんと言ってくれますか?

田中:うちの夫はそこが素晴らしくて。ごはんの時も、ちょっとしたことでも、毎回「ありがとう」を言ってくれるんですよ。そのひと言でホッとできるし、私もそばにいてくれるだけで「ありがとう」が言えるようになってきました。もちろん「チッ!」と思う日もありますけど(笑)、パートナーは人生の伴走者というか、お互いがお互いを育てた作品のように思えます。私自身にとって「一番の幸せは何かな? 」と自問していくと、親しい人と「おいしいね」「ありがとう」と言いながら、ごはんを食べることにたどり着くような気もしています。

Profile

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編集者 / 田中のり子

出版社にて雑誌編集、書籍編集を経て独立。衣食住をテーマに、暮らしまわりの編集・執筆を行う。からだとこころにまつわる取材も多く、フラワーエッセンスや漢方についても勉強中。著書は『からだとこころを整える』のほかにも『暮らしが変わる仕事 つくる人を訪ねて』(誠文堂新光社/2018年)があり、編集や取材に関わった書籍も多数出版されている。
ウェブメディア『暮らしとおしゃれの編集室』に不定期連載されている「からだ修行」では、漢方や足もみなど健康にまつわることを自ら体を張って体験し、レポート。幅広い層の女性たちからも支持されている。
https://kurashi-to-oshare.jp/karada/

ブックセラピスト / 元木 忍

学研ホールディングス、楽天ブックス、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に在籍し、常に本と向き合ってきたが、2011年3月11日の東日本大震災を契機に「ココロとカラダを整えることが今の自分がやりたいことだ」と一念発起。退社してLIBRERIA(リブレリア)代表となり、企業コンサルティングやブックセラピストとしてのほか、食やマインドに関するアドバイスなども届けている。本の選書は主に、ココロに訊く本や知の基盤になる本がモットー。