CULTURE 人・本・カルチャー

シェア

サッカー初心者もこれだけ知っておけばOK!「FIFAワールドカップ」の基礎知識と
カタール大会の注目ポイント

TAG

11月20日に開幕を迎えた「2022 FIFAワールドカップ」。今大会は、中東のカタールで約1か月間にわたって実施されます。4年に一度しかない“お祭り”に、普段Jリーグなどはチェックしていなくてもワールドカップだけは観戦する、という人も多いはず。今回なぜカタールで開催することになった? 最近の強豪国の傾向は? ズバリどこが優勝しそう? 日本代表の注目選手は? そんなサッカー初心者の疑問を、スポーツジャーナリストとして今大会も現地入りし取材しているミムラユウスケさんにぶつけてみました。

CONTENTS  

Q.今大会の開催地は中東のカタールですが、そもそも開催地はどのように決まるのでしょうか?

A.FIFA加盟国から立候補、招致活動を行い投票によって決められます。

開催地は国際サッカー連盟(FIFA)の理事の投票によって決まります。直近2大会の開催地ではないFIFA加盟国からの立候補を受け付けて、実際に現地での視察などを経た上で投票、過半数を獲得した国が開催国となります。イメージとしては、オリンピックの誘致の仕組みと同じようなものですが、オリンピックが都市単位で開催するのと異なり、FIFAワールドカップは国全体での開催となります。

スイス・ジュネーブにおかれたFIFAの本部。

Q.次回2026年大会はアメリカ、カナダ、メキシコ。なぜ3か国にまたがるのでしょうか?

A.参加国が32か国から48か国に増えることが背景にあります。

2026年からは参加国が32か国から48か国と、16か国も増えます。ワールドカップは、世界におけるサッカーの普及と同時にマーケティングも考慮して開催国が決められてきました。放映権料も年々上がって来ていますが、これが開催国ではないと関心が薄くて、安く買い叩かれてしまうケースも。48か国開催となれば、高い放映権料で買ってくれる国が16か国も増えるわけですから、それなら3か国共同で開催しようということになったようです。もちろん、アメリカだけでなく3か国で開催した方が盛り上がるはず、といった純粋な思いもあると思いますよ。

ちなみに、ワールドカップのアジア枠は現在4.5枠ですが、これが2026年からは8.5枠に増えます。これは、FIFAがアジアの人口増加に注目していて、中国やインド、サッカー熱の高い東南アジアの国々へのマーケティング戦略もかなり意識していることが背景にあると思われます。

Q.なぜ開催が4年に一度なのでしょうか?

A.オリンピックにならって決められました。

1930年の第1回大会から、第二次世界大戦前後を除くすべての時期で4年に一度開催されています。これはオリンピックにならって決められました。オリンピックの次の開催までに空いている期間がありますから、ちょうどその間に開催をしよう、ということになり、現在は冬季オリンピックと同年に開催されていることになります。

Q.開催される時期や季節にも規定があるのでしょうか?

A.基本的に6月〜7月。今大会は初の冬開催となりました。

基本的にワールドカップは6月や7月に開催されます。というのも、ヨーロッパの多くの国のリーグがオフシーズンとなるため。そこでこのオフシーズンに合わせ、6月~7月が基本的なワールドカップ開催時期となっています。

今大会は、同時期の現地は非常に暑い。そこで、「すべての会場にクーラーを付ける」ことを公約して招致したのです。ところが、招致が決定した後に「観客の移動にも配慮すると熱中症などの危険もあるのではないか」という意見が出てきました。そこで、ワールドカップ史上初の冬開催が決定したのです。もちろん、カタールは11月とはいえ日本の初夏程度の気温になりますが、比較的気温の低い季節なので、重度の熱中症患者が出る危険も少ないだろうと見込まれています。

とはいえ、11月の開催はかなり異例のことですから、ヨーロッパのほとんどのリーグがスケジュールを変更するなどかなり無茶な調整もあったようです。

ドーハのアル・サマーマ・スタジアム。
カタール全土に8つ(改修1・新造7)のスタジアムが造られた。今大会の開催費は、なんと32兆円にのぼるという。ちなみに2021年の東京オリンピックは1兆4238億円。

Q.ワールドカップへ辿り着くには、どのようなステップがありますか?

A.1次予選から最終予選、さらにプレーオフまで約2年半かけて争います。

大陸ごとにステップが異なりますが、アジア予選の場合はまずFIFAランキング下位12チームが、2チームずつの6組に分かれて、ホームアンドアウェーで戦う「1次予選」があります。日本などアジア内でトップ16ぐらいに位置する国は、この1次予選が免除されるので「2次予選」からのスタートになります。

2次予選では、1次予選を勝ち上がった6チームと免除された34チームの合計40チームを5チームずつ8組に分けます。ここでもホームアンドアウェーの総当たり戦を実施して、各組の1位は無条件で最終予選への進出が決まります。最終予選へは、各組2位の中から上位4位チームも進出するので、計12チームとなりますね。これを6チームずつ2組に分けて、各組でホームアンドアウェー総当たり戦を行い、勝ち上がった各組上位2チーム(計4チーム)が本選へのチケットを手にします。

ところで、アジアの出場枠は4.5枠ですが、この「0.5」というのは、条件付きの出場枠という意味です。他地域(アジアの場合は、南米)の国と最終プレーオフをして勝った場合にのみ本選へ進出できるので、出場できるかどうかはその試合次第となります。そのために「1枠」ではなく「0.5枠」とカウントされているんです。

Q.ワールドカップ本選では優勝までにどのようなステップがあるのでしょうか?

A.総当たり戦の「グループリーグ」と「決勝トーナメント」の2段階があります。

大きく2つのステップがあります。まず、出場32チームを8組(各4チーム)に分けます。各組4チームによる総当たり戦を行い、上位2チームが決勝トーナメントへと進みます。よく耳にする「ベスト16」というのは、この16か国のことになります。決勝トーナメントは、皆さんもよく目にする一番わかりやすい形ですね。ベスト16、準々決勝、準決勝、決勝へと進んで優勝が決まります。

日本はグループEで、ドイツ、スペインなどの強豪国がひしめく。

Q.優勝チームにはどのような特典があるのでしょうか?

A.優勝チームにはFIFAからトロフィーと賞金56億円が授与されます。

トロフィーと賞金があります。賞金はチームに対して出るものですが、分配方法は各国のチームがそれぞれに決めます。賞金だけではなく、スポンサーからのボーナスが出る場合もありますね。これが結構おもしろくて、日本がベスト16となった2018年ロシア大会の時には、スポンサーであるJALが健闘したことのお祝いで当初予定していた民間機ではなくチャーター機を手配してくれたんですよ。全額JALが負担してくれたのかは分からないですけれど、こういった「粋な計らい」的ボーナスがあるのは気持ちの良いニュースですよね。

さて、賞金ですが、実は優勝チームだけに限られた特賞ではありません。今大会を例にすると、まずグループステージに参加するチームには一律で900万ドル(12億6000万円)が支給されました。これは移動や滞在などの経費を含めての賞金という位置づけです。

その後の賞金は、最終成績によって変わってきます。ベスト16になると、1300万ドル(18億2000万円)。ベスト8は1700万ドル(23億8000万円)。さらに3位決定戦まで勝ち上がると、賞金もぐんと増えます。ベスト4は2500万ドル(35億円)、3位は2700万ドル(37億8000万円)、準優勝は3000万ドル(42億円)、優勝すると4000万ドル(56億円)を獲得することができます。使い道は、各国チームによってさまざまですね。将来の子ども達のための施設を作るために使うチームもあるようです。

このFIFAからの賞金のほかに、国や各国のサッカー協会から報奨金が出る場合もあります。ドイツがこの明細を発表しているのですが、まずベスト16に進出すると5万ユーロ(730万円)、優勝すると40万ユーロ(5840万円)が、各選手にボーナスとして支給されるそうです。

※1ドル=140円、1ユーロ=146円で計算

FIFAワールドカップのトロフィー。(写真はレプリカ)

Q.今回なぜカタールに白羽の矢が当たったのか、理由を教えてください。

A.初の中東、初のイスラム圏という意義が強調されました。

当初、中東のイスラム圏で初めて開催されるという意義が唱えられていました。

Q.カタールでの開催に批判の声もありますが、それは背景に何があるのでしょうか?

A.招致自体に不正があったこと、人権問題などが取り沙汰されています。

カタールの開催は2010年時点ですでに決まっていました。通常は8年前の決定ですから異例のことです。その背景には、カタールからかなりの裏金が流れたことがあると言われています。この時の汚職事件では、FIFAやヨーロッパのサッカー連盟上層部が数多く失脚しています。開催直前になってこの話題が再び世間に挙がってきたことが、批判されることの原因のひとつでしょう。

また、カタールではインドやパキスタンなどから、労働者を安く雇い入れ、過酷な環境で労働を強いているという現状があります。こうした人権問題への抗議もあって、とくにヨーロッパの国々から非難の声が強いようです。

そして異例の開催時期。ヨーロッパリーグが、ワールドカップの日程に合わせるためにかなり試合日程を詰めました。そのために選手に続々と怪我人が発生しています。これも、ヨーロッパで批判の声が多いことの要因でしょうね。

「今回のワールドカップは放送しない」「代表選手所属の地元チームもワールドカップの情報はSNSに投稿しない」など、選手へのリスペクトはあっても、大会そのものは支持しないという考えのもとで抗議行動が行われています。また、ボーナスや賞金を辞退して寄付にあてることで抗議する考えを示そうとする選手もいれば、スポンサーも、例えばデンマーク代表のスポンサー、スポーツ用品メーカー「ヒュンメル」は、ユニフォームにレイアウトされた企業ロゴを黒塗りにすることで抗議を示し、逆に完売するという事態になっています。

インド、パキスタンからの移民も多く、カレーを提供する料理店も多い。

Q.現地で取材して、カタールの街や人の雰囲気、サッカーを取り巻く環境にどのような印象を受けましたか?

A.他の大会に比べて、街での盛り上がりはあまり見られません。

スタジアムは屋外ですが、招致時の公約通り、エアコンが完備されています。また、大会に合わせてカタール初の地下鉄ができていました。しかも、距離に関係なく40円で乗れます。カタールは石油産出国でインフラでお金儲けをする必要がないですから、あくまで入場券という感覚なんですね。さらにワールドカップのチケットを持っていればタダで利用できます。

一方で、街の雰囲気はわりと落ち着いています。2002年の日韓ワールドカップでは開催期間中はお祭り状態でしたが、カタールではそもそも人影もまばらですし、イスラム圏なので飲酒をしながら試合観戦をして盛り上がるということもありません。他の大会に比べると盛り上がっているという雰囲気は乏しいように思えます。

カタールの街。完全な車社会で、酷暑の夏はもちろん、いまの季節でも外を歩いている人は少ない。
新設された地下鉄の駅構内。

Q.なぜ歴史的にブラジル、またヨーロッパの国々が強豪国なのでしょうか?

A.ブラジルなど南米は個人の能力が際立ち、ヨーロッパはチームの戦術に長けているため。

かつては、チーム力ではなく選手の能力だけで強さが決まっていた部分があります。つまり、単純に選手の能力の“足し算”で決まっていました。ところが、今では監督の戦術などを含めたさまざまな対策と選手の能力との“掛け算”になった。チームの戦術が優れていれば、スター選手とそれ以外の選手との連携も上手く機能するわけです。こういった、監督の指導力と次にお話しする大会中のコンディション作りが、ヨーロッパを今、強豪国としている理由でしょう。

Q.近年、出場国に傾向はありますか? 強くなっている地域、逆に衰退しつつある地域など、傾向があれば教えてください。

A.ヨーロッパの強さが際立ち南米の存在感が薄れています。

ヨーロッパが強くなり、南米のブラジルなどかつての強豪国が優勝から遠ざかる傾向にあります。ワールドカップの史上最多優勝国はブラジルですが、2002年以降には優勝できていません。過去4大会を遡ると、2018年がフランス、2014年がドイツ、2010年がスペイン、2006年はイタリアと、ヨーロッパの国が立て続けに優勝しています。

かつての王者・南米が勝てない傾向にあることには、2つの理由があると思っています。まず、良い監督が少ないということ。言語の壁もあり、リーグが多いヨーロッパで指導者の経験を積めないんですね。そのため選手が実力を発揮しきれていないんです。

また、2018年ロシア大会、2014年ブラジル大会、2010年南アフリカ大会においては、現地の環境への対策が不十分でした。南アフリカは高地、ブラジルは国土が広いので寒暖差が大きい、ロシアはさらに広く移動が多くなります。ホテルや移動手段などの環境を整えることは非常に重要です。この点においても、ヨーロッパはマネジメント能力が各段に優れていることが理由として挙げられると思いますね。

Q.三村さんが、今大会で台風の目となりそうだと予想するチームはどこでしょうか?

A.カナダに注目しています。

カナダは2026年の開催国でもありますから、今まさにチームを強化している最中です。そして、アメリカやメキシコというワールドカップの常連国を抑えて、今回1位で予選を突破しています。これも能力が上がってきていることの証でしょう。

注目すべきは、チーム内でのコーチの細分化です。ヨーロッパと異なるアメリカ的な傾向として、メンタルコーチやコンディションコーチなど、それぞれにコーチを置いてケアをし、それが功を奏していることが挙げられます。また、カナダの代表監督が個性的です。ジョン・ハードマン監督は、カナダ女子代表監督として2016年のリオデジャネイロ五輪で銅メダルに導いた功績があります。この功績を買われてカナダ代表監督に抜擢されるという異例の経歴の持ち主ですが、結果、じつに36年ぶり2度目のワールドカップ出場権を獲得するに至ったのです。

Q.ズバリ、どこが優勝する! と予想しますか?

A.クジ運にも恵まれたオランダの初優勝を予想します。

むずかしいですが……オランダの初優勝でしょうか! 今大会は非常にくじ運に恵まれていて、グループリーグから強豪国にあまりあたることなく準決勝までは進めるのです。さらに決勝トーナメントでも初戦日程が早く、余裕があるので体力を温存できます。これも有利なポイントだと思いますね。

Q.今大会で注目すべき選手はいますか?

A.フランス代表のムバッペ選手は注目です。

なんといってもリオネル・メッシ選手(アルゼンチン代表)とクリスティアーノ・ロナウド選手(ポルトガル代表)、それとキリアン・ムバッペ選手(フランス代表、エムバペとも表記)でしょう。とくに、メッシとロナウドは年齢的にも今大会が最後のワールドカップになると思いますから、かなり強い気持ちで挑むはず。チームの連携力はもちろん重要ですが、代表チームは年間で数試合行う程度ですから、気持ちが強いチームというのは試合にも強いですよ。

ムバッペ選手は前大会のチャンピオンとして今回も参加しますが、スター選手として活躍すると思います。彼は、 パリ・サンジェルマンFCで横にネイマール選手とメッシ選手を引き連れて活躍していますから、まさに「王様中の王様」といえますね。

Q.今回日本代表に選出された顔ぶれをみて、ミムラさんは率直にどう感じましたか? またどのような特徴をもったチームだと思いますか?

A.若い選手が多く、フォワードにW杯出場経験がないことが面白い特徴です。

率直に、若い世代の選手が多いなと感じました。今回日本代表のチームを率いる森保一(もりやすはじめ)監督は、オリンピック代表(出場年齢24歳以下の年齢制限あり)ワールドカップ代表の監督を兼務しており、若い選手を鍛え、その実力を知っているわけです。

彼らがヨーロッパで活躍し始めていることもありますし、何より「選手たちにのびのびとプレイさせる」というのが森保監督流。守備のポジションにはベテランの選手を置いていますが、攻撃のポジションには過去にワールドカップに出た経験のある選手がいないというのは大きな特徴ですね。

日本代表の現地での練習時に行われた26名そろっての記念撮影。

Q.とくに注目すべき日本代表選手は誰でしょうか?

A.久保建英選手、鎌田大地選手が攻撃の命運を握っています。

スペインのレアル・ソシエダに所属する久保建英(くぼたけふさ)選手、ドイツのアイントラハト・フランクフルトに所属する鎌田大地(かまだだいち)選手はとくに注目です。二人とも、今シーズンに各チームで大躍進をしています。久保選手は2001年生まれなのでまだ21歳、鎌田選手は1996年生まれで26歳です。彼らの若い勢いには森保監督も期待していて、攻撃の命運を握らせているといった感じですね。

日本代表の練習場への入り口。(代表チームとメディア関係者以外、立ち入り不可)

Q.今回の代表チームのなか、あるいはまだジュニアの選手で、4年後以降の大会で活躍しそうな、今から知っておくべき将来有望な選手はいますか?

A.日本は久保選手、海外ではムココ選手です。

筆頭は、やはり久保選手。将来日本代表で10番を背負っていく存在になるのだろうな、と思います。それから海外では、日本と最初に対戦するドイツチームに所属する、18歳初出場のユスファ・ムココ選手。彼は16歳になってすぐにドイツのトップリーグでゴールを決めるなど、多くの最年少記録を破っている注目選手ですね。日本代表戦でも出て来ると思うので、とても楽しみにしています。

日本の初戦は11月23日現地時間16時(日本時間・同日22時)!

Q.ミムラさんの記憶に残る日本代表の試合と、そこで起きたエピソードを教えてください。

A.2018年ロシア大会のベルギー戦です。

ロシア大会の決勝トーナメント初戦で日本があたったベルギー戦ですね。ベルギーは最終的にベスト4まで進んだ強豪チームですが、そのベルギー相手に途中まで2-0とは誰も予想していなかった。結果は、ロスタイムに劇的な逆転ゴールを許して2-3で負けてしまいましたが、日本代表がこれまでに世界の強豪国をここまで追い詰めたことはありませんでした。他国からも「日本は勇敢だった」「すごく良いチームだった」と評価された試合だと思います。

Q.日本代表とそれ以外のチームも含めて、三村さんにとって印象的だった大会・試合、選手を教えてください。

A.ベルギー戦では、乾選手、長谷部選手、本田選手のプレーが印象的でした。

乾貴士(いぬいたかし)選手は2ゴールを決めました。本田圭佑選手は、ずっと代表レギュラーでしたが周囲の選手のコンディションなどを見て、西野朗監督に「スタメンじゃなくても良い。その代わり、途中から出て仕事をするための準備をさせてほしい」と直訴したというエピソードがあります。その結果、1ゴール1アシストで、3試合のうち2度得点に絡んだ仕事をしていますから有言実行を果たしたわけです。

また、キャプテンだった長谷部誠選手は普段、能ある鷹は爪を隠すといった、多くを語らないスタンスの選手ですが、ロシア大会をもって代表から引退することを決めていたので、試合以外の時間でも、ホテルで選手ごとにミーティングをしたり、監督に他の選手から出た意見を伝えたりと、チームを良くするために何が出来るのかということを考えて動いていた。これが最後のワールドカップだというその強い覚悟は、僕らメディアの人間にも伝わってきました。

今大会に日本から現地入りしたメディアのクルー。

Q.日本代表戦や選手の様子、現地の雰囲気などを知るには、どのようなメディアやツールをチェックすればいいですか?

A.日本サッカー協会のYouTubeチャンネルがおすすめです。

まず速報はTwitterなどSNSが良いでしょう。また日本サッカー協会のYouTubeチャンネルでは、チームの中にカメラが入って様子を配信してくれます。これは今までの大会にはなかったことですし、1日~2日遅れとはいえほぼリアルタイムで選手たちの様子を確認することができます。選手たちが遊びでリフティングをして負けた人はデコピンの罰ゲーム、なんて舞台裏も見ることができるのでファンの人にも楽しいと思いますよ。

あと、ABEMA TVでは登録すれば全試合が無料で閲覧できます。この試みは今大会が初めてのことで、スマホさえあればワールドカップを楽しめるというのは今大会の特徴のひとつだと思います。

Q.選手やチーム、試合のゆくえ以外に、意外と着目してみるとおもしろいものはありますか?

A.試合後の選手インタビューがスピーチの参考になるかも!?

応援の声に注目してみると面白いと思います。例えば、中東の人の応援は、普通のシュートを打っただけでも、まるでビッグチャンスであるかのように会場が異様に盛り上がります。音声も気にして試合観戦をすると、より臨場感のある楽しみ方が出来るかもしれないですね。サポーターだとドイツ人の応援はなかなか凝っていて面白かったりするんですが、今回はボイコットの影響もあって実際どれだけの人が来るのか読めないところですね。

試合後のインタビューにも注目してみてはどうでしょうか。今の選手たちは子どものころからSNSに慣れ親しんでいる人も多く、すごく上手くまとめた喋り方をしてくれるので、会社や学校などで受けが良い表現やコメントが学べたりするんですよ。例えば、会社や学校の朝礼でスピーチをする時の参考にしてみると良いかもしれないですね。

いよいよ今晩、日本の初戦となるドイツ戦がキックオフです。

Profile

スポーツライター・コメンテーター / ミムラユウスケ

2006年から活動をはじめ、2009年1月から、Bリーグが開幕する2016年9月までドイツ在住。『Number』(文藝春秋)など多数の媒体に寄稿しつつ、スカパー!「ミムラ・ヤスイのブンデスリーガ大学」などでコメンテーターを務める。著書(共著執筆含む)に、武尊『光と影』(ベースボール・マガジン社)、香川真司『心が震えるか、否か』(幻冬舎)、『千葉ジェッツふなばし熱い熱いDNA』(東邦出版)、横浜ビー・コルセアーズ『海賊をプロデュース』(産業能率大学出版部)、内田篤人『淡々黙々』(幻冬舎)がある。岡崎慎司『鈍足バンザイ!』(幻冬舎)の構成も務めた。

Twitter

取材・文=@Living編集部 写真提供=ミムラユウスケ