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1万円台〜7万円未満のハイコスパモデル皮膚の内側へアプローチする
最新「電気ブラシ」の選び方

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美容家電のひとつ「電気ブラシ」が注目されています。以前は10万円以上する高価なアイテムでしたが、ここ数年で手頃な価格のモデルが増え、手の届きやすいアイテムとなりました。とはいえ電気ブラシには、実際にどのような効果があるのでしょうか?

電気ブラシのメリットや使い方、選び方、そしておすすめの最新モデルまで、美容家電にもくわしい家電ライターの田中真紀子さんに解説いただきました。

頭皮への刺激だけじゃない
電気ブラシって何?

写真はパナソニック「リフトケア美顔器バイタリフトブラシEH-SP60」

電気ブラシとは、ブラシの形をしたEMS(低周波)美顔器。突起部分を頭皮や顔の表面に当てて低周波を与え、表面に近い筋肉に働きかけることによりリフトアップや血行促進を促すEMSを採用した美容家電です。

「ブラシの先端から低周波(0.1Hz〜1000Hz)の電気刺激を皮膚に与えることによって、皮膚に近い部分の筋肉にアプローチすることで、さまざま効果が期待できます」(美容家電ライター・田中真紀子さん、以下同)

・リフトアップ効果

「とくに実感しやすいのが、顔の引き締め効果です。筋肉に働きかけるので、シャープなフェイスラインにしてくれます。即効性があるので、デートや結婚式などここぞというときや、写真撮影のときなど顔をすっきりと見せたいタイミングに、抜群の効果を発揮してくれます。一方で、その効果は長く維持できるものではないため、継続して使うことが基本です」

・血行促進効果

「皮膚に近い筋肉に電気刺激を与えることによって、筋肉の収縮を起こし血行を促します。血流が良くなることにより、肌の活性化が期待できます。ほかにも肩のコリ解消、老廃物の流れをよくするなどのメリットも。お酒を飲んだ翌日の、むくみの解消も期待できます」

電気ブラシはその形状が示すとおり、登場当初は頭皮ケアのためのアイテムでした。

「顔の皮膚と頭皮は一枚皮であるということから、徐々にフェイス用として使われるように。頭皮と顔どちらにも使えるアイテムとして定着しています」

見逃せない機能とは?
電気ブラシの最新トレンド

写真はアテックス「EMSリフトブラシAX-NBL506」

「電気ブラシに注目が集まるようになったのは、ヘアメイクや美容家の方たちのあいだで評判となったのがきっかけです。高価なアイテムだったこともあり、当初は美容意識の高いアッパー層の女性たちに人気がありましたが、価格帯の幅が広がったことによって、最近ではアンチエイジング用途の30代40代女性から肌の悩みを抱えている若い人たちなど、さまざまな層から支持を集めています」

最新の電気ブラシでは、以下のような機能が搭載されるのがトレンドとなっています。

・異なる周波数で深度を変えてアタック

「メーカーによって提案している低周波の周波数は違いがあります。なかでも周波数の異なる2つの刺激を同時に与えることにより、皮膚の表面に近い筋肉と、より深い筋肉に同時に刺激を当てられる高機能な商品の注目度が高いですね」

写真はミーゼ「スカルプリフトアクティブプラス」

・フェイス用など部位によりアタッチメントを用意

「ヘッド用とフェイス用にアタッチメントが替えられるものが人気です。ブラシ形状で顔に当てると、力を入れすぎた場合に皮膚を擦り上げてしまい肌にダメージを与えてしまうことも。そのため、フェイス用には平らな面で、肌に負担の少ないアタッチメントを用意しているアイテムもあります」

・LED照射で最新美容を採用

「近年、美容業界でトレンドとなるLED照射が同時にできるアイテムにも注目が集まっています。一部のLED美容もできる電気ブラシでは、色の波長によって美容効果に特徴があります。例えば、赤色のライトは肌の奥の方まで入り込みハリをもたらしてくれますし、青色のライトは肌の表面にあるニキビなどをケアしてくれます。一台で何役もケアできるお得感が人気です」

購入時に何をチェックすべき?
美容家電のプロが教える電気ブラシの選び方

写真はサロニア「EMSリフトブラシ」

これから購入を考えている方に向けて、商品選びのポイントについて教えていただきました。

「手の届きやすい価格帯になってきたとは言え、長く愛用できるアイテムを手に取ってもらいたいと思います。次のポイントを押さえながらご自身にあったアイテムを選んでください」

POINT 1.身体のどの部位に使えるか

「基本的には頭皮と顔がメインになってきますが、それ以外にも肩や腕など、各メーカによって使ってよいとする身体の部位が異なってきます。また、顔に使う時には、顔用としてアタッチメントが付属しているかも使い勝手をよくするポイントです。使いたい部位に合ったアタッチメントが用意されているのかも確認しておきましょう」

POINT 2.ブラシの本数

「ブラシの本数は一度にケアできる範囲に比例します。あまり小さいものだと、ボディに使う時には面倒に感じることも……12本のものもあれば、32本のものもあったりと各メーカーによりまちまちです。本数が多ければ、広範囲を効率的にケアできます」

POINT 3.防水加工がされているか

「どこで使うかも大切なポイントです。バスタイムに頭皮ケアもできればリラックス効果も期待できます。防水加工が施されていて、お風呂で濡れた髪に使えたほうが、より多くのシチュエーションで使えます」

POINT 4.買う前に試せるか

「電気ブラシは多少なりとも刺激を伴います。刺激に強い人もいれば、苦手な人もいます。せっかく買ったものの、痛くてストレスになって使わなくなってしまうのはもったいないですよね。できるだけ、買う前に店頭で試してみることをおすすめします。
最近では、刺激の強弱を調整できるアイテムも増えています。まずは弱い刺激から始めて、慣れてきたら徐々に強い刺激にしていく使い方が良いでしょう。また、今は家電のサブスクサービスも広がってきています。欲しい商品を試せないか、調べてみるのも得策です」

コスパも機能も合格!
プロがおすすめする最新電気ブラシ 5選

田中さんはさまざまな電気ブラシを試してきたそう。そのなかで今回は、比較的手に取りやすく、かつ効果も期待できる電気ブラシを紹介していただきました。

1.独自開発イオンケアの強みを活かしうるおい感もしっかり

パナソニック「リフトケア美顔器バイタリフトブラシ EH-SP60」
オープン価格(実勢価格3万7000円前後・税込)

「ブラシ先端を頭皮に当てると、頭の形に沿ってブラシがクッションのように上下するのでたいへん使い心地がよいです。顔に使う場合は専用のアタッチメントを使います。リフトケアをしながら、化粧水や美容液の成分も共に肌の角層まで浸透させるのは美顔器開発の実績のあるパナソニックならでは。化粧水や美容液の効果を高めてくれます」

2.ボディケア市場を牽引するメーカーによるモデル

MYTREX(マイトレックス)「PROVE(プルーヴ)」
6万9960円(税込)

「ボディケアブランドMYTREXの電動バリブラシは、二の腕やふくらはぎ、腹部など全身をケアできるのが特徴です。2種類の電気を使うことで、皮膚と筋肉を同時に刺激します。さらに独自の通電方式により導電効率を高めており、引き締まった弾力のある肌質が期待できます。防水加工もしっかりと施されているので、バスルームや入浴中にも使うことができます」※浴室でも使用できますが、水中に沈めたり流水を3分以上あて続けたりしないでください。

3.デスクワークやスマホ操作で凝り固まった頭皮にアプローチ

ミーゼ「スカルプリフトアクティブプラス」
5万9400円(税込)

「デスクワークやスマホによる眼精疲労の方は、頭皮が凝り固まる傾向にあります。この電気ブラシは、低周波EMSを流すとともに、毎分約7000回の振動で頭皮全体をマッサージしてくれるのがありがたいですね。スカルプ用とフェイス用のアタッチメントがあるので、適した体感で使えるのもうれしいところ。また、首やデコルテなど年齢が出やすい部位もしっかりとケアすることができます」

4.グッドデザイン賞受賞のシンプルで洗練されたデザイン

サロニア「EMSリフトブラシ」
2万7500円(税込)

「シンプルなデザインと持ちやすいサイズで電気ブラシとしては日本で唯一グッドデザイン賞を受賞。温感機能を搭載しているので、肌に当てることで温めながら筋肉に刺激を与えます。周波数の異なるEMSをブレンドし気軽にケアします。シンプルな機能だからこそケアの習慣化を期待できます」

5.手の中にすっぽりと収まるコンパクトさ

アテックス「EMSリフトブラシAX-NBL506」
1万2800円(税込)

「EMS刺激と赤色LED照射を同時に行ってくれるこちらの電気ブラシは、掴みやすい形状で、手軽に、そしてラクに顔から頭皮へと引き上げていくことができます。ほかの商品と比べても、格段に手に取りやすい価格なのも魅力の一つで、電気ブラシを一度使ってみたいという方におすすめのアイテムです」

頭皮以外のどこに使ってみたいか、どんな変化を期待したいかなど、電気ブラシに何を求めるかによっても選ぶアイテムが変わってきます。まずは使用シーンをイメージするところからはじめましょう。

Profile

美容家電ライター / 田中真紀子

白物家電、美容家電を中心に、雑誌、ウェブなどで執筆。家電製品の検証やレビュー記事では、主婦目線を大切にした感性に定評がある。家事やインテリア、生活雑貨など、暮らしにまつわる記事も手がける。近年は専門家としてコラム執筆やメディア出演も多数。
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取材・文=癸生川美絵(Neem Tree)