サイダーの楽しみ方にルールはナシ!
若者の“アルコール離れ”は、いまや日本だけでなく世界的な傾向として顕著ですが、食のライト化・ヘルシー化の潮流にも乗って、「プリン体ゼロ」「グルテンフリー」のサイダーの市場は、前述のとおり好調な伸びを示しています。そして注目すべきは、アメリカではサイダーを楽しむ層は、「美容と健康に関心の高い女性層に偏らず男女比に差がない」という、他のジャンルの酒類にはない傾向だそう。
「ワインより気軽に、ビールよりお洒落に」
老若男女問わず、さまざまな需要に応える許容の広さこそが、サイダーの魅力。どんなシーンで飲めばいい? 合わせるお料理は? と、食文化に真面目な日本人は考え込んでしまいがちですが、「飲み方を間違えちゃいけないなんて考えないで! サイダーにルールはありません!」(リーブさん)。1種、2種程度を飲んでみて好みに合わないと、「〇〇は苦手」と敬遠されがちなお酒の世界、サイダーは他のお酒に比べても味わいのバラエティーに富んでいるので、ぜひあれこれ試したいところです。
日本における“サイダー”文化のパイオニアが選ぶ12本
最後に、前ページで登場した「Willie Smith’s」に加え、おすすめのサイダー全12本を、リーブさんに選んでいただきました。
・世界トップクラスのイギリス産サイダー
左から
「Little Pomona(リトル・ポモーナ)」
「Courtney’s of Whimple(コートニーズ・オブ・ウィンプル)」
「Ross-on-Wye(ロス・オン・ワイ)」
「Tom Oliver’s(トム・オリヴァーズ)」
「Hallet’s(ハレッツ)」
・日本でも飲めるアメリカ産サイダー
左「JK’s Farmhouse(ジェーケーズ・ファームハウス)」
中「ACE(エース)」
右「Shacksbury(シャックスバリー)」
・日本産サイダー
左「VinVie(ヴァンヴィ)」(長野県)
右「テキカカシードル」(青森県)
また、最近では飲食店を中心に、缶やビンではなくケグ(ビールなどの貯蔵やサーバーとして使用される樽状の容器のこと)から注ぐ、生ビールならぬ”生サイダー”も楽しむことができます。生ビールでビールの美味しさを知り缶や瓶を自宅に常備、というような体験はサイダーでもぜひおすすめ。本格的なブーム到来の前に、サイダーを気軽に生活の一部に取り入れてみてはいかがでしょう。
取材・文=山田マミ 撮影=真名子