サニーデイ・サービス 田中 貴 presents 女性も喜ぶ旬なラーメン「全国的にも珍しい濃厚牛骨ラーメンを
洒落た空間で味わえるシマシマトム」

ラーメン好きなミュージシャンとして知られる、サニーデイ・サービスの田中 貴さん。年間600杯以上を食べ歩く田中さんが、女性にイチオシのお店を紹介するとしたら？　そんな発想からはじまった本企画ですが、今回もきわめて印象深いラーメン店が登場します。

牛の旨みが”ギュウ”っと凝縮した濃厚な一杯を
カフェのような洒落た空間で味わうギャップ

訪れたのは、国技館にちゃんこ専門店など、”相撲の街”として知られる両国。駅の南側に走る幹線・京葉道路を越えた脇道に、今回のお店「シマシマトム」はありました。

「両国は一般的にちゃんこのイメージが強いですが、実はラーメン屋も実力店が点在するエリアなんですよ。そのなかでも、僕がこのテーマでイチオシなのはシマシマトム。ラーメンが個性的でおいしいのはもちろん、雰囲気や楽しみ方の幅の広さなども素晴らしいんです」（田中さん）

調べてみると、近くには鶏白湯の名店「まる玉」の本店。隣町でいうと浅草橋には「饗 くろ㐂」、錦糸町には「真鯛らーめん 麺魚」など、行列店も多いことがわかります。では、シマシマトムの魅力をさらに深掘りして聞いてみましょう。

「まず内外観のお洒落なデザイン。店内の広さに加え、ゆとりのある空間使いも秀逸です。オープンキッチンなので開放感があり、さらに席同士の間隔にもスペースがあるので本当にくつろげるんですよ」（田中さん）

カウンターのほかにテーブル席も完備。ラーメンをゆっくりと味わい、食後にはお連れの人とのおしゃべりも楽しみたいという女性には、プライベート感のある席のほうがうれしいですよね。しばらくするとラーメンが到着。味の特徴も聞いてみました。

「ラーメンの動物系スープは豚や鶏が主流ですが、ここは牛。しかも白濁系の濃厚スープでトッピングもたっぷりの牛すじと、牛全開のストロングスタイルはかなり珍しいですよ。加水率高めの中太ストレート麺も、パスタのアルデンテのようにほどよくしなやかで絶妙にマッチ！　お洒落な雰囲気でありながら、ラーメンはどっしり系というギャップもたまんないっす」（田中さん）

田中さんによると、ネット黎明期でラーメン店情報もいまほど世に浸透していなかった90年代後半～00年代前半、都内を中心に牛骨ラーメンの静かなブームがあったそう。時流などによってそのスタイルの店は少なくなったそうですが、だからこそシマシマトムは希少だといいます。

「実は、鳥取県や山口県には牛骨ラーメンの文化があります。僕はツアーで通過する際に、高速道路から降りて山口県下松に食べに行くほど好きな店があるんですが、関東からはなかなか行けないじゃないですか。あと牛骨は原価が高いでしょうし、サイズも大きいから仕込みからして大変だと思うんですよ。牛のおいしさは昨今の肉ブームでも証明されているワケで、その贅沢な旨みが凝縮したラーメンを、この価格で提供しているのは奇跡といっていいでしょう」（田中さん）

昼はカレーや丼のセットで夜は”ラ飲み”を。
激ウマの牛すじもラーメンも高コスパすぎる！

田中さんは、シマシマトムの楽しみ方は2通りあると推奨。ひとつはコスパの高さを最大限に実感できる昼の部です。そこではなんと、わずか￥100の追加で「牛すじ丼」、「牛すじカレー」、「餃子3ヶ」のいずれかがセットに。

「ミニサイズで提供する店はたまにありますが、ここはレギュラーサイズで￥100。しかもルウは、ラーメンと同じ牛骨100％スープによるものですよ。ポークやチキンよりもリッチなビーフカレーを、この価格で味わえるのは感動的。牛すじもしっかりと入ってますし、ヘタなカレー専門店を凌駕する満足度だと思います」（田中さん）

そしてもうひとつの楽しみ方は夜の部。シマシマトムは深夜まで営業しているうえに、おつまみメニューとお酒の種類も充実している、飲めるラーメン店。ツウの間で”ラ飲み”と呼ばれるスタイルですが、田中さんならどう楽しむのでしょう。

「やはり必食は、単品の牛すじ（￥300）！　女性なら赤ワイン（グラス￥300）がオススメですが、生ビール（￥500）、ハイボール（￥400）、焼酎（￥300）と、牛すじ煮込みはどんな酒にも合いますから。あと、10種以上の不定期つまみから3種選んで￥300というメニューもイイですね。〆は今回の正油のほか、塩らーめん（￥700）でもつけめん（￥850）でも」（田中さん）

でも、なぜ牛骨ラーメンの店をオープンすることに？　そしてなぜこんなに破格で提供できるのでしょうか？　店主の河野 孝さんに聞いてみました。

「牛骨ラーメンは修業元の影響なので、その流れですね。食材の仕入れ先など、ありがたくもうまく活用させてもらっています。また価格については、私にもサラリーマン時代がありまして、そのころの『できるだけ安く！』という想いを反映させていただいたつもりです。よって、店の場所は『この価格でやるにはどこなら実現できるのか？』という点に重きを置き、都心よりも下町寄りに。そのなかで、街の雰囲気の好みや私の土地勘のあるエリアというところで両国になりました。メニューについても、飲める店にしたかったのでこのスタイルなんです。雑誌も置いてますし、昼夜問わずゆっくり楽しんでいただければ」（河野さん）

田中さんは、河野店主のほのぼのとした人柄も、シマシマトムに行きたくなる理由に挙げます。確かにリラックスできる心地よさも、楽しく飲むには欠かせないポイントですよね。考えてみると、抜群においしくて雰囲気がよく、深夜営業の飲める都内のラーメン屋というのは案外少ないはず。さらに、ラ飲みデビューをしたい女性が入りやすい店となると、シマシマトムはうってつけです。両国には相撲博物館や江戸東京博物館もあってお出かけスポットとしても楽しめる街。もし行く機会があれば、食事はちゃんこ屋ではなくシマシマトムはいかがでしょうか！
 

取材・文＝中山秀明　撮影＝三木匡宏