2.滋味深くてホッとする「セロリとたまごのすまし汁」
和のすまし汁に、薄切りにしたセロリを合わせた、やさしい味のおすまし。風邪をひいたときや食欲のないときにも、すっと体に馴染んでいきます。
「少しとろんとさせたセロリは、生で食べるのとはまた違った食感。生食できる野菜なので煮る時間も短くてすみ、パッと作れるのがうれしいレシピです。薄い色に仕上げるため薄口醤油(うすくちしょうゆ)を使っていますが、濃口(こいくち)でも作れます」
【材料(2人分)】
セロリ(茎)……1本
たまご……1個
だし汁……500ml
塩……小さじ1/4
うすくちしょうゆ……小さじ1と1/2
【作り方】
1.筋を取ったセロリを、2~3cmほどの斜め薄切りにする。
「薄めにスライスすると、おつゆとの相性がよく、柔らかく食べることができますよ」
2.鍋にだし汁を沸かし、塩とセロリを入れたら蓋をして中弱火で5分煮る。
「昆布と鰹節でとったおだしを使いましたが、好みのもので大丈夫です」
3.うすくちしょうゆを入れ、再度沸騰させてから溶きたまごを流し入れる。
「たまごは箸でワンクッション置きながら、細い線を描くように流し入れます。必ず沸騰したところに入れましょう」
3.桜海老がおいしさの決め手!「セロリと桜海老の塩チャーハン」
粗みじん切りにしたセロリが葉も茎もたっぷり入ったチャーハン。ニンニクと生姜で、しっかり風味づけしました。桜海老も入っているので、お肉なしでも充分に満足できる味です。
「食べすぎて胃もたれしているときや、少し食欲がないな……というときにも、軽く食べられる味に仕上げました。お米にはお腹の調子を整える力があり、消化力が弱っているときにもおすすめです」
【材料(2人分)】
ごはん……400g
セロリ……1本
桜えび……8g
しょうが・にんにく(みじん切り)……1かけ
鶏がらスープの素……小さじ1/2
塩……ふたつまみ
粗挽き黒こしょう……適量
ごま油……大さじ1
【作り方】
1.筋を取ったセロリは、葉も含めて荒くみじん切りにする。
「セロリは葉も一緒に細かく刻みます」
2. フライパンにごま油をひき、しょうがとにんにくを入れて中火で熱す。気泡が出て香りが立ってきたら桜えびを加え、いい香りがしてきたらセロリを入れる。
「セロリがしんなりしてくるまで、中火で炒めます」
3. 強めの中火にして、ごはんを加えて炒める。
「チャーハンを作るときは、ごはんがべたっとならないよう、しっかりとごはんを炒めてから調味料を入れます。調味料を先に入れてしまうと、ごはんの水分が出てきてしまうんです」
4. 調味料を入れてよく馴染ませる。
「お好みで最後に黒こしょうをふりましょう」
季節の変わり目には、どうしても体調を崩しやすいもの。自分の体や季節に合った食材を選ぶだけで体を整えられる、という薬膳の考え方を、毎日の食生活に効果的に取り入れていきたいですね。
Profile
国際中医薬膳師 / 齋藤菜々子
飲食店経営の両親のもとに育ち、大学卒業後は一般企業に就職。忙しい日々の中で食事が心身の充実につながることを実感し、料理の道を志す。料理家のアシスタントを務めながら日本中医食養学会・日本中医学院にて中医学を学び、国際中医薬膳師を取得。「今日からできるおうち薬膳」をモットーに、身近な食材のみを使った作りやすいレシピにこだわり、家庭で毎日実践できる薬膳を提案している。書籍・雑誌・企業へのレシピ提供、webコラム連載、イベント出演など活動中。著書に『基本調味料で作る体にいいスープ』『基本調味料で作る体にいい作りおき』(ともに主婦と生活社)などがある。
『体にいい煮込みおかず』(ワン・パブリッシング)
薬膳の考えを取り入れた煮込み料理のレシピを収録。
取材・文=吉川愛歩 撮影=安藤佐也加 編集協力=Neem Tree