おろした鯛の頭と身を使って作る「鯛めし」
鯛の頭と骨から出ただしと旨みをたっぷりごはんに吸わせた鯛めしは、特別な日の料理としても作りたい一品です。おろしたての鯛は身がふっくらしていて、炊きたての香りは格別です。
「今回はすべて鯛めしに入れましたが、頭と骨だけを鯛めしにして、身はカルパッチョにしたりムニエルにしたりするのもおすすめです。頭は一度取り出し、頬や目の周りについた身を取ってから、ごはんに混ぜましょう」
【材料(2合分)】
・鯛……1尾(700gくらいのもの)
・米……2合(研いで30分ほど浸水させる)
・水……360ml(※土鍋で炊く場合は水を大さじ1増やしてください)
・酒……大さじ2
・うすくち醤油……大さじ2
・昆布……1枚
・生姜(千切り)……1片
・三つ葉……お好みで
【作り方】
1.鯛は、血合いや汚れを流水で洗い、湯にくぐらせてから氷水に漬ける。
熱湯でさっと霜降り(湯通し)することで、臭みがなくなります。また、ここで残っているうろこがあれば、とっておきます。
2.炊飯器または鍋に米、水、酒、うすくち醤油を入れてひと混ぜし、昆布と生姜をちらして普通炊飯する。沸騰したら鯛を入れる。
鯛は入れずに、お米だけを炊きはじめて、沸騰してから鯛を入れます。その方が鯛に日が入りすぎず、身がふっくらと炊き上がります。炊けたら10分ほど蒸らしてから、蓋を開けましょう。
アジ編では、アジの大名おろしと「ムニエル」レシピを、イワシ編ではイワシの手開きと「蒲焼」レシピを紹介します。
- 鯵(アジ)の大名おろしと「ムニエル」レシピ
- 鰯(イワシ)の手開きと「蒲焼」レシピ
- 鯛(タイ)のおろし方と「鯛めし」レシピ
Profile
日本食文化史・和ごはん研究家 / 麻生怜菜
全国を転々とした幼少時代を過ごし、旅行好きの両親の影響もあり47都道府県すべての地域食材、郷土料理を食べて成長する。結婚後、夫の実家がお寺であったことをきっかけに、お寺の行事食に関わり、伝統的な和食(特に精進料理)に興味を持つ。精進料理の考え方や調理法、食材などに感銘を受け、伝統的な調理法や食材を、現代のトレンドと融合した食文化の発信する場として、2011年より「あそれい精進料理教室」主宰。生徒数はのべ2600人。今まで考案したレシピ数は5000を超える。食品のランキングや比較も得意とする。レシピ本に『寺嫁ごはん』(幻冬舎)、『おからパウダーでスッキリ腸活レシピ』(主婦の友社)などがある。
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取材・文=吉川愛歩 撮影=安藤佐也加 編集協力=Neem Tree