ホームパーティをすると決めたら、悩むのは献立。みんなが楽しんでくれるよう、ある程度の品数を提供することを考えると、簡単に作れて、なおかつ視覚や嗅覚にも訴えかける“勝負ごはん”を出したいですよね。「おいしいものナビゲーター」として活動する筆者も、家に人を呼んで食事をすることが多いのですが、試行錯誤を重ねた結果、必ずよろこばれるのは「ローストビーフ」と「ドライカレー」だという結論に行き着きました。いずれもオーブンを使わないので、“ハレの日”のホムパはもちろん、普段の夕食でも手軽に作れるんです。
この前編ではまず、フライパンひとつでできる、ローストビーフの作り方をご紹介します。
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材料=ホームパーティでのローストビーフは国産牛がマスト
ここ数年、ローストビーフは炊飯器を使って低温調理する方法がブームです。私も何度となく炊飯器で作ってきましたが、当然ながら調理中にごはんを炊けないのが不便だなと感じることがありました。それなら、「低温調理をもっと簡略化しちゃおう!」というのが今回のレシピです。
用意するのは下記の材料。ソースは後ほど紹介します。
【材料】
・牛もも肉…500g程度
・塩…小さじ1
・黒胡椒…適量
・ニンニク(すりおろしたもの)…1片分
・サラダ油…適量
・ローリエ…3枚
ローストビーフを作るにあたって、まず必要なのは肉選びです。これまで、海外産の安い塊肉を使って作っていたのですが、やはり値段相応かなというのが本音。完全に火を通すわけではない分、肉自体の柔らかさにできあがりが左右されてしまうのです。そのため、パーティでは国産のちょっといいお肉、普段の夕食ではお手頃価格の海外産といったように、時と場合に合わせた選び方をするといいでしょう。
また、肉を焼くときに、ローリエだけでなくタイムを加えてもかまいません。とはいえ、ニンニクやローリエで肉の臭みは十分消えるので、なくても大丈夫です。
作り方=下ごしらえした肉をフライパンでしっかり加熱
(1) 牛もも肉は冷蔵庫から出して、常温で30分置きます。室温に戻った牛もも肉に、分量の塩、黒胡椒、ニンニクを全体にしっかりすり込みましょう。
(2) 続いて、フライパンにサラダ油を入れて熱し、中火で焼きます。このとき、焼き色が付いたら次の面、というふうに、牛もも肉を転がしながら全体をしっかり焼いていきます。
(3) 全体を焼き終えたら、ローリエ(あればタイム)を牛もも肉の上に載せ、フタをして弱火で5~6分蒸し焼きにしましょう。このとき、ときどき牛もも肉を裏返して、焦げないようにしてください。
(4) 牛もも肉を焼き終えたら、アルミホイルで2重に包みます。このとき、ソース用に肉汁を使うので、フライパンは洗わないでくださいね。
(5) 続いて、アルミホイルの上からタオルでぐるぐる巻きます。こうすることで予熱を逃さず、肉の中心部をじっくり加熱していきます。
クーラーなどで室温が少し低いようなら、この状態で土鍋など保温性の高いところに入れても構いません。そして、このまま室内に30分放置。これだけで、ローストビーフが完成します。
ローストを待つ間にソース作りを
ローストビーフのソースは市販のものでもかまいませんし、時間に余裕があるときはローストビーフ待ちの時間を使って手作りするのもおすすめです。今回は家にあるもので手軽に作れるソースを紹介します。
【材料】
・赤ワイン…150ml
・バター…15g
・しょうゆ…小さじ1
・塩…少々
・こしょう…少々
(1)肉を焼いたフライパンに赤ワインを入れ、煮詰めていきます。水分が減り、フライパン内の油がはじける手前で、分量のバター、しょうゆを加え、塩こしょうで味を整えましょう。
ソースはこれで完成です。ソースを作るのが面倒なら、わさび醤油で食べてもおいしいのでおすすめです。
ローストビーフがついに完成!
30分後、アルミホイルに包んだお肉を開けてみましょう。このとき、竹串を挿してみて、赤い肉汁が出てこないようなら完成です。もし赤い肉汁が出てきた場合は、電子レンジで10秒単位で少しずつ様子を見ながら加熱してください。
お肉をカットしてみると……きれいな断面が現れました。
カットしたお肉をきれいに盛り付けて、ソースをかければ完成。今回は色どりとして豆苗を添えてみました。
出来上がったローストビーフを食べてみると、お肉がしっとり、大満足の出来。ソースは少しワインの風味がしながらも、バターしょうゆの味がメインなので、お酒のおともとしてだけでなく、白ごはんにも合いそうです。余ったら翌日にローストビーフ丼にしてもいいですね。
Profile
おいしいものナビゲーター / 今西絢美
編集プロダクション「ゴーズ」所属。デジタル製品やアプリなどIT関係の記事を執筆するかたわら、“おいしいものナビゲーター”として食にまつわる記事も執筆中。旅先でその土地ならではのローカルフードを探すのが好き。