4. 今注目されている野菜の一つ!「ニンニクスプラウト」
「ニンニクスプラウトとは、発芽直後の新芽があるニンニクのこと。品揃えが良いスーパーなどでは販売されていることもありますが、まだ値段が高く、比較的珍しい野菜です。においがきつくなく、まるごと食べられて栄養価も高いので、最近少しずつ人気が高まっています。そのままソテーにしたり、素揚げや天ぷらにしたりして食べるのがおすすめです」
「再生栽培では、皮をむいたニンニクのかけらをそのまま使います。少し時間が経って芽が出てしまったものがあれば、ぜひそれを活用しましょう」
「卵のパックや製氷皿などにひとかけずつ入れて立たせ、根が浸かるくらいまで水を入れます。少し面倒ですがニンニクを全て取り出して、毎日水を取り換えるようにしてください。収穫までは約2週間。5cmほど根が伸びたら収穫できます」
「置き場所は、出窓などできるだけ日当たりの良い場所がおすすめです。3~4個だけ育てたいときには、小さなカップに入れても良いと思います。また僕自身、実験的にいくつかのニンニクを使って育ててみたのですが、品種によってはまったく芽が出ないものもありました。もっとも良く育ったのは、スーパーで手に入る普通サイズのニンニク。まずはこれで試してみるのがいいかもしれません」
再生栽培をもっと楽しむためには?
特別な道具がなくてもすぐに始められる再生栽培。最後に宮崎さんから、「他の野菜も育ててみたい」「もう少しレベルアップしたい」という人へ、再生栽培をさらに楽しむためのヒントを教えていただきました。
「今回紹介した野菜以外にも、肉料理の付け合わせにぴったりなクレソンや、暑い時期でも育てやすいクウシンサイなど、初心者の方もトライしやすい野菜はまだまだあります。
さらに難易度を上げて再生栽培をやってみたいという方には、プランターを使って土で育てたり、水耕栽培を本格的にやってみたりするのがいいと思います。例えば水耕栽培では、水に溶かすタイプの液体肥料や、水槽用のエアーポンプ、太陽光代わりのLEDライトなどを使って育てれば、ゴーヤやキュウリなどの野菜も育てることができますよ。個人的には、イチゴの再生栽培もおすすめ! 難易度は高めですが、ぜひチャレンジしてほしいです。
そのほか、一つの野菜をいくつかの方法で育ててみるのも楽しいと思います。例えば『豆苗』は根を水に浸しておけば、また豆苗が育てられますが、土に植えるとエンドウマメを育てることもできるんです。実験的にいくつかの品種を育ててみたり、育て方を変えてみたりすると発見があって面白いかもしれません」
さまざまな楽しみ方ができる再生栽培。ぜひ自分の好きな野菜でチャレンジしてみてください。
Profile
農業コンサルタント / 宮崎大輔
1988年生まれ、長野県出身。実家は果樹園を経営。信州大学大学院農学研究科修士課程修了。青年海外協力隊として中米パナマ共和国で農業支援に従事。2019年に農業コンサルティング企業「イチゴテック」を創業し、日本、アジア、中南米、アフリカで農業ビジネスの支援を行う。2021年10月には「キッチンからはじめる!日本一カンタンな家庭菜園の入門本 おうち野菜づくり」(KADOKAWA)を出版。自身のYouTubeチャンネルで「趣味の園芸からガチ農業まで」をテーマに、幅広い分野の植物に関する情報も発信している。
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『キッチンからはじめる!日本一カンタンな家庭菜園の入門本 おうち野菜づくり』(KADOKAWA)
取材・文=土居りさ子(Playce) 撮影=真名子