実際に継続できたピラティス。
吉武麻子さんが実践した成功の秘訣とは?
吉武さんが実際に実行できた目標について、その内容と理由を教えてください。
「私もやりたいと思いながら始められなかったピラティスを、環境を整えることで始められるようになりました。もともと健康のためにピラティスを始めたいと考えていたのですが、なかなか始めることができませんでした。そこで、やりたいことなのになぜできないのか原因を探ってみました。すると、外出が億劫、予約が苦手、他のやりたいことを優先してしまうなどやりたい理由より、やりたくない理由が上回っていて、腰が重たくなってしまっていたのです。
それらの原因を1つ1つ潰していきました。例えば外出が億劫であること。カフェが好きだった私は、カフェで仕事をすることをルーティンにしていました。ピラティススタジオの近くので仕事ができるカフェを探し、そのカフェで仕事をするように切り替えました。カフェで仕事をし、集中力が切れたら、ピラティススタジオに向かう。そのようなルーティーンを開始しすることで、6ヶ月以上継続に成功しています。人それぞれ、自分の個性に合わせた、取り組み方があると実感しました」
時間のプロは、どうやって夢を叶えたのか?
書籍のなかで、「3年間ぐらいには法人化できるといいな」「この仕事は3年以内にはは卒業しているといいな」と思ったことが1年で実現した、とありました。どのように計画したのですか?
「“本を出版する” “事業を法人化する”ということは、どれも私の本来の目標達成に付随して起きた“結果”であり、目標ではありませんでした。私の目標は、“タイムコーディネートで皆さんの人生を豊かにすること”です。その目標のために、自身の話に説得性を持たせるための“法人化”であり、出版も、タイムコーディネートの考え方を多くの方に届けるために取り組んだことです。
もともと、私は教育に興味があり教育学部に進みました。家裁調査官の試験を受けたものの不合格となり、一般企業に就職。その後、方向転換して韓国に留学し、現地でキャスティングディレクターとして働きました。丸4年が経った頃、韓国語も、キャスティングの仕事も、やり切ったと思える瞬間がやってきました。それはスキル云々ではなく、自分で選択して、自分で決めて、自分で動いた結果だからこそ得られる「納得感」からくるものでした。これがまさに、自分の人生の手綱を握るということなんだと実感しました。だからこそ、自分でやり切ったという経験を何よりも大事にしてほしいと思っています」
現在では、子どもたちに生きる楽しさを伝えたいというビジョンとともに、タイムコーディネートの概念を通して、心地よい時間の使い方を実践するためのサポートを仕事にしているそう。
「私にずば抜けた能力があるわけではありません。“やりたいこと”という漠然としたものを、“現実の1歩”に落とし込み、ただただ目の前のことに取り組んでき結果です。皆さんも、ぜひ1・1・1・1時間術を使って、まずは初めの一歩一を踏み出してみませんか?」
時間を管理することは、自分がどう生きたいかを明確にしていく作業でもあります。どう生きたいかを考えることが、大きなタスクになってしまっているのならば、もう少し小さくし、“時間に追われる毎日をこの先もずっと続けることになったらどうだろう?”、“理想的な一日とはどんな日?”など、自分自身に問いかけてみてください。自分の気持ちに素直になることが、私らしい時間の過ごし方の第一歩になるはずです。
Profile
タイムコーディネーター / 吉武麻子
TIME COORDINATE株式会社 代表。大学卒業後、旅行会社勤務を経て、26歳で韓国留学。その後、現地法人でキャスティングディレクターとして24時間365日仕事に追われる日々を過ごす。帰国後、キャリアとライフイベントの狭間で葛藤した経験から、疲弊せずに毎日を楽しみながら仕事のパフォーマンスもあげていく「タイムコーディネート術」を考案し、のべ3000名以上に指南。心地よい時間の使い方で、ありたい未来をつかみに行くための「タイムコーディネート実践プログラム」や「タイムコーディネーター養成講座」を開講。また、シリーズ135万部発行の『時短・効率化の前に今さら聞けない時間の超基本』、『やりたいことがどんどん叶う!じぶん時間割の作り方』の監修や、タイムコーディネート手帳の製作販売、企業研修、時間の専門家として各種メディアにて掲載・連載執筆を行っている。プライベートでは2児の母。
HP
吉武麻子『目標や夢が達成できる 1年・1カ月・1週間・1日の時間術』(かんき出版)
取材・文=加賀美明子(Neem Tree)