今年もまた、2月14日の「バレンタイン・デー」が近づいてきました。日本では「女性から男性へ、愛のメッセージとしてチョコレートを贈る」という習慣が定着していますが、最近では女性から女性へと、友だちや大事な人へ贈ったり、自分へのささやかなごほうびとして買ったり。さまざまな形が生まれています。
こうしてチョコレート自体に1年でもっとも注目が集まり、自身でもここぞばかりに食べたくなるときなのですが、「吹き出物ができそう」「ダイエットの大敵!」「甘いものは不健康」などと、ためらう気持ちがないでしょうか? ところがこのチョコレート、実はむしろ積極的にとるべき食材だったんです。
カカオポリフェノールに健康効果が!
発酵させたカカオ豆をすりつぶした「カカオマス(以下、カカオ)」と乳製品、砂糖などでつくられたのがチョコレート。この原料であるカカオに含まれる「カカオポリフェノール」には、驚くような健康効果があるのです。おいしく華やかなチョコレートが店頭に並ぶいま、チョコレートの効能を知って“罪悪感なく”、むしろ体のために、積極的にいただきましょう。
チョコレートがもつ驚きの効果5
1 体のサビをストップ!
抗酸化作用のあるカカオポリフェノールが赤ワインの約4.7倍
呼吸とともに吸い込む酸素のうち、数パーセントは酸化して“活性酸素”に変化し、体に害を及ぼすことがあります。チョコレートの原料、カカオに多量に含まれるカカオポリフェノールは、その働きを抑制する抗酸化作用をもつのです。
2 美肌をつくる!
肌の角質水分量の低下を防ぎ、トラブルを抑制
例えば、このカカオポリフェノールを多く含むカカオ製品を12週間摂取すると、皮膚の角質水分量の低下を防ぐことが判明。また、紫外線を照射し24時間後に皮膚が赤くなることも抑制されることが報告されています。
3 アレルギーを防ぐ!
この抗酸化作用が、アレルギー予防や軽減に効果的
私たちの体をウイルスや細菌から守る免疫システムですが、これが過剰に働くと体に直接害のないハウスダストや花粉にも反応してしまう、アレルギー症状が現れます。カカオポリフェノールは、抗体が作られないよう抑制するとともに、ヒスタミンの放出や好酸球の働きを抑えることで、アレルギーの発症と悪化からも体を守ることができるのです。
4 高血圧を正常値に近づける!
カカオポリフェノールが血管に作用し血管を拡張
カカオポリフェノールが、小腸で吸収され血中に取り込まれると、炎症を起こした血管壁に働きかけ、炎症のために狭くなっていた血管を広げる効果が期待できます。そして血圧が高めな人ほど、低下量が大きい傾向になることもわかっています。
5 脳を活性化させる!
カカオポリフェノールが脳の血流量を増やし認知機能を高める
高カカオチョコレートに含まれる高濃度のカカオポリフェノールが脳の血流量を増加。脳の栄養分である、脳由来神経栄養因子と呼ばれるタンパク質「BDNF」を含む血流を増加させることで、認知機能を高めるとされています。
このように、いいことづくめのチョコレート。バレンタイン・デー目前のこの時期、誰かにプレゼントするだけでなく自分のために、チョコレートを選んでみてはいかがでしょうか。
文=山﨑真由子