家にいる時間が増えると、ひとり暮らしの場合はとくに“生き物”の気配が恋しくなるもの。ペットを飼ったりアクアリウムを楽しんだりする人が増えているというのも、その影響でしょう。同じ理由から、観葉植物を部屋に置く人もまた、今まで以上に多くなっているとか。
観葉植物はそもそも、インテリアのアクセントとなるだけでなく、部屋にプラスのエネルギーを生み出す“開運アイテム”。せっかくなら、そのパワーにあずかりたいものです。そこで、観葉植物のパワーを理解し、部屋に取り入れるにはどうしたらいいのか、@Livingでもおなじみの開運セラピスト・紫月香帆先生に教えていただきました。
観葉植物が持つ、風水のパワーとは?
風水における観葉植物のパワーは2つ。
「まず、空気の浄化作用です。植物は二酸化炭素を吸って酸素を出すという“呼吸”をすることで、部屋の中のよどんだ空気を浄化して、乱れた気のバランスを整えてくれるもの。部屋や階段の隅など、暗くて悪い気が溜まりやすい場所に置くと、気の流れを良くしてくれるのです。生花を飾っても同様の効果は得られますが、土に根を張った状態の観葉植物の方が、はるかにパワフルなエネルギーを生み出してくれます。
また、植物の存在感やグリーンの色味から癒しを得られることもポイントです。緑色は、“安心して前へ進む”気持ちを生み出すとされています。信号機の“青”が緑がかっているのはこのためだという説もあります。
こうした2つのパワーをもつ観葉植物は、どんなインテリアにもなじみやすく、ストーンや鏡などの風水グッズよりも親しみやすい開運アイテムとして、ぜひ取り入れたいですね」(開運セラピスト・紫月香帆先生)
どのような観葉植物を置けばいい?
観葉植物には、日光や水をたくさん必要とするものをはじめ、日陰や乾燥を好むものなど、さまざまな種類、品種が存在します。自分にぴったりの観葉植物を選ぶコツはあるのでしょうか?
「観葉植物は、葉の形や植物の性質によって、風水パワーが異なります。それに加え、発育環境への配慮も重要です。例えば玄関や洗面所、トイレなどに日が入らない家であれば、その場所に日光を好む観葉植物は置かない方がいいでしょう。環境に気をつけさえすれば、基本的には好みで選び、部屋に置くことで気分が上向きになるものを選べばいいのです」(紫月先生)
つまり、常にその植物が生き生きと茂っていることでパワーを生む、ということ。さきほど「部屋や階段の隅など、暗くて悪い気が溜まりやすい場所に置けば、気の流れを良くしてくれる」とうかがいましたが、そこに置くのが薄暗い場所では生きられない植物ではだめなのです。また、もうひとつ注意点が。
「ただし、観葉植物を置いたことに満足し、葉にホコリが溜まっていたり水やりを忘れたりと放っておいては、お部屋のエネルギーが滞ってしまい、マイナス効果になりますよ」(紫月先生)
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【部屋別】風水師が選ぶ、観葉植物の品種
それではさっそく、部屋別で、置くべき観葉植物とその風水パワー、さらに育て方を解説していきます。
【玄関】「パキラ」を置いて外からの邪気をブロックする
「人が出入りする玄関は、風水の中でもっとも重要視される“気の入り口”です。良い気が入りやすく、悪い気をブロックするような役割をしてくれるパワフルツリーの『パキラ』を置くといいでしょう。パキラは『発財樹(英名=money tree)』と呼ばれ、オープンするお店に商売繁盛の願いを込めて贈るギフトとしても人気があります。観賞用のパキラではなかなか見られませんが、白い糸を束ねたような花が咲きます。花言葉は『勝利』『快活』でパワフルな存在。家の中に入り込もうとする邪気を外に追いやる強さを期待できます」(紫月先生)
【パキラの育て方】
風通しがよく日光を好むので、玄関に日が当たらない場合は、週に2〜3日、外に出して日光浴をさせましょう。土の表面が乾いたタイミングで鉢底から水が流れ出るくらいまでたっぷりと水を与えます。
【トイレ】耐陰性のある「ポトス」で空間の浄化を促す
「家の中でもっとも悪い気が溜まりやすい場所がトイレ。日が当たらない場合、観葉植物を置くことに躊躇してしまいますよね。その場合は、耐陰性がある『ポトス』を選びましょう。ただし、植物にとって日の光は欠かせないので、数日おきに光合成をさせてあげてくださいね。ポトスは光沢のある葉に黄色の斑が入ることから『黄金カズラ(英:aureum)』とも呼ばれています。めったに花は咲きませんが、花言葉は『華やかな明るさ』『永遠の富』で、金運をもたらしてくれる存在です。ハート型の垂れ下がった葉から、恋愛運アップも期待できます」(紫月先生)
【ポトスの育て方】
日光を好むものの耐陰性のある植物で、直射日光には弱い存在です。レースのカーテン越しくらいの光を半日くらい当ててあげましょう。15℃以上の季節は、毎日葉水を行い、土の表面が乾燥したら水やりをします。
【寝室】ユーモアある形状の「ガジュマル」で幸福な空間に
「丸くかわいい葉が下向きに生えるガジュマルは、根っこがユニークな形でかわいらしいですよね。幸福をもたらし、精霊が訪れる木とも言われています。気分を落ち着かせ、リラックス効果があり、寝ている間に幸せにしてくれると言われているので、寝室にぴったりです。人は目から得た情報が感情に直結するので、寝る前にシャープな印象の植物よりも、ガジュマルのようなフォルムを目にした方が安眠につながります。春には直径1cmほどの小さなつぼ状の花が咲きます。花言葉は『健康』。たくましい根を下に張る強さが由来です」(紫月先生)
【ガジュマルの育て方】
直射日光級の強い光を好みますが、丈夫な樹木なので日陰でも育ちます。寝室に日が入らない場合は、起きたら明るい窓辺に移動させるとよいでしょう。春〜夏は毎日水をやり、寒い時期は土の表面が乾いて数日後に水やりをします。
【書斎】テレワークスペースには“キレ”のある葉の「ユッカ」を
「シュッと尖った細長い葉が上に伸びているユッカは、その逞しい生命力から『青年の木』とも呼ばれています。成長の早さとキレのある姿からアイデアが冴え渡るエネルギーを感じさせ、仕事運や金運アップに効果的です。男性へのプレゼントや開業祝いのギフトにも適しています。不定期に葉の間から茎を伸ばして鈴のような白い花を咲かせます。花言葉は『勇壮』『偉大』『颯爽』。邪気を払う勢いがあるので、気の淀んでいる場所に置くのは適していますが、エネルギーが強いので、リラックスしたい寝室は避けましょう」(紫月先生)
【ユッカの育て方】
日光を好み耐陰性が弱いので、日の当たる窓際に置きましょう。週末は屋外に出し、日光浴をさせてあげるのもオススメです。土が乾燥してきたらたっぷりの水をやり、寒い時期は土の表面が乾いて数日後に水やりをします。
【洗面所】水に強い「アイビー」で華やかさをプラス
「水耕栽培でも育てられ、耐陰性もあり丈夫なアイビーは、観葉植物初心者でも育てやすい品種です。100円ショップでも手に入るほどポピュラーで、小さな鉢を洗面所のコーナーに置いたり、棚上からつるを下にたらしたりして飾るのもおしゃれですね。成長が早く、どんどんつるを伸ばすことからお金を増やすエネルギーを持ち、金運アップに効果的。茎の長い植物は恋愛運にもよく、葉を多く茂らせることから夫婦仲をよくするとも言われています。伸びた部分をカットして花瓶にさして、生花として飾ることもできます」(紫月先生)
【アイビーの育て方】
耐陰性はありますが、日光不足になると葉を落としてしまいます。日当たりの悪い洗面所に飾る場合は、定期的な日光浴をさせてあげましょう。土が乾燥してきたらたっぷりの水をやり、寒い時期は土の表面が乾いて数日後に水やりをします。
【リビングルーム】幸福をもたらす「ドラセナ」で運気アップ
「ドラセナとはラテン語で『メスの竜』という意味を持ちます。種類が多くバリエーションが豊かで育てやすく人気がありますが、特に『マッサンゲアナ』という品種は幸福の木という名前で親しまれています。鋭くとがった細長い葉が上向きに生長することから陽の気を生み出し、仕事運が好調に。また、別名で『ミリオンバンブー』という名前もあり、お金の成功をもたらし、金運アップにも効果的です。ドラセナの花言葉は『幸福』『幸せな恋』『隠しきれない幸せ』の3つで、幸せを呼び込むエネルギーが溢れていますね」(紫月先生)
【ドラセナの育て方】
耐陰性は強く丈夫ですが、直射日光を避けた日当たりのよい場所が最適です。日陰に置く場合は、1週間に4〜5時間は日光浴をさせましょう。土が乾燥してきたらたっぷりの水をやります。寒さに弱いので、冬場は外に置かないように。
観葉植物を枯らしてしまうと運気はダウンする?
観葉植物を育ててみたいけれど、枯らしてしまうのでは、と心配に思う人もいるかもしれません。
「観葉植物は生き物なので、グングン育つことがあれば、枯れてしまうこともあります。枯らしてしまったからといって、運気ダウンになるわけでありません。風水の観点で観葉植物を取り入れるときには、プラスをもっとプラスに、マイナスをプラスにするという狙いがあります。気の滞りやすい部屋の隅や日当たりの悪い場所に観葉植物を置き、マイナスの気を減らす目的の場合は、観葉植物の寿命が短くなります。そのような状況で枯れてしまったときには、『悪い気を吸ってくれてありがとう』と感謝を伝えて処分し、また同じ場所に新たな観葉植物を置くようにします。見栄えの良い高価なものを選ぶ必要はありません。手頃な値段で買い替えしやすいものを選び、常に感謝の心を持って声をかけたりお世話をしたりしながら、観葉植物に部屋の浄化をサポートしてもらいましょう」(紫月先生)
適量やサイズ選びのコツは?
気が滞る場所に観葉植物を置くことで、マイナスエネルギーが減らせるとわかりました。では、たくさん、大きな植物を置いた方が、エネルギー効果は高くなるのでしょうか?
「観葉植物にはどの品種にも、プラスエネルギーを生み出す効果があります。だからといって、家中をジャングル状態にしては、人間の方が植物のエネルギーに負けてしまいます。家の主役はあくまで人であり、観葉植物はペットのように心を癒し、空気清浄機のように場を浄化してくれるサポーター役です。暮らしの中で無理なくお世話ができる量と、生活導線の邪魔にならない配置やサイズを心がけましょう。限られた住空間の中にどの観葉植物を置くのがいいか悩んだときは、マイナスの気が発生しやすい玄関とトイレを優先してください。自分が一番改善したい運気に合わせて選んでもいいですね。ただ、部屋別の解説でも触れていますが、仕事運を上げてくれるパワフルな種類を寝室に置くことや、耐陰性のないものを日の当たらない部屋に置くのは避けた方がベターです」(紫月先生)
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