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新商品「エアシェルフ」で組み立てる“突っ張りウォールラック”の
コーディネート術 6

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突っ張り棒の仕組みを活用し、部屋のどこへでも収納を作り出す“突っ張り収納”。イケアやニトリ、スノーピークなど各社から発売されていますが、そのスタイリッシュなデザインと汎用性の高さで人気なのが「DRAW A LINE」でしょう。これを発売したメーカーが今春、続いてリリースし人気となっているのがウォールラックタイプの「エアシェルフ」。

壁際に大物の家具を置くことなく収納スペースを作り出せる“突っ張りウォールラック”の代表として、この「エアシェルフ」を使って収納術を見ていきましょう。解説してくださったのは、整理収納アドバイザーとして心地よい暮らしづくりをサポートしているtakaさんです。

「エアシェルフ」に見る
“突っ張りウォールラック”のメリット

「エアシェルフ」は、柱を床と天井で突っ張るシェルフシステムです。後付けで棚板を取り付けることで、壁を傷つけることなく好きな高さに棚を設置できます。洗練されたスリムなデザインなので、よい意味で存在感がなく空間に溶け込むシェルフです、とコーディネートを手掛けたtakaさんは語ります。

・お洒落なうえに存在感がなく、空間に溶け込む

「突っ張り棒を何度か使ったことがあるのですが、どうしても棒の存在感が出てしまうため、いかに隠すかという点に気を遣ってきたんですね。でも『エアシェルフ』のような突っ張り収納シェルフは、お洒落なうえに棚としての圧迫感も少ないので、空間に溶け込んで使いやすいと思います。アルミ製のため、木製のようにしなる心配をせずに使えるところも魅力です」(整理収納アドバイザー・takaさん、以下同)

・2種類の棚板やアクセサリーを、自由に組み合わせられる

「『エアシェルフ』はベースとなる1本の支柱(Pillar)に、棚板やアクセサリー(専用のフックやカバーなど)を自由に選んで組み合わせます。奥行きのサイズが異なる2種類の棚板(奥行き15cmのShelf S/奥行き23.5cmのShelf M)があり、連結させたり高さを変化させたりしながら使えます。棚の高さはスライドで微調整できるので、例えばお子さんの成長に合わせて変えやすいところも長く使える要素だと思います。1つの支柱に対して耐荷重が30㎏であるため、少し重たい花瓶なども置けますよ」

・見た目以上に収納力がある

「棚板を宙に浮かせたデザインのため、ものをギュッと詰めて置いてもすっきりと見せられます。とはいえ棚板を何段か使う場合は、どこかに隙間や抜け感を入れた方が、お洒落に使いこなしているという印象を残せると思います」

・取り付けが簡単で、壁を傷つけない

「取り付けは思った以上に簡単で、コツをつかめばチャチャッと取り付けられます。床と天井に突っ張ることで固定できて壁を傷つけないので、賃貸マンションでも気軽に使えます」

“突っ張りウォールラック”の注意点

とくに気を付けるべきポイントは設置場所です。

「『エアシェルフ』は、パーテーションのようには使えません。壁際に設置する必要があること、床が板張りやコンクリートであること、床と天井が水平であることが求められるので、設置を検討している場所については事前に確認しておきましょう」

「エアシェルフ」で作る
ライフスタイルに合わせた収納コーディネート 6

ライフステージやライフスタイルが変わっても、置く場所や使い方を変えたり、新たなパーツを購入して変化を加えたりしながら長く使っていけるのも「エアシェルフ」の魅力といえます。さっそくtakaさんが手がけたコーディネート術を紹介していただきましょう。

1.一人暮らしのときは“癒しのドレッサー”として

癒しの時間ともいえるスキンケアタイム。ゆっくりと落ち着いた心持ちで、素肌と向き合いたい方も多いでしょう。「エアシェルフ」はコーディネート次第で、ドレッサーとして癒される空間づくりにも応えてくれます。

「賃貸マンションによっては独立洗面台がなく、ゆっくりとスキンケアができる場所を確保できないこともあると思います。しかしドレッサーを買ったとしても、先々まで長く使えるか分からない……。そういった場合は『エアシェルフ』の専用フックにお気に入りの鏡を掛けて、ドレッサーの空間をつくり出すのはいかがでしょうか」

※1本の支柱(Pillar)にShelf Sを2枚、Shelf Mを1枚組み合わせています。
・1番下の棚(Shelf S):木のトレイにまとめた基礎化粧品やヘアケアを。左下の空きスペースには、普段持ち歩いている化粧ポーチを出し入れします。
・真ん中の棚(Shelf M):今日使うアクセサリーや時計などを置いて。夜はライトを点けてケアするイメージです。
・1番上の棚(Shelf S):グリーンやキャンドルを置くディスプレイスペースです。

「エアシェルフ」を活用したドレッサーなら、毎日のスキンケアに使うものを置きながら、癒しの空間づくりまで叶えることができます。すっきりと小スペースながらも、くつろぎの時間を演出できることがポイントです。

自分にお疲れさまと告げたい夜。ランプを灯せば、あたたかい光に満ちていきます。昼とはまた違った空間に。

2.結婚・出産を経て、子どもが手を伸ばすキッズスペースに

結婚が決まり、分譲マンションへ引っ越し。その後ライフステージを子育て中心に移しても、「エアシェルフ」はしっかりと活用することができます。

「ドレッサーとして使っていた支柱や棚板をもう1セット買い足し、キッズスペースの収納&ディスプレイ棚として活用するのはいかがでしょうか? というのも『エアシェルフ』は子どもの成長に合わせて棚板の高さを変えられるため、キッズスペースの棚におすすめなんです」

ものの取りやすさを考えるときは、目線の高さから腰高くらいの位置に設置すると取りやすくなります。子どもが自ら手を伸ばせる位置を意識して、1番下の棚を設置しましょう。

※2本の支柱(Pillar)にShelf Sを2枚、Shelf Mを4枚組み合わせています
・1番下の棚と真ん中の棚(Shelf M):子どもが手に取ることを考えて、よく遊ぶおもちゃやお気に入りの絵本を厳選して置くイメージです。おむつなどのお世話グッズもかごに入れて置いておくと、毎日のケアがスムーズになります。棚の下も子どものおもちゃ置き場として活用しましょう。
・1番上の棚(Shelf S):子どもの手が届きにくい位置に。ディスプレイ要素の高いアイテムを飾ります。

3人のお子さんを育てているtakaさんがキッズスペースのディスプレイにおすすめしたいのが、スワッグ(壁などに飾れる花飾り)とのこと。スワッグは、支柱に専用のフックを取り付けて、左上から吊るしています。

「お花屋さんでスワッグをつくってもらう場合は、イメージやサイズ感、好みの色を伝えると、ふさわしいお花を選んでつくってもらえます。ドライフラワーとしても使える花材を選ぶと1年くらいは吊るしておけます。子どものお世話をする大人のすぐそばにお花があると、心が癒されますよ」

3.家族が集まるリビングに、思い出も飾るディスプレイ棚として

「エアシェルフ」を家族が集うリビングに設置するときは、収納をメインに据える棚というより、ディスプレイしたいアイテムを飾る棚として位置づけます。家族みんなが落ち着ける空間となるように演出を考えてみます。

「リビングは家族にとってくつろぎの場所になるため、飾るアイテムの色みを抑えながら飾っています。木目調のアイテムであたたかみをプラスし、グリーンを置きつつ、気に入ったものをディスプレイします。『エアシェルフ』のあちこちに茶色の小物をちりばめているのは、我が家のリビングは木目調を軸にインテリアを考えているから。リビング空間にメインで使われる色をところどころに入れて飾ると、空間全体に統一感が出るのでおすすめです」

※2本の支柱(Pillar)にShelf Sを2枚、Shelf Mを3枚、組み合わせています。
・景色を映す大きな鏡:コーディネートの1番のポイントです。この鏡は人物の顔を映すアイテムというより、その時々で映りこむ景色を観賞するようなイメージで専用のフックに掛けています。
・家族の思い出:リビングに飾るアイテムとしておすすめです。ここでは、子どもが赤ちゃんの頃、お食い初めに使った歯固め石をディスプレイしました。
・グリーン:取り扱いやすさから、1番上の棚に飾るグリーンにはフェイクの観葉植物を選んでいます。なお、上の棚にガラス瓶のような割れものを飾る場合は、固定したり、滑り止めシートを敷いたりといった工夫を加えましょう。
・収納ボックス:実用性を持たせるために、複数のボックスを置いています。白いボックスには、ペンやはさみなどの文房具を入れておき、普段はふたを開けて来客時に閉める使い方を想定しています。また、茶色いボックスには、普段あまり使わない腕時計などを収納しています。棚の下には専用のフックに羽根はたきを掛けて、目についた埃をすぐに払える工夫をしています。

「部屋に入ったときにパッと目に入る景色が、その部屋の第一印象を決めます」とtakaさん。リビングに置く「エアシェルフ」は、お招きしたお客様の視線が向くことを意識してディスプレイするのもおすすめだそう。

4.書斎で在宅ワーク。デスクの延長として使える収納棚として

昨今、自宅で仕事をする方も増えてきました。在宅ワークにありがちな悩みは、デスクがごちゃつきやすく、収納スペースの確保が難しいことにあるかもしれません。その点「エアシェルフ」は、デスクに引き出しがなくても壁面を利用することで、収納スペースがつくれることを証明してくれます。

「エアシェルフ」の活用は、電源確保の点からもおすすめです。棚板の底には電源タップを隠しながら置ける専用のカバーが取り付けられるため、そこから複数の電源を確保できます。専用のアクセサリーで家電の配線も隠せるため、配線ノイズを最小限にしながら複数の家電製品をすっきりと使いこなすことができます。

※1本の支柱(Pillar)にShelf Sを3枚組み合わせています。
・1番下の棚:書斎のデスクに高さを合わせると一時置きスペースとして活用できるうえに、携帯電話の充電もスマートにできます。棚の高さは、椅子に座って取れる位置を意識して少し低めに設定しています。そうすることで、手に取る頻度の高いアイテムを気軽に置けます。
・真ん中の棚:よく読む本や名刺ボックスなどを置いています。在宅ワークをさりげなくサポートしてくれます。
・1番上の棚:時計やグリーンなどをディスプレイします。

棚全体のコーディネートのポイントは、ところどころにグリーンをあしらったところです。

「インターネット上で棚にディスプレイしたいグリーンを探すときは、例えば“デスクに置けるサイズ”と明記された小さめの植物を選ぶとShelf Sの棚にも置けますよ」

5.スキマ収納という形をとって、キッチンに設置

「エアシェルフ」に奥行き15cmのShelf Sを3枚取り付けると、見た目以上に収納力があるため、キッチンのスキマ収納として実力を発揮できます。棚全体にアイテムをギュッと詰めて置くと、さらに実用性がアップします。

※1本の支柱(Pillar)にShelf Sを3枚組み合わせています。
・1番下の棚:すき間を活用しながら作業台の延長として使うイメージです。割れにくい木の器などを常に置いておくこともできます。
・真ん中の棚:見せる収納を意識しており、グリーンを飾りつつ、よく飲む紅茶やコーヒーを飾りながら収納します。
・1番上の棚:ストックを詰めたかごを置いています。中身は、お茶や缶詰、お菓子づくりで使う小麦粉など。なお防災上の観点から、1番上の棚に割れる素材のものを置くことは避けましょう。

「エアシェルフ」をキッチンのすき間に設置する意義は防災面にもあります、とtakaさんは話します。

「キッチンのすき間に設置すると、床と天井に突っ張って固定する支柱のストッパーが万が一ゆるんでも、棚全体がキッチンに倒れ込んで被害を与える心配が格段に減ります。そのため、ある程度の重さがあるものも置きやすいと思います」

6.たった1枚の棚で、玄関の収納力がアップ

動線を考えると玄関に置いておきたいアイテムは数多くありますが、スペースが限られて置き場所に困ることもあります。そのような場合も「エアシェルフ」は役立ってくれます。ポイントは出っ張りの少ないShelf Sを採用し、棚板は1段にすること。置き場所として必要なスペースを確保しながら、圧迫感を感じさせない軽やかな印象の玄関を演出できます。

※1本の支柱(Pillar)にShelf Sを1枚組み合わせています。

「棚の上には、腕時計や財布などをしまうボックス、車のキートレイなどを置くと外出時の準備がスムーズです。夏場は虫よけスプレーを添えて。さらに好きな香りのアロマオイルや一輪挿しのグリーンを飾って、おもてなしの心を込めることもできます」

お気に入りの空間やインテリアに溶け込んで、お洒落でありながら、実用性や収納力にも優れる「エアシェルフ」。人生の中で、ディスプレイするアイテムを変えたり、時に組み替えたりしながら、長く付き合っていける新しい形の突っ張り収納です。今、一番使いたい場所に据えて、新しい空間づくりや後々までの変化を楽しんでみましょう。

Profile

整理収納アドバイザー / taka

家族みんなが『ムリなく続けられる』片付けと防災を、日々研究・実践中。WEBや雑誌などのメディアでの活躍のほか、お片付けサポートや片付け相談、防災レッスン、ワークショップなども開催。家庭も仕事も大切にしたいママへ、暮らしと密に繋がっている仕事に関するサポートも行う。夫と3人の子供たちとの5人暮らし。
HP『つづく、暮らし』

取材・文=星野祐子(Playce) 撮影=鈴木謙介