渋谷で出会う、フードテックとサステナブルな食の世界
フードテックや代替肉について知ることができても、「実際に食べてみないと実感がわかない!」と感じている人も多いのでは? 今回は、最先端のフードテックやプラントベースの食事を楽しめる渋谷の新スポットをご紹介します。
■ヘルシーで美味しい、プラントベースドフードカフェ「2foods」
今年4月、渋谷ロフトの2階にオープンしたプラントベースドフードが楽しめるカフェ「2foods」。メニューは全て、植物由来の食材を使っています。植物由来と聞くと、高いのではないかと思う人もいるかもしれませんが、すべてのメニューが1000円以下ととってもリーズナブル。思わず写真を撮りたくなるようなおしゃれな見た目も特徴です。
2foodsのコンセプトは、“ヘルシージャンクフード”。ブランドを立ち上げた東さんに、その想いを伺いました。
「2foodsは、ヘルシーでサステイナブルな食事が楽しめる場所です。ですが、それを全面に出すのは違うと感じていました。健康にいいから食べなさいとか、環境にいいからこの食材を選びなさいとか……。強制的にメッセージを受けて食べるのは、辛いし、テンションも上がらないと思うんです。
ブランドを立ち上げる上で大切にしてきたのは、2foodsのロゴにもある「Yummy(But so Healthy)」という考え方。つまり、美味しく食べた結果がヘルシーでエシカルだった、という体験をどうつくっていけるかを常に考えていました。
ジャンクフードのようにリーズナブルで、美味しくて、見た目もおしゃれなプラントベースドフードを提供する。そうすることで、プラントベースドフードがみなさんの日常的な選択肢のひとつになるのではないかと思い、 “ヘルシージャンクフード” というコンセプトをつけました」
■最新のフードテックに触れる、「FOOD TECH PARK」
カフェの隣には「FOOD TECH PARK」が併設。日本初登場のグローバルフードテックブランドや話題のスタートアップなど、最新のフードテック技術に出会うことができます。
「フードテックが世界中で盛り上がっているとお話をしましたが、メディアでしか知る機会がないのでは、と感じていました。FOOD TECH PARKは、実際に商品を見て、触れて、知ることができる場所です。現在はコロナウイルスの影響で行っていないのですが、展示されている商品の試食もできるように準備を進めています。この場を通して、エシカルでサステイナブルな商品を知るきっかけになればと思っています」
写真は、FOOD TECH PARKの展示ブース。各商品に置かれたタブレットで商品に込められた思いや、魅力を知ることができる。興味があれば、一部の商品は実際に購入することも可能です。
ヘルシー、そして美味しい!
2foodsオススメのプラントベースフード 5選
今回は特別に、2foodsのメニューの中から、代替肉を使ったメニューを中心に、オススメの商品を教えてもらいました。店内での飲食はもちろん、多くの商品がテイクアウトに対応しています。ぜひ足を運んでみてくださいね。
・オリジナルソースの香りが食欲をそそる、彩り鮮やかなまぜそば
「スパイシーまぜそば」テイクアウト 950円 / イートイン 968円(税込)
5種類の鮮やかな野菜と、ひき肉状の大豆ミートが添えられた、「スパイシーまぜそば」。6種のスパイスをブレンドした2foodsの特製ラー油で、ほどよい辛さが楽しめます。中華系のメニューは一般的にオイスターソースで味付けするそうですが、こちらのメニューで使われているのはオリジナルのきのこソース。食材だけでなく、調味料の部分まで徹底的にこだわり抜いた一品です。
メインとなる麺は、グルテンフリーの玄米麺。独自の技術で超微粒子に玄米を粉砕することで、モチモチとした食感を再現しています。
・1日の1/2の野菜が摂れる“バターチキン”カレー
「まるでバターチキンカレー」テイクアウト 950円 / イートイン 968円(税込)
植物由来の豆乳バターに、栄養満点のトマトをふんだんに使用した「まるでバターチキンカレー」。野菜の旨味が凝縮され、一皿で1日の1/2の野菜が摂取できます。代替肉は、鳥のささみのような食感が楽しめる大豆ミートを採用。ジューシーな食べ応えが魅力です。
ライスは、玄米にカリフラワーライスを合わせたオリジナル仕様に。玄米は食物繊維豊富なだけでなく、血糖値上昇を抑える働きがありますが、逆に慣れていない人が食べると胃がもたれてしまうことがあるのだそう。カリフラワーを合わせることで、消化にもよく、よりヘルシーな一皿にしあがっています。
・もちもちのドーナツとジューシーな大豆ミートが魅力の“チキンタツタ”サンド
「ソイチキンタツタドーナツサンド」テイクアウト 626円 / イートイン 638円(税込)
もちもち食感にこだわったドーナツにチキンタツタ風の大豆ミートを挟んだ「ソイチキンタツタドーナツサンド」。ドーナツ生地は、超低温で発酵させることで、たまごと乳を一切使用していないにも関わらず、もちもちふわふわの食感を再現しています。
チキンタツタ風の大豆ミートの衣は、ビタミンB1とB6が豊富なひよこ豆を使用。実際にチキンタツタをつくるのと同じように一晩味を漬けこんでから揚げることで、噛み応えもよく、旨味溢れるタツタにしあがっています。たまごを使用しないオリジナルのタルタルソースも相まって、満足感抜群の一品です。
■たまご嫌いも認めた“たまご”サンド
「まるでたまごなドーナツサンド」テイクアウト 518円 / イートイン 528円(税込)
ふわもち食感にこだわった2foodsオリジナルのプラントベースたまごサンド。たまごサンドという名前でありながらたまごは使われていません。
たまごの代わりには、かぼちゃと豆腐を使用。それに加えて、口に入れた瞬間のかぐわしい香りを追求し特殊なスパイスを使用して、たまごそのものの味わいを再現しています。かぼちゃのβカロテンや大豆由来のタンパク質が多く含まれており、体に優しいのも嬉しいところ。たまご嫌いも認めた究極のプラントベースたまごサンドです。
・オンラインショップでも! 3通りの食べ方が楽しめるガトーショコラ
「生食感の濃厚ガトーショコラ」テイクアウト 518円 / イートイン 528円(税込)
特殊製法の超微粒玄米粉を使用した、濃厚でなめらかなくちどけが魅力の「生食感の濃厚ガトーショコラ」。たまごや乳の代わりに、アーモンドミルクやオーガニックシュガーといったヘルシー素材を使用した一品です。
玄米粉を使う事で、3通りの食感が楽しめるこの商品。冷蔵庫で冷やせば生チョコ、常温ならテリーヌショコラ、温めるとフォンダンショコラと、お好みに合わせてぜひ味わってみてください。こちらの商品は、オンラインショップでも購入可能です。
100%じゃなくていい。フレキシブルなスタイルから始める食のサステナブル
「最近では、『フレキシタリアン』という言葉も聞かれるようになりました。フレキシタリアンとは、“ときどきベジタリアン”な人々のこと。世の中の情勢を見てSDG‘sを意識している人もいれば、『昨日焼肉を沢山食べたから、今日はヘルシーなご飯にしよう!』と、健康を気にして無意識のうちにフレキシタリアンなスタイルを取っている人もいます。
私は、食に対するエシカルなアプローチが必ずしも100%である必要はないと思っています。健康で環境にもいい食品を我慢して取り入れても、本当の健康とは言えません。段階があっていいと思いますし、ハーフアンドハーフな考え方でもいい。みなさんが体だけでなく、心も豊かになるようなエシカルで美味しい食に出会えることを祈っています」
Profile
株式会社TWO代表取締役CEO / 東 義和
2005年にPRを軸に企業のブランディングを行う「マテリアル」を設立。2018年にはCannes LionsのGlobal PR agencyランキングにおいて、アジア勢首位を獲得した。2015年、グローバルで通用する普遍的なウェルビーイング事業を創るため、TWOを設立。2019年からは、マテリアルを離れTWOに専心している。
Spot Data
2foods 渋谷ロフト店・FOOD TECH PARK
所在地=東京都渋⾕区宇⽥川町21-1 2階
電話番号=03-6416-4025
営業時間=11:00~20:00 ※コロナ禍では営業時間が変動する可能性があります。
定休日=無休 ※渋谷ロフトの営業時間に準じます。
アクセス=東京メトロ銀座線・副都⼼線・半蔵⾨線・東急⽥園都市線『渋⾕駅』(A3番出⼝)から徒歩3分/JR線『渋⾕駅』ハチ公⼝から徒歩5分
HP https://2foods.jp/pages/store03
オンラインショップ https://2foods.jp/pages/online
取材・文=室井美優(Playce) 撮影=三木匡宏