連休明けの朝、気が重い予定が入っている日の朝、真冬の寒い朝……。朝ベッドで目覚めてからすぐに、シャキッと起き上がれない日もあるでしょう。とくに昨今、在宅ワークの朝は「あと10分寝られる……」と思うと、ついベッドの中でだらだらしてしまい、今まで以上に目覚めの悪さを感じているという声も。図らずも手に入れた朝のゆとりによって、不規則な生活を招いてしまってはもったいないですよね。
無理矢理起きるのではなく、目覚めたらわくわくして自然と起き上がりたくなる。そんなきっかけは、家電に作ってもらいましょう。今回は、家電ライフプロデューサーの神原サリーさんに教えていただきました。
せわしない朝から贅沢に過ごす朝へ!
新しい価値観が暮らしを変える
飛び出すように家を出て、通勤ラッシュと戦う。そんな朝のルーティンが一変した人も多いのではないでしょうか? 食品産業新聞社の記事によれば、コロナ禍のなか、家で過ごす時間が増えたことで家庭で飲むコーヒーの需要が急伸。これは、朝時間に少し余裕ができたことで、朝食に豆から挽いたコーヒーを楽しんだり、食後のカフェタイムをゆっくり過ごしたりするニーズが増えている現れでしょう。
「以前なら、平日の朝にこだわりのコーヒーを淹れようなんて思ったこともない人が、今では朝のコーヒーだけは、豆から挽いてハンドドリップしないと一日が始まらない、というくらい生活スタイルに大きな変化の出ている時代です。自宅で過ごす時間が増えたことで、少し丁寧に暮らしを楽しみたいという欲求が芽生えるのは、自然な流れですよね。私はこれを“NEO丁寧”と表現しています。
このNEO丁寧な暮らしに貢献するような、朝時間が充実する家電はたくさんあります。気持ちのよい目覚めをサポートしてくれる照明や音楽、朝ごはんの質を上げてくれる調理家電などを取り入れれば、早起きが苦手な人でも、きっと起きるのが楽しみになるはずです」(家電ライフプロデューサー・神原サリーさん、以下同)
それでは具体的に、神原サリーさんがおすすめする、NEO丁寧をかなえる“朝家電”を見ていきましょう。
早起きしたくなる“朝家電”
1. 目覚めの幸福感を味わう「照明+プロジェクター+スピーカー」
popIn「popIn Aladdin 2」
9万9800円(税込)
照明、プロジェクター、高性能スピーカーを兼ね備えた3in1のLEDシーリングライト。部屋の壁に映像を映し出して、さまざまなコンテンツを楽しめます。通常の照明を設置するのと同じ手軽さで取り付けられ、追加の電源ケーブルを用意する必要もありません。
「わが家では、初代機を玄関で、この『popIn Aladdin 2』は寝室で使っています。好きな音楽を流し、ライトや音楽が1時間後に消えるようにセットして眠りにつき、朝は小川や波打ち際、森林など、自然の風景が映し出されるようにタイマーをかけています。鳥のさえずりなどが耳に聞こえてきて、うっすら目を開けると大自然の景色が見えるので、目を覚ますことに幸福感が得られますよ。
ほかにも、映画を見たり、YouTubeなどの動画を写したりと、大画面テレビ以上の迫力でさまざまなコンテンツを楽しめます。朝からパワフルな音楽や映像をかけて、テンション良く目を覚ますのもいいですね」
2. 目覚めをサポートしてくれるスマートスピーカー
アマゾン「Amazon Echo Show 8」
1万4980円(税込)
Amazonのクラウドベースの音声サービス「Alexa」のデバイス。「アレクサ」と話しかけるだけで、音楽の再生や天気情報、テレビや照明操作などをしてくれます。8インチのスクリーンがあることで、動画を見たりビデオ通話をしたりとさまざまに活用できます。
「『popIn Aladdin 2』と同じく、ベッドから起き上がる前に寝起きを促してくれるツールです。『アレクサ、今日の天気を教えて!』と言えば、あらかじめ登録しておいた地域の天気情報を教えてくれます。次に、『アレクサ、今日のニュースを教えて!』と言って、ニュースに耳を傾けている間に、だんだんと目が覚めてきて、目を開ければ映像が入ってくるので、頭がスッキリとしてきます。その後に体を起こせば、テンポよく動き出せます。
コンパクトサイズなので、起きると同時にリビングへ持っていけば、ときどき画像を見つつもラジオ感覚で聞き流しながら、朝の準備がスムーズに進められます」
3.カーテンを開ける楽しみが増える水耕栽培キット
ボタニアムジャパン「BOTANIUM」
1万8150円(税込)
スモークホワイト、アッシュグレー、ローレルグリーンの北欧カラー3色がおしゃれな水耕栽培プランター。肥料や水やり、頻繁な植え替えの必要がなく、室内の省スペースで植物が育てられます。出張の多い人でも、枯らす心配はありません。
「『今日も大きくなっているかな?』と思うと、起きて植物の様子を見に行くのが楽しみになりませんか? 朝、カーテンを開けて植物に朝日を浴びせる幸福感も得られます。基本的にはどんな植物も育てられますが、バジル、ミントなどのハーブ類、とうがらしやイチゴ、トマト、パクチーなど、収穫して食べられるものがおすすめ。ここから摘んで、そのまま食卓に出せるので便利です。
3時間ごとの自動水やり機能があり、毎日のお手入れは一切不要なので、サボテンでも枯らしてしまう、なんて人にもぴったり。粘土を高温で焼いて発泡させた人工の土『ハイドロボール』で栽培するので、害虫が発生することなく、通常よりも早いスピードで植物が育ちます」
4. マスク荒れのケアとメイクのノリアップに「スチーマー」
フェスティノ「フェイシャル モイスト ナノスチーマー」
8800円(税込)
1mmの100万分の1というナノサイズのスチームで、毛穴を開き汚れを浮かせたり美容液の浸透をよくしたりするスチーマーです。メイクをオフする前や洗顔後、リラックスタイムに約3~15分程浴びるだけで、しっとりプルプルのお肌に。パサつく髪やマスクのこすれによる乾燥肌のケアにもぴったりです。
「美容家電はどうしても金額の高いものが多い中、こちらは手に入れやすい価格です。幅約12cm、高さ約20cm、約800gというコンパクトさで場所を取りません。ナノスチーマーなので、着替えた後に使用しても、服が濡れる心配はなく、朝から使いやすいと思います。
美顔器というと、夜寝る前の時間があるときに使うイメージが強いのではないでしょうか。実は、朝の洗顔後に数分間使うことで毛穴が開き、化粧水や美容液の浸透がよくなるので、お肌がプルプルに。メイクのノリの違いに驚くはずです」
5.野菜スープからスムージーまでおまかせの「ジューサー」
レコルト「ソイ&スープブレンダー」
1万1000円(税込)
生豆から作る豆乳が絶品の「ソイ&スープブレンダー」。豆乳やスープ、スムージーなどが手軽に作れます。直径約10cm、高さ約21.6cmというコンパクトなポットには、ヒーター内蔵でステンレス刃があり、豆乳、スープ&ペースト、ジュースモードの3機能が選べます。サリーさんは豆から作るあったかい豆乳が大のお気に入りとか。
「普段、健康のために豆乳を飲んでいる女性は少なくないでしょうけれど、大豆から煮て豆乳を作るのは難しいですよね。これを使えば、純度100%のできたて豆乳が味わえます。前の晩に付属の軽量スプーン2杯分の乾燥大豆を水に浸け、朝はブレンダーに大豆と水を入れてスイッチを押すだけ。これぞ、家電の力を借りて味わう“NEO丁寧”だと言えます。
搾りかすのおからは、溜めておいてハンバーグの具材にしたり、クッキーやサラダや卯の花にしたりすればフードロス対策もバッチリ。豆乳以外にも、冷蔵庫に余っている野菜にコンソメや昆布茶で調味した野菜スープ、バナナジュースやスムージーも簡単に作れます」
6.冷凍パンが焼きたてのような味わいになる「トースター」
パナソニック「オーブントースタービストロ NT-D700」
実勢価格2万7500円(税込)
全面スモークガラスのオールブラックのデザインがスタイリッシュなオーブントースターです。操作はダイヤル1つと「スタート」「取消」ボタンのみ。ダイヤルを回して液晶画面に表示されたパンの種類や厚みを選び、焼き具合の段階を決めれば、あとは自動でサクッとふんわり、中まで熱々のトーストに仕上げてくれます。
「パンを冷凍保存している人は少なくないですよね。でも、冷凍パンを焼くのって、意外と難しいもの。レンジでチンして解凍しようにも温めすぎでパンがパサついてしまったり、トースターで焼くと外側だけ焦げて中は半解凍のままだったり……。
このトースターは、遠赤外線ヒーターと近赤外線ヒーターを組み合わせた遠近トリプルヒーターが搭載されていて、パンの表面とパンの中の温度を感知します。冷凍パンをそのまま入れても、絶妙の焼き加減になり、クロワッサンやペストリー系のリベイクも絶品! パン屋さんで焼き立てを買ってきたような味なので、朝食が楽しみになるはずです」
7.美しいホワイトプレートで朝食をとれる「ホットプレート」
プリンセス「テーブルグリルミニピュア」
1万4300円(税込)
ホワイトのプレートに竹素材を使った台座のシンプルで洗練されたホットプレート。「美しすぎるホットプレート」というコンセプトを掲げ、グッドデザイン賞を受賞しています。そのコンパクト版が、こちらの「テーブルグリルミニピュア」。卵やベーコンなどを焼くだけでも、優雅な気分で味わえます。
「アルミの鋳物にセラミックコーティングされたパネルは、熱の伝導が早く、わずか3分程度で160〜180℃まで加熱されます。プレートの隅々まで短時間で適温にしてからは、遠赤外線でじっくりと焼き上げてくれるので、焦げ付きの心配はありません。
シュレッドチーズを溶かした上にトーストを乗せてひっくり返せばチーズトーストに。横でベーコンやソーセージ、卵を焼けば、短時間で朝食メニューの完成です。なんといっても見た目が美しいので、少し早めに起きて、トースト&ハムエッグの朝食を楽しみたくなると思います」
8. キッチンで邪魔にならないコンパクトサイズの「エスプレッソコーヒーメーカー」
ネスプレッソ「エッセンサ ミニ C30」
1万2100円(税込)
エスプレッソコーヒーが自宅で簡単に味わえる、カプセル式のコーヒーメーカーネスプレッソの機種の中で、最小・最軽量のモデルがこちら。幅はわずか8.4cm、高さ20cm、奥行きは33cmなので、キッチンやリビングのすき間にもすっぽりとおさまります。
「手軽に本格的なコーヒーが味わえるコーヒーメーカーが欲しいけれど、置き場所がなくて購入をあきらめてきた方もいますよね。こちらのモデルはコンパクトかつスクエア型でスッキリ。もちろん、コーヒーの味わいも納得の仕上がりです。
コーヒーの種類も豊富で、定番だけでも30種類もの味わいから選べます。濃厚なコーヒーの味わいを楽しむ『エスプレッソ』(40ml)と、よりたっぷりとした一杯を楽しむ『ルンゴ』(110ml)、2種類の抽出法をワンタッチボタンで選択。また、お好みに合わせて150mlまで調整することが可能です。朝時間を充実させる家電として欠かせないコーヒーマシーンは、リモートワークのおともにもあると便利です」
9.コーヒーを極めたい派に豆の挽き方が選べる「グラインダー」
コレス 「コーングラインダーC330」
2万2000円(税込)
大のコーヒー好きだというサリーさんが自宅時間の増えたライフスタイルになってから、手に入れた家電の一つがこちら。豆の挽き方が極細挽きから粗挽きまで無段階の設定で、豆の種類や飲み方の好みに合わせて、粒子のサイズを微調整できる高性能ブラインダーです。
「例えば、エスプレッソならば極細挽きに、ハンドドリップで淹れたいから中挽きに、鮮度のいい豆を粗挽きにしてフレンチプレスで味わいたい、など、豆の種類や自分の気分に合わせてどうやってコーヒーを味わいたいのかをイメージします。そして、こちらのブラインダーで豆を挽き、コーヒーを淹れて、思った通りの味わいが引き出せたとき、すごく幸せな気分になれるんです。
コーヒーじゃなくても紅茶やお茶などでも同じように茶葉に合わせた油温や量、カップにこだわってみるというのも暮らしに深みが増しますし、朝時間が楽しくなってくるので、早起きにつながるのではないでしょうか」
ここまでは単体で“朝家電”を紹介してきましたが、次のページでは“朝の定番”ともいえる、パンとコーヒーの組み合わせにフォーカスします。