テレワークが働き方の新常識となってきた昨今、人々の暮らしの選択や価値基準もまた、大きく変化しつつあります。都心のオフィスに通う必要性が薄れていくなか、20~30代の若い世代から注目されているのが、「暮らしの質」を高める「準郊外の街」という選択肢です。
そこで今回は、東京のベッドタウンとして近年再開発が急速に進んでいるという、千葉県の船橋エリアに注目。「施工」から「暮らし」まで、日本初の再エネ電気100%タウンを実現し、子育て世代に好評を博している大和ハウス工業の「船橋グランオアシス」を訪ねました。
船橋駅へ好アクセス! 都心からちょうどいい“準郊外”の距離感
2021年3月、東武アーバンパークライン(旧:東武野田線)沿線の塚田駅そばに、新たな街が完成しました。その名も「船橋グランオアシス」。571戸の分譲マンションと250戸を超える賃貸住宅、さらに戸建分譲住宅街区や商業施設街区も含む、大規模な複合開発プロジェクトです。
「塚田」は地元民でない限りあまり聞きなれない駅名かもしれませんが、東京駅へ約24分の船橋駅まで、東武アーバンパークラインを使ってわずか5分。同じくターミナル駅の西船橋駅や津田沼駅にも自転車で行ける便利な場所にあります。加えて隣の新船橋駅も近年再開発でにぎわっており、働き盛りの世代にとって、このエリアは都心から遠すぎず、ちょうどいい距離感の「準郊外」として、近年再び注目を集めているといいます。
リモートワークが広がるコロナ禍の昨今、暮らしの拠点を見直す人々が急増するなか、ここ「船橋グランオアシス」の誕生は大きな話題になりました。会社や働く場所に近い都心で高い家賃を払い続けるより、もっと広々とした家で余裕を持って暮らしたい。そんなふうに人々の意識が「通勤の利便性」ではなく、「暮らしの質」へと向けられるようになったこのタイミングに、「船橋グランオアシス」の開発コンセプトは見事にマッチしていたからです。
それが、本件の開発コンセプトとして掲げていた「つながる未来、スマートコネクテッドシティ船橋塚田」という考え方。この「船橋グランオアシス」は、通勤や生活がしやすいというだけではなく、日本初の再生可能エネルギー電気100%の街づくりを実現するなど、時代の先をゆく取り組みを注ぎ込んだ先進的なプロジェクトでもあるのです。
エリアの価値を創造しながら、地域住民とつながる街づくり
再生可能エネルギー電気100%の街づくりとは、いったいどんなことなのか? なぜこの塚田の地が選ばれたのか? 一連の開発の経緯について、大和ハウス工業・東京都市開発部の渡邊大吾さんに聞きました。
「『船橋グランオアシス』があるこの場所には、2012年まで大きなガラス工場がありました。その閉鎖をきっかけに、当社が船橋市とともに開発を手がけることになりましたが、そもそもこの周辺地域は昔から残る狭い道路が多く、車一台がすれ違うのも大変な道路ばかり。地域住民の方々からは、これ以上人の往来が増えるのは困る、といったお声も頂戴していました」(渡邊さん)
船橋市の都市計画課など関係機関と連携し、地域住民との協議を何度も重ねるなかで見えてきたのは、「つながる」というキーワードだったといいます。
「都心に近い準郊外エリアでは珍しいケースだと思いますが、船橋周辺は近年出生率が上がっているそうです。なかでも塚田は、自治会活動が活発なところで、地域住民のつながりをとても大事にしています。つまり、安心して子育てをしたいファミリーにはうってつけの場所なんです。そういった背景から、『つながる未来、スマートコネクテッドシティ船橋塚田』という開発コンセプトを導き、これに基づいてエリアの価値向上に繋がる取り組みを検討してきました。分譲マンション、戸建分譲住宅などあらゆるタイプの住居と、商業施設を含む複合的な開発を行うことで、ここに塚田のより豊かな未来につながる街を育むという構想です」(渡邊さん)
まず実施したのは、船橋市の地区計画と連携しての道路や周辺環境の整備。
「誰もが安全に歩行できるよう、行政と協働しながら敷地周辺の道路を広げました。さらに見渡しのいい公園や、住民以外の方も通れる緑道を設け、地域と安全につながれる環境づくりをしていきました」(渡邊さん)
もうひとつ重要だったのが、自治会の組成だったそう。
「『船橋グランオアシス』内にも自治会を作ってほしいという要請を受けていました。分譲・賃貸マンション、賃貸住宅に戸建住宅と、さまざまな形態の住居がありますが、そのすべてがひとつの自治会に入っているのが特徴です。賃貸物件に関してはオーナーさまの加入になりますが、ご入居の方でも準会員という形で加入できます。これによって地域社会や住民とつながり、情報を共有できるといった安心感が得られます」(渡邊さん)
オフィスでは常識の再生エネルギーを街の「暮らし」にもいち早く導入!
そして街の未来に「つながる」取り組みのひとつとして採用したのが、再生可能エネルギー100%のまちづくりでした。「船橋グランオアシス」では、各住戸で入居者が使用する電気はもちろん、共用部や街灯の電気、さらに施工時に使った工事用電源にも、再エネ電気のみを利用しています。大和ハウスグループでは全国397か所で再生可能エネルギー発電所を管理・運営していますが、ここでは岐阜県飛騨市の菅沼水力発電所で発電した電気を中心に供給。それもコストのかかるFIT非化石証書付きとすることで、国際的な「RE100」のルールにも準拠させています。
「実質再エネ電気100%供給の街づくりは、弊社ではもちろん、日本でも初の取り組みではないかと思います。そういう意味では実験的でもあり、なおかつ相応のコストや手間も要しますが、環境負荷低減という時代の流れの中で、弊社ができる取り組みとしていち早く取り組んだ形です」(渡邊さん)
ちなみに分譲マンション「プレミスト船橋塚田」では、自動制御による使用電力のピークカットやリアルタイムインディケーターといった省エネ対策も実施しています。
「分譲マンションの使用電力が極端に増加する際には、自動的にマンション共用部のピークカットが行われます。また停電時は蓄電池から共用部の特定機器に電気を供給されるようになっており、災害にも備えています。さらに各戸には、リアルタイムインディケーターを設置しました。これは電力の利用状況が赤・黄・緑の色でリアルタイムにわかるというもので、ご入居者の省エネ行動につなげたい考えです。実際に弊社の別の物件で設置したところ、消費電力が大きく削減されたというデータも出ています」(渡邊さん)
交通の便がよく快適に通勤ができる上に、地域と関わりながら安心して子育ても楽しめる。そんな塚田エリアの「準郊外」的な暮らしやすさを見事に引き出した「船橋グランオアシス」は、現在居住者の6割が20~30歳の子育てファミリー層なのだそう。そこで今回は、賃貸マンションの「ロイヤルパークス船橋」に@Livingスタッフが訪問。気になる中身を見てきました。
準郊外の快適さを“賃貸”で体感!「ロイヤルパークス船橋」で暮らす
「ロイヤルパークス船橋」は、1ルーム(賃料7万7000円~)から3LDK(~賃料33万円)までさまざまな部屋タイプが備わった総戸数223戸の賃貸マンション。大和リビング アセット事業部の松本太郎さんは、この物件と立地が当初の予想よりも幅広い層に受け入れられていることを感じているそう。
「若い子育てファミリー層はもちろんなのですが、ご高齢のお母さまとその娘さんなど、親御さんとの同居を始めるにあたって選ばれるお客さまもよくいらっしゃいます。この地域にひとり暮らしの高齢者が増えているという背景もありますが、ご入居者は地元の人よりも東京や県外からいらっしゃる方の方が多い。高齢の方でも、人の多い都心で暮らすよりは塚田の方が安心して街を歩ける……といった理由があるようです」(松本さん)
共用部には、パーティールームやトレーニングルームが設けられているほか、ラウンジスペースはテレワークにも人気とか。
「これは分譲マンションの方でも同様の傾向ですが、短時間のオンライン会議などに便利です。家に家族がいるからと、ちょっとした息抜き目的からラウンジで作業をする方もいらっしゃいます。やはりコロナの影響でテレワークが増え、都心に住む必要がなくなって引っ越して来られたり、会社自体が郊外に移転して、他県から転勤になったりするケースが多いんです。そういう方にとっては、賃貸でさまざまな共用部を利用できるメリットも大きいのではないかと思います」(松本さん)
11階建ての高さは圧迫感が少なく、それでいて眺望にはほどよい開放感があり、リラックスして暮らせそうな環境。なおかつ最寄りの塚田駅からは1本道で徒歩3分圏内と、アクセスが抜群です。
「船橋周辺の東武アーバンパークライン沿線は近年再開発の流れが来ていて、もともと注目されていたエリア。塚田も自転車でお隣の駅まで行けばイオンモールがありますし、建物西側には大きな行田公園もあるので、落ち着いて生活をするには便利な場所です」(松本さん)
では物件の内部を写真でチェックしていきましょう。
以上のように、従来の街とのつながりを大切にしながら、先進技術を取り入れた「船橋グランオアシス」。慌ただしい都心では得られなかった余裕や落ち着きといった暮らしの価値が、ここなら手に入りそうです。「準郊外の街」での新しい暮らしを、体感してみてはいかがでしょうか?