近年ブームとなっている“糖質制限”では、主に米やパンといった穀物のデメリットばかり注目されていますが、もちろん砂糖や人工甘味料も糖質制限の大敵。社会的にも「砂糖=体に悪いもの」という認識が広まりつつあり、スイーツなどの甘いものを食べると、罪悪感を持ってしまいますよね。
とはいえ、やっぱり甘いものがやめられない! 砂糖や人工甘味料の摂りすぎがNGなら、その代わりとなるものを知りたい! という人も多いのではないでしょうか。そんな人におすすめしたいのが、今回ご紹介する“ネイチャースイートソース”です。
砂糖の代替品として話題の
ネイチャースイートソースって何?
まだあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、ネイチャースイートソースとは素材本来の甘さを活かした「天然の甘味料」のこと。砂糖に比べ、低カロリーで食後の血糖値の上昇も緩やかであることから、砂糖の代替品として注目度が高まっています。これについて、自身も普段の食生活にネイチャースイートソースを取り入れているという、モデル・ボディメイクトレーナーの佐々木ルミさんにお話しを伺いました。
「ずっと摂取し続けているとわからないのですが、以前、白砂糖を極力抜いてみたことがあります。そのとき、心身ともにとても調子が良くなることを実感したんです。私の場合、身体的にはむくみや肌荒れ、精神的には気分のアップダウンが改善されました。ですので、どうしても甘いものが摂りたいときは、できるだけ砂糖や人工甘味料を避け、ナチュラルな素材を選ぶようになりましたね。以前は白砂糖の代わりとしててんさい糖や黒糖など、同じ砂糖の中でしか選択肢がありませんでした。でも最近はネイチャースイートソースが充実しています。抗酸化作用の高いアップルソース、発酵食品である甘酒、免疫力を高める効果のあるはちみつなどは、やさしい甘さを持ちながらビタミンやミネラルも含まれているので嬉しいですね」
ルミさんのお話しにもある通り、ネイチャースイートソースの代表とされているのが、アップルソース、甘酒、はちみつ(シングルオリジンハニー)。今回はそんな3つのアイテムの魅力や、活用方法を教えていただきました。
やさしい甘さのアップルソースは
食事にもスイーツにも大活躍!
アップルソースは、りんごを煮てペースト状にしただけのシンプルなソース。最近では、ナチュラル系の食品を扱うお店や、通販などでの取り扱いも増えてきています。
「りんごそのままの風味があり、ほんのりとやさしい甘さ。さっぱりとしていて口の中に甘ったるさが残りません。“あるのはカロリーだけ”という白砂糖に比べ、アップルソースは食物繊維やビタミン、ミネラル、抗酸化作用のあるポリフェノールなども同時に摂取できます。生活習慣病予防やアンチエイジングなど、健康と美容のためにも良いですよね。砂糖たっぷりのジャムやバターを使っている人は、それをアップルソースに変えるだけでもダイエットにつながるかも」
【アップルソースの活用方法】
「パンやヨーグルトのトッピングに使ったり、カレーの隠し味に加えたりと、とにかく手軽に使えるんです。また、マフィンやパン、ケーキ類を焼くときに、砂糖の代わりとして使ってもおいしく仕上がります。私が最初にアップルソースを使ったのは、自分のおやつ用に作ったオートミールクッキー。まだ店頭にはほとんどなかったので手作りしましたが、やさしいけどしっかり甘さもついていて。とてもおいしくできたので、あっという間に食べてしまいました(笑)。ほかには、アップルソースをしょうゆ、みりん、お酒と一緒に煮つめて肉料理のソースにしたり、暖かい時期になったら冷やした炭酸水に混ぜてアップルサイダーにしたりしても楽しめます。大人だけでなく、小さなお子さまにも安心して与えられますよね」
アップルソースは
おうちで手作りできる!
アップルソースを自身で手作りすることもあるというルミさん。おいしく作るためのコツや、こだわりのレシピを伝授していただきました。
「おうちで作るときは、スパイスをプラスすると味に深みや風味が出ておいしくなります。それと、りんごの皮にはポリフェノールが含まれているので、剥かずに皮ごと使うようにしていますね。ただし皮ごと使う場合は、無農薬のりんごを選ぶか、農薬を除去する効果があると言われているホタテパウダーなどで洗っておいたほうが安心です」
【自家製アップルソースの作り方】
*材料
りんご……大きめ2個
水……1/4カップ(50cc)
シナモンスティック…1本
クローブ……3個
*手順
1.ソースパンにスライスしたりんご、水、シナモンスティック、クローブを入れ、ふたをして弱火で15~20分煮る。りんごがやわらかくなり、水分が少しだけ残っている状態になったら火からおろす。
水分が多すぎた場合はふたを外して煮る。まだりんごが固いのに水分がなくなりそうな場合は少量の水を足して煮る。
2.シナモンスティック、クローブを取り除き、フードプロセッサーでペースト状にする。
冬場に飲まれる甘酒は
夏バテ予防や疲労回復にも最適!
日本人になじみ深い発酵食品である甘酒もネイチャースイートソースのひとつ。お正月や大寒の頃に飲まれることが多いですが、甘酒のパワーは体を温めるだけではありません。
「“飲む点滴”とも呼ばれるほどさまざまな効果・効能が期待され、夏バテ予防や疲労回復などに1年中大活躍するドリンクです。酒粕由来のものには砂糖が含まれているものが多いのですが、米麹由来のものは発酵することによって自然な甘さが生まれています。そのため、健康を考えるなら米麹由来のもののほうが良く、ノンアルコールなのでお酒が苦手な方でも飲みやすいでしょう」
【甘酒の活用】
「もちろんそのまま飲んでも良いですが、個人的には和食との相性が良いと思っていて、魚や肉を甘酒としょうゆに漬けてから焼いたり、煮物のときに砂糖の代わりに使ったりするのがおすすめです。甘酒と砂糖不使用のピーナッツバターを混ぜてパンのスプレッドとして使ったり、ゴマペースト、しょうゆと混ぜて和風ドレッシングにしたりしてもおいしいです。発酵食品なので、加えるだけで味に深みを出してくれるのが便利ですね」
個性豊かなシングルオリジンハニーは
エネルギー源となり免疫力もUP!
シングルオリジンハニーとは、ほぼ単一の蜜源由来のはちみつのこと。
「身近に購入しやすいのは、抜群の抗菌効果を持つとされるマヌカハニーや、アーユルヴェーダで使われるニームハニー、漢方薬の原料であるリコリス(甘草)ハニーなどです。どれも粘度が高く、個性的な深い味わい。はちみつは純粋なものほど栄養価が高く、免疫力UPなどの効果も期待できます」
【シングルオリジンハニーの活用方法】
「それぞれ風味が違うので、はじめはヨーグルトやパンケーキにかけて、そのものの味を楽しめる使い方をしてみると良いかもしれません。私はサラダのドレッシングや、肉・魚料理のソースに使うこともあります。もちろん、料理やお菓子作りの際に砂糖の代わりとしても使えます」
ネイチャースイートソースなら
甘いのに罪悪感なしに楽しめる!
何となく疲れやすいときや、体調が優れないとき、もしかしたらそれは白砂糖が原因かもしれません。ネイチャースイートソースを砂糖代わりに使えば、老若男女、ダイエットしている人もそうでない人も、罪悪感なしに食事やスイーツを楽しめるのではないでしょうか。そのうえで、ひとつだけ注意点を押さえておきましょう。
「ナチュラルな甘みで栄養が豊富とはいえ、摂りすぎは禁物です。脂肪として体に蓄積されないよう、健康や美容のことを考えるのであればほどほどに。基本的には砂糖の代用品として使いましょう」
最後に、ルミさんからメッセージをいただきました。
「私はモデルでありトレーナーなので、いつも好きな自分でいられるようにダイエットやボディメイクをしていますが、そのうえで食事はとても重要な役割を占めています。そう言うと余程ストイックな食事をしているのでは、と思われるのですが、たまにはスイーツや糖質&脂質の多い食事も食べるし、お酒だって飲みます。健康や美容を維持していくためには、無理な制限をするのではなく、自分の中でONとOFFを使い分けていくことが大切。ネイチャースイートソースをうまく活用してストレスフリーな食生活を楽しみましょう!」
Profile
モデル・ボディメイクトレーナー
佐々木 ルミ(ささき・るみ)
海外や国内でショーや雑誌・CMなどのモデルとして幅広く活躍する一方、ボディメイクトレーナーとしての活動を開始し、”feel good about yourself”をモットーに、モデルとボディメイクトレーナーという2つの観点で、時代に左右されない健康美を追求。エクササイズでマインドもハッピーに変わった自身の経験をベースに、適度な運動で健康的な毎日を送るウェルネスエイジングを提唱している。著書に「キレイをかなえるデトックスウォーター」(宝島社)、「イルミネートボディ·ダイエット」(サンマーク出版)がある。
・全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)認定パーソナルフィットネストレーナー
・BESJ認定マスターストレッチ®トレーナー
・アディダス ジム&ラン マスタートレーナー
取材・文=ホウヤケイナ 撮影=安田裕