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家の壁が映画館に、天井がプラネタリウムに!「モバイルプロジェクター」の
選び方とおすすめ最新8モデル

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さまざまな動画配信サービスが普及し、スマホでもコンテンツを手軽に楽しめるようになりました。映像を手の中で手軽に見るのもいいけれど、やはり大画面で迫力の映像を楽しみたい、でも賃貸マンションなど間取りが狭くて大きなテレビは置けない……そんなニーズに応えられそうなのが、自宅の壁や天井さえもスクリーンとして活用できる最新の「モバイルプロジェクター」です。寝室や書斎などの小スペースでも使えるだけでなく、キャンプなど屋外にも持ち出して楽しめるバッテリー内蔵型も。

今回は、オーディオやスマート家電に詳しいジャーナリストでライターの山本敦さんに話題のモバイルプロジェクターについて教えていただきました。

自宅の壁や天井がスクリーンになる手軽さが魅力

写真提供=Nextorage

これまでのプロジェクターは、ビジネスシーンで利用するものや高級家電のイメージが強く、なかなか家庭で楽しめるものではありませんでした。それが、ここ5年ほどでプロジェクターの概念は大きく進化したそう。山本さんに、モバイルプロジェクターが人気になった背景を伺いました。

「ひと昔前までは、会議で使うデータプロジェクターとホームシアター用のホームプロジェクターが主流でした。またプロジェクターを使うためには『スクリーン』とセットで使われていましたが、壁や天井などにも映し出せるプロジェクターが登場し、誰もが手軽に楽しめるようになりました。
また画質(解像度)の向上、光源としてのLEDの普及に伴う本体の小型・軽量化などプロジェクター自体の技術が急速に進化。さらにAndroid TVに代表されるOS・アプリの普及や配信サービスの多様化も相まって、モバイルプロジェクターの人気が広まったと言えるでしょう」(ジャーナリスト・山本敦さん、以下同)

小型・軽量化が進み、映像や音にこだわる人たちがホームシアターシステムで楽しむものから、一般家庭でも広く楽しめる家電に進化したプロジェクター。最近では、お部屋の中だけでなく、屋外でも利用されるようになったそうです。

屋内に加えアウトドアでの使用も人気に

写真提供=XGIMI

動画コンテンツを手軽に楽しめるモバイルプロジェクターですが、屋内外でどのような活用をされているのでしょうか?

「モバイルプロジェクターは設置が簡単なので、場所を選ばず使えるのが大きなメリットです。室内の移動だけでなく、旅行先や職場、友人宅でゲームや動画を楽しむ際に持っていくのもおすすめ。また動画だけでなく静止画も投影できるので、アートや時計などのデジタルインテリアとして楽しむのもいいですよね。
モバイルプロジェクターの多くは、コンセントに接続して使用します。スピーカー内蔵モデルが主流で、接続方法やデザインも多種多様になってきました。最近は、バッテリー内蔵のモバイルプロジェクターをキャンプなど屋外で活用する人も増えているようです。自分の生活スタイルにあったモバイルプロジェクターを選ぶのがいいでしょう」

選ぶ際のチェックポイントと注意点は?

さまざまな活用ができるモバイルプロジェクターですが、購入する際はいったいどこに注目すればいいのでしょうか? 価格や見た目のデザインだけで選び、理想の使い方ができなかった……ということがないよう、以下の5点を押さえておきましょう。

1.明るさと解像度

「明るさはルーメン、解像度はピクセルで判断します。数値が高いほど明るく、高解像度な映像を楽しめます。薄暗い室内で映像を楽しむなら、100ルーメン程度でもOK。キャンプなどで使う場合、十分に暗い屋外で使う場合は100ルーメン前後で大丈夫ですが、明るい屋外ではもっと明るさが欲しいところです。
解像度は、10万円以下のモバイルプロジェクターを選ぶ場合はフルHD(1920×1080ピクセル)程度あるといいですが、VGA画質(640×480ピクセル)以下になると粗っぽさが目立ってくるので、購入前に明るさと解像度を確認してください」

2.接続方法

「せっかく買ったのに、YouTubeやNetflixが見られなかった……ということも。Android TVなどスマートOSが搭載されていれば、プロジェクター単体でアプリをインストールすれば手軽に映像を楽しめます。また、HDMI端子などの有線接続、Bluetooth・Wi-Fi接続などどのような接続方法が可能か、事前確認はマスト。スマホから映像を投影するだけ(ミラーリング)のモデルもあるため、自分の目的にあったモバイルプロジェクターを選ぶのが大切です」

3.角度調整・補正機能

「寝室や子供部屋などプロジェクターを置くスペースが少ない場所でも、角度調整や台形補正機能がついていると安心。メーカーの商品サイトでは、搭載されている機能がしっかり記載されているので、購入前に確認しておきましょう」

4.音響システム

「スピーカー内蔵モデルが主流ですが、Bluetoothオーディオや有線イヤホン・ヘッドホンが接続できるかも確認しておきましょう。また自宅のスピーカーと有線、または無線で接続できるかもチェックしておくのがおすすめです」

5.店頭で見比べる

「通販サイトですぐに購入できる時代ですが、長く使うためにも可能な限りプロジェクターの映像を視聴してから購入してほしいですね。テレビやモニターと同じように人によって好みの画質はあるので、実店舗で見比べてみるのが良いでしょう」

おすすめの最新「モバイルプロジェクター」8選

ここからは、山本さんに厳選いただいた8つのモバイルプロジェクターを紹介します。

1.デザイン性が高くインテリアに溶け込む「Aladdin Vase」

Aladdin X「Aladdin Vase」
6万9800円(税込)

「花瓶のようなデザインで、一見プロジェクターと感じさせませんよね。見た目だけでなく機能も充実しており、最大100インチと大画面での映像を楽しめます。別売りのアダプター『Aladdin Connector』を使用することで家庭用ゲーム機やPC、Fire TV Stickとも接続でき、使いやすさも魅力ですね」

プロジェクターとしてだけでなく、“デジタルインテリア”にも。壁時計、ヒーリングライト、美風景など、数十種類のアプリを標準搭載しており、部屋にアクセントを生み出します。

・バッテリー:なし(USB-C接続)
・明るさ:200ANSIルーメン
・解像度:1280×720ピクセル
・重さ:約650g
・搭載OS:Android 9.0(Aladdin独自のアプリを搭載)
・スピーカー:内蔵
・外部出力:USB-C(電源)/別売りの「Aladdin Connector」使用で動画配信サービスの利用が可能
・ピント調整:自動
・台形補正機能:あり(垂直・水平±30°)

2.270度treVolo スピーカー付で、天井シアターも楽しめる「GV11」

BenQ「GV11」
4万9800円(税込)

「コロンとした丸いフォルムが特徴的なGV11は、本体をくるっと回して天井にも映像を投影できます。低音が美しい270度方向のサウンドシステムにより、大迫力な映像と音を楽しめるのがポイント。またAndroid TVが内蔵されているのと、HDMI端子からお手持ちのFire TV Stickを接続できるため、1台でさまざまな動画配信サービスを楽しめます。持ち運びに便利なキャリングケース付きなので、旅行先にも気軽に持っていくことができるでしょう」

タイヤを回すように本体を回転させられるので、上方向にもレンズを簡単に向けられ、天井に映像を投影できます。

・バッテリー:内蔵(動画は約2.4時間)
・明るさ:200ルーメン
・解像度:854×480ピクセル
・重さ:約970g
・搭載OS:Android TV(※Netflixのアプリはインストールできません。)
・スピーカー:内蔵
・外部出力:HDMI/USB-A/イヤホンジャック/電源(充電)
・ピント調整:手動
・台形補正機能:あり

3.バッテリー内蔵で屋外でも利用可能な「Nebula Capsule II」

Nebula by Anker「Capsule II」
6万9900円(税込)

「今、一番人気のモバイルプロジェクターと言ってもいいほど幅広い世代に支持されているモデルです。Wi-FiにつなぐだけでYouTubeなどを視聴できるAndroid TVを搭載したモバイルプロジェクターの代名詞的モデルで、これ1台でさまざまなコンテンツを楽しめます。バッテリーが内蔵されているので、動画であれば約2.5時間(Wi-Fi利用時)、音楽であれば約10時間の連続再生が可能。キャンプなどアウトドアでの利用にもおすすめです」

・バッテリー:内蔵(動画は約2.5時間)
・明るさ:200ANSIルーメン
・解像度:1280×720ピクセル
・重さ:約740g
・搭載OS:Android TV(Netflix閲覧には専用アプリが必要)
・スピーカー:あり
・外部出力:HDMI/USB-A/イヤホンジャック/USB-C(電源)
・ピント調整:自動
・台形補正機能:あり(垂直のみ)

4.画質にこだわりたい人にぴったりな「MoGo 2」

XGIMI「MoGo 2」
5万9800円(税込)

「MoGo 2のメーカーXGIMI(エクスジミー)は、毎年のように新製品を販売しており、最新技術が詰まったモバイルプロジェクターを使いたい方におすすめです。最新モデルのMoGo 2は、画質が安定しているので、屋内でも屋外でも、場所を問わず美しい映像を楽しめます。ピント調整や自動台形補正に加え、部屋のポスターや植物などを自動で回避する機能もあり、スマートなプロジェクターライフを堪能できるでしょう」

スピーカーを内蔵し、障害物を自動検知するなど、最新の機能を装備。モバイルバッテリーは必要だが、屋外でも手軽に使える。

・バッテリー:なし(有線接続もしくは65W以上のモバイルバッテリー対応)
・明るさ:400ルーメン
・解像度:1280×720ピクセル
・重さ:約1.1kg
・搭載OS:Android TV
・スピーカー:内蔵
・外部出力:HDMI/USB-A/イヤホンジャック/USB-C(電源)
・ピント調整:自動
・台形補正機能:あり(垂直・水平±40°)

5.初めてのモバイルプロジェクターにおすすめ「Mi Smart Projector 2」

Xiaomi(シャオミ)「Mi Smart Projector 2」
8万9800円(税込)

「Android TVが搭載されており、Netflixも閲覧可能。これ1台でほとんどの配信動画サービスを楽しめます。価格も平均的で、初めてのモバイルプロジェクターにおすすめ。基本的には壁に映して使うものですが、歪み補正もついているので、どんな場所に置いても鮮明な映像を映し出してくれます」

こちらも台形補正機能を搭載。本体を真正面に設置できなくても最適な縦横比で投影できる。

・バッテリー:なし(有線接続)
・明るさ:500ルーメン
・解像度:1920×1080ピクセル
・重さ:約1.3kg
・搭載OS:Android TV
・スピーカー:内蔵
・外部出力:HDMI/USB-A/イヤホンジャック/電源
・ピント調整:自動
・台形補正機能:あり

6.カードサイズで持ち運びに優れた「NMP-NX1」

Nextorage「NMP-NX1(ブラック・シルバー)」
3万6800円(税込)

「重さが約155gと持ち運びに優れたコンパクトサイズのベッドルーム専用プロジェクター。スピーカーは内蔵されていませんが、外部スピーカーやイヤホンと接続すればOK。お手頃な価格でモバイルプロジェクターを始めたい人にもおすすめできます。PCやゲーム機など好きな端末とHDMIを繋ぐだけで壁や天井に映し出せるため、幅広い使い方が可能です」

ポータブルの外付けHDDのような見た目で、ガジェットにも違和感なく溶け込むコンパクトサイズ。

・バッテリー:なし(USB-C接続)
・明るさ:105ANSIルーメン
・解像度:854×480ピクセル
・重さ:約155g
・搭載OS:なし
・スピーカー:なし
・外部出力:HDMI/USB-A(電源供給用)/イヤホンジャック/USB-C(電源)
・ピント調整:あり
・台形補正機能:あり(垂直・水平±40°)

7.映画館のような映像を自宅で楽しみたいなら「N1」

JMGO「N1」
13万8160円(税込)

「3色レーザー光源を搭載。これにより明暗のコントラストが自然に表現され、映画館のような美しい映像を楽しめます。上下127度に首振りができるので、天井投影もラクラク。オートフォーカス、シームレス自動台形補正機能によって、好きな場所にパッと投影できます。Android TVも搭載されているため、長くいいものを使いたい本格志向の方にもおすすめです」

映画館にも採用されるという最新技術 3色(RGB)レーザーを搭載するうえ、800CVIAルーメンの高輝度を発揮。

・バッテリー:なし(有線)
・明るさ:800CVIAルーメン
・解像度:1920×1080ピクセル
・重さ:約2kg
・搭載OS:Android TV
・スピーカー:あり
・外部出力:HDMI/USB-A/イヤホンジャック/電源
・ピント調整:自動
・台形補正機能:あり(垂直・水平±45°)

8.ワンランク上の映像美と音響システムを堪能したいなら「EF-12」

エプソン「EF-12」
オープン価格(実勢価格13万7500円・税込)

メーカーは“モバイル”プロジェクターに位置付けていないものの、部屋のなかで好きな場所に置いて迫力の映像と音を楽しめる本格派。「画質が抜群に優れているのはエプソンでしょう。コントラスト比、映像のメリハリが美しく、壁に投影しているのにテレビをみているような鮮やかさを実感できます。ワンランク上のプロジェクターを楽しみたい方におすすめです。ヤマハ製の高性能スピーカーも搭載されているので、迫力ある映像と音響を堪能できます」

音響メーカー、ヤマハ製の2.0ch高音質スピーカーを搭載。立体的な音場をつくり出します。

・バッテリー:なし(有線)
・明るさ:1000ルーメン
・解像度:1920×1080ピクセル
・重さ:約2.1kg
・搭載OS:Android TV
・スピーカー:あり
・外部出力:HDMI(2カ所)/USB-A/USB-B/イヤホンジャック/電源
・ピント調整:自動
・台形補正機能:あり(垂直±34°、水平±40°)

話題のモバイルプロジェクターは、自分がどのようなシチュエーションで使いたいかに合わせて選ぶのがおすすめです。またテレビのように画質が好みに合うプロジェクターを選びましょう。口コミや価格だけでなく、機能や使用感も含めて、自分にぴったりなモバイルプロジェクターを見つけてください。

Profile

ジャーナリスト・ライター / 山本 敦

オーディオ・ビジュアル誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。ハイレゾに音楽配信、スマホなどポータブルオーディオの最先端を徹底探求。海外の展示会取材やメーカー開発者へのインタビューなども数多くこなす。 

取材・文=つるたちかこ