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簡単なのに絶品!「干し芋」を使ったアレンジレシピ

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保存食として昔から食べられてきた干し芋。栄養価が高く、自然な甘みが楽しめることから、最近では手軽に食べられるおやつとしてコンビニなどでも種類豊富に売られるように。災害への意識が高まる昨今は、非常食としても注目されています。

自宅で作る干し芋の基本レシピと簡単アレンジレシピを、サステナブル料理研究家のサカイ優佳子さんに教えていただきました。「おやつとして食べきれなかった干し芋をそのまま保存しておくのもいいですが、調理次第でおかずやおつまみにもなるんです」とサカイさん。この後編では、干し芋を使ったアレンジレシピを2品紹介いただきました。

ワインとの相性抜群!「干し芋のハーブ風味ソテー」

干し芋に材料を絡めて焼くだけの簡単アレンジレシピです。表面はカリッと、中は干し芋のねっとり感が楽しめます。

【材料(1~2人分)】

・干し芋(一口大にカットしたもの)……50g
・パン粉……大さじ1.5
・パルメザンチーズ……小さじ2
・イタリアンハーブ……少々
・植物油……適量

【作り方】

1.バットの中にパン粉、パルメザンチーズ、イタリアンハーブを入れて混ぜる。

2.1に干し芋を入れて絡ませる。

3.フライパンに油を敷き、火をつけて温める。

4.2をフライパンに入れ、両面がきつね色になるまで中火で焼く。

5.お皿に盛り付ける。お好みでイタリアンハーブを追加してもOK。

「干し芋の甘さとチーズの塩味とのバランスがちょうどよく、白ワインなどお酒との相性も抜群です。イタリアンハーブの代わりに、カレー粉を使って味を変えることもできます。簡単なので、おつまみにもおやつにもどうぞ」

箸が止まらない!「塩昆布とクリームチーズと干し芋の餃子」

調味料は塩昆布の塩味だけ。クリームチーズと干し芋の組み合わせが病みつきになるおいしさです。サカイさんのご家族も大好きだそう。

【材料(6個分)】

・干し芋(1~2cmにカットしたもの)……30g
・餃子の皮……6枚
・クリームチーズ……42g
・塩昆布……3g
・植物油……適量

【作り方】

1.餃子の皮に、干し芋、クリームチーズ、塩昆布を適量入れて包む。

2.フライパンに油を敷いて熱し、1を並べて中弱火で焼く。

「皮が生焼けでなくなるまで焼いてください。皮にパリッと焼き目がつけば頃合いです。通常の餃子と違い、しっかりと火を通さなければいけない具材は入れていないので、蒸す必要はありません。中身が温まればOKです」

3.完成。つけダレなしでいただく。

どちらも少ない材料であっという間に作れるので、干し芋が余った時にはぜひチャレンジしてみてください。

“干す加工”を取り入れて
食品ロスの削減につなげる

シーズンになるとたくさん出回るさつまいも。干し芋は、さつまいもを大量消費したい時にもおすすめだそう。

「例えば、知り合いからたくさんもらってしまった時、さつまいもをどう調理すればいいか悩む方も多いのではないでしょうか。ふかして食べるだけでは飽きてしまいますよね。さつまいもは保存のきく食べ物なので慌てて食べきる必要はありませんが、干し芋にして保存しておくことで、ちょっと小腹がすいた時にもさっと焼いて食べられます。おやつとして持ち歩くこともできるので重宝しますよ」

ひと手間加えて干し芋にしておくことで、食べきれずに腐らせてしまう“食品ロス”の削減にもつながるといいます。サカイさんが専門としている乾物も同様に、家庭内での食品ロス削減になるとか。

「乾物にするならおすすめは、エノキです。こちらも食べきれない分を、根っこの部分を切りおとし、手でほぐして天日干しにするだけ。約半年ほど日持ちします。容器に入れて常温保存できるので、手軽に使うことができますよ。ただし、食べる時はそのままだと食中毒になる可能性もありますので、味噌汁や鍋に入れて加熱調理してから食べてください」

冷蔵庫に入れずに常温で保存できる乾物は、災害時の非常食としても役立ちます。干し芋はもちろん、ほかの野菜でも“干して加工する”方法を取り入れて、おいしく長期保存し、無駄なく野菜を食べてみてはいかがでしょうか。

Profile

サステナブル料理研究家 / サカイ優佳子

世界各国を旅し、ホームステイ先で各地の家庭料理を学んだ体験をベースに、食の研究と発信を行っている。また、東日本大震災をきっかけに食品ロス削減、省エネ、もしもの時の備え、調理時間の時短にもなる乾物を普及するべく、活用法の研究をスタート。乾物をヨーグルトで戻す「乾物ヨーグルト」を開発。現在のライフスタイルに合わせた乾物料理レシピを著書やメディアなどで発表している。
HP

取材・文=清水由香利(Playce) 撮影=鈴木謙介