日本はいま、空前の台湾スイーツブーム。「台湾スイーツ」と聞いて、誰もが思い浮かべるのが「タピオカミルクティー」なのではないでしょうか? ほかにも、ふわふわの「マンゴーかき氷」を求める大行列も記憶に新しいはず。
これらはいずれも台湾の代表的なスイーツですが、ブームが加速するいま、日本でもさらにコアな台湾スイーツが楽しめます。その代表が「豆花(トウファ)」。一度は台湾を訪れたことのある人なら知っているであろうこのスイーツ、一体どんなものなのか、日本で食べられる注目のお店とともに紹介しましょう。
[目次]
1. 本場の味の再現にこだわった「東京豆花工房」
2. 豆花以外の台湾スイーツも充実した「浅草豆花大王」
本場の味の再現にこだわった「東京豆花工房」
2015年12月に東京・神田でオープンした「東京豆花工房」は、都内で最初にできた豆花専門店。台湾好きの間ではよく知られたお店で、週末には1日200杯ほどの豆花が売れるほどの人気店です。
豆花とは、豆乳をにがりなどで固め、その上に甘いシロップをかけて食べるもので、台湾では老若男女を問わず食べられている国民的スイーツ。筆者も何度か台湾を訪れたことがありますが、豆花のチェーン店があるのには驚きました。
東京豆花工房の店主・田邊与志久さんは、元はといえば会社員。退職し、独立してこのお店を始めたそう。台湾人の奥様とふたりで、台湾に住んでいた時期もある台湾通です。もともと豆花が好きだったのが高じて、台湾の知り合いが豆花店をたたむ際に作り方を教えてもらって、日本でお店をオープンしたのだと言います。
東京豆花工房をオープンするにあたり、目標となる味を決めようと台湾中の豆花を食べ歩いたのだとか。その結果、こちらのお店で提供する豆花は防腐剤や香料を一切使用せず、黒糖、三温糖、素焚糖をブレンドした優しい甘さのシロップを使っています。
豆花はプレーンで食べると豆花自体の“豆乳感”を楽しめますが、さらにスイーツらしく楽しむなら、トッピングが欠かせません。同店では常時8種類前後が用意されており、ピーナッツや小豆、白きくらげ、ハトムギ、白玉といった定番のものから、紫芋団子やさつまいもなどの旬のトッピングも選べます。
同店の一番人気は“全部載せ”で、せっかく来たからには全部食べてみたい! という好奇心を満たしてくれるのがうれしいですね。この日はピーナッツ、小豆、白きくらげ、はとむぎ、緑豆、紫米、フングエを全部載せ。フングエとは、さつまいものデンプンで作った台湾ゼリーで、プルプルした食感がクセになります。
豆花のシロップは冷やした状態だけでなく、温かくしたり、はたまたフローズンにしたりして食べることもできます。温かいスイーツは珍しいように思えますが、台湾の女性は身体を冷やさないよう心がけている人が多いので、現地では温かい豆花を好む人も多いのです。
ヘルシーなスイーツなので女性だけが好むのかと思いきや、意外にも男性客も多く訪れており、なかには二日酔いの日に豆花を食べるという人もいるそう。たしかにこれなら栄養をおいしく摂れるので、体調が悪い日にも抵抗なく食べられそうです。
東京豆花工房の店内には、台湾の一家に一台以上あると言われる万能炊飯器「大同電鍋」がディスプレイ。店内で提供されるトッピングは大同電鍋を使って調理しており、そのあたりも台湾と同じ。現地と同じ調理道具を使うからこそ、より台湾らしい味わいが再現できているのでしょう。
【Information】
東京豆花工房
住所:東京都千代田区神田須田町1-19
営業時間:11:30〜19:00
定休日:水曜
http://tokyomamehana.com/
上ではまず、豆花専門店としての草分け的名店を紹介しましたが、豆花に注力しながらもそのほかの台湾スイーツをバラエティ豊かにそろえている、知る人ぞ知るお店もあります。次のページでご紹介しましょう。