3. 生食に飽きたらサクサクに揚げて
「カツオの半生カツ」
カツオをさっと揚げて半生にしたカツを、すりごまをたっぷり入れたソースでいただきます。「付け合わせには、たっぷりのキャベツの千切りを添えましょう。キャベツに含まれるビタミンCは鉄の吸収力を上げてくれるだけでなく、カツオと食べ合わせると美肌効果が期待できます。ソースにした胡麻にはセサミンという成分が含まれ、肝臓の機能を高めたり、保護する働きがあります。また、ごまの抗酸化力は活性酸素を除去したり生活習慣病を予防する働きもあり、アルコール代謝促進による肝機能保護に役立ちます。肝機能を助けるタウリンの働きをサポートしてくれますよ」
【材料(2人分)】
カツオの刺身……300g
バッター液(卵……1/2個・水……大さじ1・小麦粉……大さじ2・塩……少々)
パン粉……適量
揚げ油……適量
すりごま……大さじ2
ソース……適量
【作り方】
1. バッター液の材料をすべてビニール袋に加えて、よく揉む。
「ビニール袋の中で作ると、洗い物も少なくて済みますし、使い終わったらこのまま捨てればいいだけで楽ですよ」
2. カツオを1に入れて、バッター液を馴染ませる。
「カツオがぬるくなってしまうと、揚げたときに中まで火が通ってしまうので、冷蔵庫から出したてのカツオで行い、手早くバッター液をつけましょう」
3. パン粉をつけ、190℃で1分揚げる。
「レアな状態でいただきたいので、衣が色づいたらすぐに引き上げます。油がしっかりと190℃になってから、さっと揚げます。低い温度で入れてしまうと、いつまでも揚げ色がつかず、待っているうちに火が通ってしまいます」
4. カツオを1cmの厚さに切り、すりごま入りソースを添える。
「衣が剥がれないよう、包丁の柄の方から刃を入れて引き切りし、底の部分は包丁を上からトンと叩いて切り離します」
サクサクなのにお刺身を食べているようなジューシーさがある半生のカツ。ゴマのソースをカツオと千切りキャベツにかけていただきます。
カツオはおいしいだけでなく、栄養を摂るためにもぜひ食べてほしい魚です。この旬の時期に試してみてください。
Profile
家庭料理研究家 / 前田量子
一般社団法人日本ロジカル調理協会代表理事。管理栄養士、調理科学を得意とした家庭料理研究家。東京理科大学卒業後、織田栄養士専門学校にて栄養学を、東京會舘、辻留料理塾、柳原料理教室、ル・コルドンブルーにて料理を学ぶ。保育園や病院での勤務、カフェ経営を経て、調理科学に基づいた料理を教える教室を開催。都内栄養士専門学校(栄養士養成施設)にて調理学実習講師もしている。著書に『誰でも1回で味が決まるロジカル調理』(主婦の友社)のほか、『いいことずくめ 考えないお弁当』『苦手な揚げ物も煮物も魚料理も得意料理に変わる ロジカル和食』(ともに主婦の友社)などがある。
『おうちで一流レストランの味になる ロジカル洋食』(主婦の友社)
計量とロジックでおいしい料理が作れるヒントが満載です。
取材・文=吉川愛歩 撮影=安藤佐也加 編集協力=Neem Tree