りんごの模様が上品な冷たいデザート「シャリシャリりんごのテリーヌ」
市販のアイスティーを使ったフルーツテリーヌは、りんごをたっぷり使ったスイーツ。旬のりんごのおいしさと、甘いゼリーの隠し味に使ったのは、カルダモンのパウダーです。
「カルダモンはスイーツにも肉料理にも使うスパイス。フルーツと、添えた生ハム両方に合うので、ぐっと品のよい味に仕上がります」
【材料(パウンド型1本分)】
アイスティー(砂糖入り)……300ml
粉ゼラチン……10g
りんご……1個
カルダモンパウダー……小さじ1/2
生ハム……2枚
黒こしょう……適量
【作り方】
1.アイスティーを温め、粉ゼラチンとカルダモンパウダーを入れる。
アイスティーをしっかり温めたら、粉ゼラチンを溶かしていきます。「ふつふつする程度になったら、粉ゼラチンを入れて、ダマにならないようによく混ぜます。よく溶けたら、カルダモンパウダーを入れましょう」
2.りんごをスライスして、パウンド型に並べる。
りんごは、皮を剥いて4等分にし、芯を取ったら2mm幅くらいの薄さに切ります。「後々並べやすいように、切ったらバラバラにせず、そのままの状態にして置いておきましょう」
このように少しずつ広げて型に入れていきます。
並べ方のコツは、なるべく型に立てかけるようにして空洞を作ること。互い違いになるように2層目を置いていきます。「その空洞の部分にゼリーを流し込むので、あまりびっちりとさせないことが大切です。底の部分やりんごを積み重ねるあたりにもゼリーを流し入れたいので、斜めに入れていきます」
3.1のゼリー液を流し入れて、冷蔵庫で2時間以上冷やす。
急いでいるときは、冷凍庫に30分ほど入れてから冷蔵庫に移したり、氷水と塩を入れたバットに入れて周りを急速に冷やしたりすると、早く固まります。「ゼラチンは20度以下で固まるので、温かい場所に出しておくとまた溶けていってしまうものです。暖房の効いた部屋に放置していると溶けてしまうので、気をつけてくださいね」
4.固まったら切り分けて生ハムを飾り、黒こしょうをかける。
ゼリーがしっかり固まったのが確認できたら、包丁でカットしましょう。「このときもフルーツサンドと同様に、あまり包丁を動かしすぎず、長い刃を利用して奥に押しながら一気に切ります」
生ハムはくるくると巻いて添えると、お花の形みたいでよりかわいらしく盛り付けることができます。
完成
斜めに立てかけたりんごが美しく仕上がりました。生ハムのしょっぱさで、テリーヌの甘さが一層引き立ちます。「パウンド型からテリーヌを取り外すとき、もしもうまく剥がれそうにない場合は、底の部分だけちょっと温かいお湯に5秒ほど浸けてみてください。横にはナイフを入れると、スムーズに取り外すことができますよ」
家でもこんなにかわいいスイーツが作れたら、気持ちも満足できそうですよね。季節に合わせて旬のフルーツでアレンジすると、また新しいおいしさに出会えます。
Profile
イートデザイナー / 西村隆ノ介
1989年熊本県出身。にしむー食堂主宰。広告制作会社にデザイナーとして勤めたのち、フリーランスとして、食にデザインとアートを掛け合わせた活動を始める。現在は東京渋谷・恵比寿にある6curryなどでフルーツサンドを提供している他、ケータリングやイベント主催、ファッション誌『GINZA』 の公式ウェブサイトではレシピつきエッセイの連載もしている。
取材・文=吉川愛歩 撮影=安藤佐也加 編集協力=Neem Tree