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小麦粉高騰時代の救世主!?「米粉」のもちもち食感を活かした
3種のグルテンフリーレシピ

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おもてなしや週末のご褒美にぴったり!
「もちっと米粉ニョッキのトマトソースがけ」

じゃがいもと米粉を合わせて作るニョッキは、もちもちですが歯切れがよく、おもてなしや特別な日のメニューにもぴったり。ゆっくりできる週末のランチにもおすすめしたいレシピです。

「ニョッキは茹でる前の状態でも、茹でてからでも冷凍できます。こちらも一ヶ月を目安に消費してください。市販のパスタソースを使えばより手軽ですし、ホワイトソースやオイルベースなど、お好みのソースで食べてみてくださいね。じゃがいもをかぼちゃやさつまいもに変えると、色がついてかわいいニョッキになりますよ」

【材料(2人分)】

・じゃがいも……2個
・たまご……1個
・米粉……100g
・市販のトマトソース……300g
・粉チーズ……適量
・生バジル……適宜
*打ち粉用片米粉……適量

【作り方】

1. じゃがいもは皮をむいて茹で、水分を飛ばして粉ふき芋の状態にしてから、マッシャーで潰す。

「熱いうちにできるだけ形が残らないように潰しておくと、なめらかで食感のよいニョッキに仕上がります」

2. 溶きたまごを入れてゴムべらでよく練る。

「じゃがいもにしっかりたまごがなじみ、生地全体が黄色くなるまで混ぜます」

3. 米粉を入れて混ぜ、粉気が少なくなってきたら手でこねる。

「生地がなめらかにまとまるまで、しっかりこねましょう。硬さの目安は耳たぶくらいです」

4. 生地を親指の太さくらいに伸ばし、打ち粉をしながら包丁で2cmの長さに切って丸める。

「打ち粉をしすぎると、生地がぽろぽろしてきてきしまうのと、硬くなってしまうので、台にくっつかない程度にふりましょう」

5. 丸めたニョッキにフォークを当て、模様をつける。

「模様はなくても構いませんが、あった方がソースも絡みやすく、見た目もかわいいですよね。ぜひやってみてください」

6. たっぷりのお湯でニョッキを茹でる。浮いてきたらさらに1分程茹でてから、ざるにあげる。

「あとはニョッキを器に盛りつけ、温めたトマトソースをかけたらできあがりです。粉チーズをかけてバジルをのせていただきましょう」

ホワイトソースの“ダマになる”問題は米粉で解決!
「高野豆腐ときのこの米粉グラタン」

バターと小麦粉を練って作るホワイトソースも、溶けやすい米粉を牛乳に溶かしておく方法で作るとダマになりにくく、簡単です。

「高野豆腐や野菜をたっぷり入れた、栄養価も高いグラタンにしました。高野豆腐が入ると、食べ応えが出て満腹感も得られるのでおすすめです。お好みの具で作ることもできますし、牛乳を豆乳に替えてもOKです。粉チーズの代わりにマヨネーズにしてもおいしいですよ」

【材料(2人分)】

・高野豆腐……2個
・玉ねぎ……1/4個
・しめじ……1/2袋
・エリンギ……小1本
・ハム……1枚
・サラダ油……大さじ1/2
・牛乳……250ml
・米粉……大さじ2
・鶏がらスープの素……小さじ1
・塩、こしょう……各少々
・パン粉……適量
・粉チーズ……適量
・パセリ(みじん切り)……適宜

【下準備】

高野豆腐は1個半を水に浸して戻したら、水気を絞って約1cm角切りにする。残りはすりおろしておく。

【作り方】

1. 玉ねぎは薄切り、しめじとエリンギは粗みじん切り、ハムは細切りにして油で炒める。

「あとでオーブンに入れますが、時間が短いので、ここでしっかり火を通しておきましょう」

2. 牛乳に米粉と鶏がらスープの素を入れて混ぜ、1に加えて混ぜる。

「ここで牛乳にしっかり米粉を溶かしておくのが、ダマにならずじょうずにホワイトソースを作るポイントです」

3. 戻した高野豆腐を加えて中火でとろみがつくまで混ぜる。

「しっかりと高野豆腐にもソースが絡み、とろんとするまで混ぜながら加熱します」

4. 塩・こしょうで味を調えてグラタン皿に盛り付ける。

「グラタン皿に盛り付けるときには、平らにならして入れましょう」

5. すりおろした高野豆腐と粉チーズ、パン粉をふって250度のオーブンで約2分、アルミホイルをかぶせて約5分焼く。

「焼きあがったら、仕上げにパセリをちらします。ホワイトソースには焼き色がつきませんが、パン粉が香ばしい色になったらできあがりです」

米粉は国産のものが多く、米粉用の米作りを研究し続けている米農家もたくさんあります。一方で、日本は米の自給率が100%にもかかわらず、消費量が年々減少し続けています。農林水産省によると、米1人当たりの年間消費量はピーク時の1962年度に118kgあったものが、2020年度には半分以下の50.8kgにまで減少しています。また、家庭における年間支出金額においても、2014年以降はパンの支出額の方が上回っているとか。 お米は日本の食文化の代表格です。その食文化を継承していくという意識で、ぜひ料理に米粉を取り入れてみてはいかがでしょうか?

Profile

料理研究家・栄養士 / 今別府靖子(いまべっぷやすこ)

健康と美味しいを基本としたレシピ開発から撮影、コーディネートまで行う。各メディアを始め料理教室やイベントなどでも広く活動。米粉に関しては、娘の小麦アレルギーをきっかけに1999年頃からレシピ開発を始める。震災後の宮城県南三陸町、福島県相馬市への米粉シチューなど炊き出し、学校給食関係者や一般向者向けの料理講習会、米粉食品コンテストの審査員を努めるなど各地で講演やイベント、料理講習会を通して米粉普及活動を行っている。また、米粉のレシピ本と電子書籍も出版している。農水省主体の東京米粉普及推進連絡会(とうきょう米粉ネットワーク)・栃木県米粉食品普及推進協議会に所属。
http://www.foods.thinknext.co.jp

取材・文=吉川愛歩 撮影=安藤佐也加 編集協力=Neem Tree