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ワインがもつストーリーに思いを重ねて選ぶあの人に贈るワインセレクション

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「そうだ、あの人にワインをプレゼントしよう!」そう思い立った時、あなたは何をポイントにワインを選びますか?

まず思いつくのは、贈る相手の「味の好み」から。赤ワインか白ワインか、スパークリングワインか? 辛口派か甘口派か? でもそれだけでは、どの銘柄を選んだらいいか、迷ってしまいます。となると、有名銘柄が無難かな? なんてブランド名に頼ってしまいたくなるものですが、それでは少々オリジナリティに欠けてしまいます。

また、誕生日や記念日だとしたら、その年に造られたヴィンテージワインを選ぶのも素敵ですが、毎年必ずしも良作ヴィンテージとは限らず、年数を重ねるほどに値段が上がってしまうことも。

ワインは農作物からつくられるもの。同じ畑のワインでも毎年の出来は気候条件に左右され、それが人の手によって醸され瓶に詰められるまでのストーリーは、多種多様です。では、そんなそれぞれに込められたストーリーに、贈るあなたの思いが重なるワインをプレゼントする、という選び方はどうでしょうか?

テーマに合わせたストーリーとともに、いくつかのワインをご紹介しましょう。

 

ワイナリーの歴史に思いを重ねる

贈り物ワインの定番といえばシャンパン。でも定番だからこそ、選ぶとなるとよく知られた銘柄に偏ってしまい、パーティーへ持ち込んだらほかの出席者とカブってしまった、というような経験はありませんか? ひと口に「シャンパン」と言っても、よく知られた大手有名銘柄がある一方で、ブドウの栽培から醸造、瓶詰めまでを自社が一貫して行う、いわゆる造り手の顔が見える“RMシャンパン”(RM=レコルタン・マニピュラン)というカテゴリーが存在します。このRMシャンパンワイナリーは代々同族で継承しているところも多く、その長い歴史の背景には、プレゼントしたい相手のシチュエーションに合うストーリーがあるかもしれません。

結婚のお祝いに……

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Henry de Vaugency Champagne Cuvée des Amoureux Blanc de Blancs Grand Cru (アンリ・ド・ヴォージャンシー・シャンパーニュ・キュヴェ・デ・ザムルー ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ)
/輸入元:ヌーヴェル・セレクション

アンリ・ド・ヴォージャンシーは創業1732年、現在8代目のパスカルさんが運営しています。この長い歴史を持つワイナリーには、1820年から1920年当時の結婚をテーマとした博物館が併設されており、記念のジュエリー、家具、調度品、衣装、風習や儀式にまつわる資料が多数展示されています。世にテーマ・パークやテーマ・レストランは数あれど、”テーマ・シャンパンワイナリー”は世界でここだけ。

看板商品である「キュヴェ・デ・ザムルー ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ」は、その名にあるキュヴェ・デ・ザムルー=“愛し合うカップル”のためのシャンパン。ラベルもハート型で、2羽の鳩が仲睦まじく寄り添う絵柄がデザインされています。フランス国内でも、結婚式の引き出物として人気だといいます。

 

成人を迎えた息子や娘へ……

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Françoise Bedel Champagne Entre Ciel et Terre(フランソワーズ・ベデル・シャンパーニュ・アントル・シエル・エ・テール)
/輸入元:ヌーヴェル・セレクション

月の満ち欠けや天体の動きを、ブドウの栽培やワインの醸造過程に取り入れる“ビオディナミ農法”を実践するフランソワーズ・ベデル。シャンパーニュ地方ではそのパイオニア的存在です。

もともとビオディナミを取り入れたきっかけは、息子ヴァンサンの病気でした。現代的な薬はまったく効かず悩み続けた末、最後に出会ったホメオパシー(同毒療法)によって完治。「世界の見方が変わりました。それで、ブドウにも同じことがいえるのではないかと考えるようになり、やがてビオディナミに出会いました」と語ります。今では健康を取り戻したヴァンサンが中心となって、ワイナリーを運営しています。我が子への愛情によって生まれた味わいを、立派に成長した息子へ。

 

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Dauby Champagne Brut Rosé(ドビ・シャンパーニュ・ブリュット・ロゼ)
/輸入元:ヌーヴェル・セレクション

シャンパーニュ地方の中でもひときわ景観が美しく、2015年には世界遺産に登録されたアイ村に3代続くワイナリー、ドビ。現当主のフロール・ドビーさんは、2007年に母フランシーヌさんからワイナリーを引き継ぎ、銘醸産地であるアイ村では珍しい女性当主となりました。

家族経営で次の世代が後を継ぐフランスのワイナリーの名前には、ほとんどがワイナリー名の後に「〇〇 Père et Fils=父と息子」と記載されますが、このドビは「Dauby Mère et Filles=母と娘のワイナリー、ドビ」とラベルにも記載が。女性醸造家らしく柔らかで上品でありながら、どこか情熱的な味わいを連想させるかのように、ラベルにあしらわれているのは真っ赤なコクリコの花。コクリコのように凛とした生き方を母から娘へ、このシャンパーニュに願いを込めて。

 

ラベルストーリーに想いを重ねる

ワインの誕生にまつわるストーリーが、ラベルデザインにそのまま反映されることも少なくありません。単にデザイン性が高いだけでなく、そのデザインがあなたの思いも表現してくれるものであったなら、よりオリジナリティに溢れる贈り物になることは間違いないでしょう。

感謝・信頼・友情の証に……

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Domaine De La Garance Cuvee Kaze Rouge(ドメーヌ・ド・ラ・ガランス キュヴェ・風・ルージュ)
/輸入元:ディオニー

南フランス・ラングドック地方産にも関わらず、ラベルは日本語の「風」という文字。2008年初夏、南フランスでは極端に風が少なく、造り手であるキノネロさんは、ブドウが病気にかかるのではと頭を痛めていました。そんな彼のもとを訪れた日本のインポーターが手土産に持参していたのが偶然にも、「風」と書道家によって書かれた掛け軸。するとなんと、待ち望んだ「風」が吹きはじめたのだそう!

この書の造形の美しさに感動した上、日本から「風」がやってきたことで、次の年から日本向けの限定ワインを造ることを決意します。ラベルのデザインはその書をそのまま使用し、その名も「KAZE」と名付けました。「日本への敬意を表したいという気持ちが、このワインを誕生させました」というこのワインは、造り手とインポーターの信頼関係から誕生した友好の証なのです。

 

次のページでは、実際に訪ねてみたくなる日本のワイナリーをご紹介します。