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ライブ型でもてなす、食を楽しむ!BALMUDA The Plate Proに始まる、
“見せるホットプレート”の最新事情

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インテリアとして出しっぱなしにできるような、見栄えの良いホットプレートは今では当たり前。そこへ、高級トースターで家電業界を席巻したバルミューダから新たな価値を提案するホットプレートが発売され、話題になりつつあります。今回はこの「BALMUDA The Plate Pro」を起点として、さまざまな“見せるホットプレート”をピックアップ。家電ライターの田中真紀子さんに解説していただきたました。

「ホットプレート」のターニングポイント

「きっかけは、2014年にBRUNOが『コンパクトホットプレート』を発売したことです。当時、ホットプレートと言えば、とにかく大きく、見た目もそれほどおしゃれではない家電。棚の奥底にしまわれて、下手をすると年に1度使うか使わないか……そんなアイテムでした。ところがBRUNOはコンパクトかつおしゃれ。キッチンに置いておいてもそれこそ絵になるデザインだったため、人気に火がついたんですね。
キッチンのちょっとしたスペースにそのまま収納できるため、使いたいときにさっと取り出せる。結果として、使用頻度が高くなり、ホットプレートがより身近な存在になりました。そこから、デザインを重視した数々のホットプレートが生み出されるようになっていきました」(家電ライター・田中真紀子さん、以下同)

世相を反映する
ホットプレートの使用シーン

食卓の変化とともにホットプレートの役割にも変化が起きた、と田中さんは話します。ではどのように変化していったのでしょうか?

ホームパーティーが流行った2010年代半ば
「BRUNOが『コンパクトホットプレート』発売した当時は、ホットプレートでアヒージョを作るなど、ホームパーティー特集が多くのメディアで取り上げられていました。お友達や親戚を招いてホットプレートを囲んでおもてなしをすることが流行としてありましたね」

ステイホームを楽しむ工夫をしたコロナ禍
「その後、ホットプレートの人気は少し落ち着きを見せました。ところが2020年の新型コロナウイルスの流行によって、ステイホームを余儀なくされるようになると、おうち時間を充実させるために、家族で一緒に料理を作れるホットプレートの人気が再び高まりました」

■ 家族との時間を大切にするようになった現在
「コロナ禍が落ち着き、日常生活が取り戻されつつある中で、以前よりも『家族との時間を大切にしたい』という意識が高まりを見せています。家族との食事を楽しむためのツールとして、ホットプレートは位置付けられてきていると感じますね。
今では、出しっぱなしにしてすぐに使える見栄えの良いホットプレートがすっかり定着しました。また、ホットプレートの楽しみ方もさまざまに広がり、商品にも個性が生まれています。その一角をなす存在として、『BALMUDA The Plate Pro』があります」

ここが新しい!
『BALMUDA The Plate Pro』の独自性

「『BALMUDA The Plate Pro』のコンセプトは、”調理をエンターテイメントとして楽しむ”こと。新型コロナウイルス流行の際、外食ができなくなったことで、バルミューダの寺尾玄社長は自宅で、家族のためにお寿司を握ったそうです。キッチンカウンターに立ってお寿司を握ってみたところ、家で振る舞うことの楽しさを実感したのだとか。この経験により、調理をエンターテイメントとして楽しむホットプレートというコンセプトができたのだとお聞きしました」

1.調理を見て楽しむライブ感

「プロのおもてなしを体感できるようなホットプレートです。そのスタイリッシュなデザインも含めて、本格的な料理を味わえる期待感が膨らみます。プレートの表面はステンレス仕様で、ホテルの鉄板焼きのように、プレートの上で包丁を使ってステーキを切ることができます。シェフに振る舞ってもらえるようなライブ感を演出できるので、人をあえて招きたくなります」

おいしく、かつ見て楽しめる新たな価値を付加した。

2.厚みのある本格的なプレート

「一般的なプレートの厚みが約3mmのところ、こちらのプレートは6.6mmと家庭用のホットプレートでは例を見ない厚さです。最大温度220度になるまで約13分かかり、温まるのに時間を要しますが、蓄熱性が高いため、冷たい食材を乗せてもプレートが冷めにくく安定した温度を保つことができるため、食材の味の良さを引き立ててくれます。時間をかけるだけの価値がありますし、慣れてしまえば早めにスイッチを入れて、ほかの料理の準備をしている間にプレートが温まっています。
家庭用としては、プレートが重すぎても厚すぎても使い勝手が悪くなってしまうため、プロの焼き上がりを目指しつつ、家庭で使える最適なプレートの厚さとして、6.6mmとなりました」

ステンレスとアルミニウムの3層構造により実現した高い蓄熱性能をもつ。

3.プレートの隅でもしっかりとした熱量を実現

「従来のプレートでは熱源のある中央だけが温まり、隅の方には熱量が行き渡らずに食材がなかなか焼けないことが難点でした。しかし、こちらのプレートは、表面は蓄熱性のあるステンレス、中心には熱伝導性に優れたアルミニウムを使用することで、隅にある食材もしっかりと温めることができるのも特徴です。どこに食材を置いてもおいしく焼けますよ」

左が一般的なホットプレートのサーモカメラ画像、右が「BALMUDA The Plate Pro」のもの。高い蓄熱性能により隅々まで熱量が行き渡らせることができる仕組み。(※画像提供=バルミューダ)

4.温度の揺らぎを最小限に抑えた正確なプログラミング

「温まり過ぎて温度を下げたり、下がりすぎてまた上げたりということはホットプレートを使う際にはよくありますよね。『BALMUDA The Plate Pro』は設定したい温度を一定に保ってくれます。温度の揺らぎがあると、お肉が煮えたようになりおいしく焼けないのですが、一定の温度でしっかりと焼けるため、ステーキは外側がカリッと、中はほどよく熱が通っておいしく仕上がります」

正確なプログラミングによって、安定した熱量の供給が可能に。(※画像提供=バルミューダ)

5.ダイナミックに包丁で切れて金タワシでも洗えるタフさ

「プレートは金属ヘラを使ったり、包丁で食材をそのままカットできたりすることもありがたいですね。細かなことは気にせずにダイナミックな調理ができるのは、一般的なテフロン加工のホットプレートではできない楽しみ方です。焦げ付きも油のこびり付きも、気兼ねなく金タワシでガシガシと洗うことができます」

金タワシで気兼ねなく水洗いできる。

プロの味を自宅で味わう!
『BALMUDA The Plate Pro』で作るおすすめ料理

実際に調理するとなったら、どんな料理がおすすめでしょうか? 定番からデザートまで紹介していただきました。

・本格的な鉄板ステーキ
「鉄板の温度にムラがあると加熱しすぎてしまっておいしく焼けないのですが、安定した温度で焼けるため、おいしく仕上がります。表面はしっかりと焼き目がついて、中はほどよいレアな仕上がり。私も何度か試しましたが、自宅でこんなにステーキがおいしく焼けたのは初めてかもしれません」

・旨みを凝縮させたグリル野菜
「グリル野菜も絶品です。付属の金属ヘラで野菜をプレートに押し付けるように焼くと、焼き目をつけながらもほどよく水分が抜けて旨味が凝縮した味わいに仕上がります。野菜は温度が低いと水分が先に外に出てしまっておいしく焼けないのですが、安定した高火力でいっきに焼くことによって旨味を引き出すことができます。とくにアスパラガスのおいしさは格別。ぜひお試しください」

・食感を味わうハンバーガー
「ひき肉をそのまま丸めてぎゅうぎゅう押しつけながら焼くことで、表面はカリッと、中はジューシーに仕上がります。焼き上がりにチーズをのせ、サイドで温めておいたバンズをサッと挟んでできあがり。私は安いステーキ用のお肉を用意して、それをフードプロセッサーで粗挽きにしています。適度にお肉の食感が残り、たまらないおいしさです」

・きれいな焼き色のクレープ
「安定して160℃設定にしてくれるため、自宅では難しいクレープの皮も、焦がすことなくきれいな焼き目をつけて焼くことができます。また、クレープは、サイドからヘラを差し込んで返しますが、フライパンですとフチが当たってしまうところ、『BALMUDA The Plate Pro』はフラットなため、ヘラの差し込みも自由自在です。温度管理の難しいホットケーキもおいしく焼けますよ」

バルミューダ『BALMUDA The Plate Pro』
4万2,900円(税込)

【Item Data】
・サイズ=
本体:573mm(幅)×334mm(奥行き)×88mm(高さ) ※電源コードの長さは含まない
プレート:380mm(幅)×245mm(奥行き)×25mm(高さ)
・本体重量=約5.2kg(プレートセット時)
・電源=100V 50/60Hz
・消費電力=1120W
・電源コードの長さ=約3m
・温度設定=160℃、180℃、200℃、220℃(4段階)
・パッケージ内容=本体、クラッドプレート、油受けトレー、ヘラ、取扱説明書(保証書付)
・カラー=ブラック

プロが選ぶ「見せるホットプレート」6選

さまざまな食卓を演出してくれる「見せるホットプレート」。続いて、最新のおすすめホットプレートをリストアップしていただきました。

1.無水調理ができることによって料理の幅を広げる

象印「デイリーコンパクトホットプレート EJ-DE30」
実勢価格2万2880円前後(税込)

フタの裏側についた厚みのあるリブ構造により、食材から出た水分を外に漏らすことなく料理に還元。食材の旨みを余すことなく味わうことができるのが特徴。また、ヒーターが、波型3往復で隅々まで熱源が通り、強火力。コンパクトでありながら、機能性も兼ね備えたホットプレートです。

無水調理で作るアクアパッツァ。食材のおいしさをぎゅっと凝縮した料理を作れる。

「コンパクトでテーブルにおいてもちょうど良い大きさとシンプルで飽きのこないデザインが人気です。フタは密閉構造にでき、出汁や水を使わずに食材の水分のみで仕上げる無水調理もできます。先日、肉じゃがを試食しましたが、一般的な鍋で作るような料理もほったらかしたまま仕上がるので、とにかく楽でした」

【Item Data】
・サイズ=
深なべ使用時:355mm(幅)×260mm(奥行き)×175mm(高さ)
平面プレート、たこ焼きプレート使用時:340mm(幅)×255mm(奥行き)×150mm(高さ)
3枚重ね時:355mm(幅)×260mm(奥行き)×205mm(高さ)
・プレート内寸法=
深なべ:285mm(幅)×190mm(奥行き)×55mm(深さ)
平面プレート:285mm(幅)×190mm(奥行き)×28mm(深さ)
たこ焼きプレート:285mm(幅)×190mm(奥行き)×8mm(深さ)
・本体重量=約6.0kg
・電源=100V  50/60Hz
・消費電力=1100W
・電源コードの長さ=2.5m

2.美しい食卓を演出! 映える韓国式プレート

レコルト「卓上IHクッキンググリドル」
1万9800円(税込)

韓国発祥のグリドルは中心に向かってなだらかにくぼみがあるプレートが特徴です。白くお皿のような形状は食卓においても華やかで、ホームパーティーにもおすすめ。プレートはフッ素加工が施されており、焦げ付きにくいのでさっと洗い流すだけでお手入れも簡単です。

グリドルプレートの下にはツメを設け、IH台からずり落ちない工夫がされている。

「フチが少し上がっている皿形をしているので、グツグツと煮込む料理も作れます。操作パネルは出し入れが調整できるので、使わないときにはしまっておくことで、良い意味で家電っぽさを感じさせません。シンプルでスッキリとしたデザインが洗練したテーブルを演出します」

【Item Data】
・サイズ=
卓上IHヒーター:約260mm(幅)×260mm(奥行き)×55mm(高さ)
クッキンググリドルプレート:380mm(幅)×330mm(奥行き)×42mm(高さ)
・本体重量=卓上IHヒーター:約1.8kg、クッキンググリドルプレート:約1.0kg
・電源=AC100V  50/60Hz
・消費電力=1200W
・カラー=
卓上IHヒーター:クリームホワイト、グレー
クッキンググリドルプレート:ホワイト

3.スマートなデザインが人気のabien MAGIC GRILLにホワイトが登場!

abien「abien MAGIC GRILL」
2万3980円(税込)

独自開発のフィルム状のヒーターにより、極薄プレートとスタンド脚のスタイリッシュなデザインを可能にした人気商品。プレートと一体化している高密度ヒーターで、食材をムラなく焼くことができます。お手入れしやすく、洗った後は水切りかごに立てて乾かすこともできます。

プレートは大きくても、立てて置いておけるため場所をとらない。

「シンプルでホットプレートには見えないデザインが人気のマジックグリル。ブラックもたいへん人気がありますが、今年の春にホワイトが登場し、選択の幅が広がりました。白はお皿のように使うことができ、一層美しく食卓を彩ることができそうです。見た目に劣らず火力もしっかりとあるので、使う頻度も高くなるのではないでしょうか」

【Item Data】
・本体サイズ=約405mm(幅)×305mm(奥行き)×79mm(高さ)
・電源=100V  50/60Hz
・消費電力=約850W
・電源コードの長さ=約1.8m
・パッケージ内容=プレート、スタンド脚2種、取扱説明書(保証書付)、電源コード
・カラー=ブラック、ホワイト

4.部屋に広がる煙や食卓の油ハネを抑える吸煙タイプ

YAMAZEN「煙の少ない焼き肉グリル XGRILL PREMIUM YGMC-FXT130」
実勢価格1万7000円前後(税込)

内蔵のファンがプレートの上部に空気の流れを作るため、煙を部屋に広げにくい仕組みになっており、食卓の油ハネも大幅に減らすことができます。焼き肉後のニオイも軽減します。また、プレートの裏面は立体的な“X”、焼き面は曲線を描くダイヤモンド形状になっているため、油が落ちやすいのもうれしいポイントです。

煙が少なく油の飛び散りも少ないため、気兼ねなく焼肉を楽しめる。

「焼肉をしたいけれど、その後のお部屋のニオイが気になる方や、ベランダやお庭でBBQを楽しみたいけれど、近隣への影響を懸念される方には本当におすすめの商品です。徹底的に油を落とす構造と煙自体が発生しにくいのは頼もしいですね」

【Item Data】
・本体サイズ=約515mm(幅)×約290mm(奥行き)×約145mm(高さ)
・本体重量=約4.9kg
・電源=100V  50/60Hz
・消費電力=1300W
・電源コードの長さ=約1.9m
・パッケージ内容=本体、焼き肉プレート、たこ焼きプレート、電源コード

5.サイドメニューやおひとり様にぴったりのコンパクトサイズ

ELECOM「LiFERE IH卓上調理なべHOT DISH cocotte HAC-IH01CWH」
実勢価格1万7000円前後(税込)

コンパクトなIH卓上なべは、同メーカーのHOT DISH(型番:HAC-IH01DWH)に付属している焼きプレートや、別売の焼きプレート(型番:HAC-IHD01WH)を載せることができ、鍋としてだけではなく、ミニホットプレートとしても使うことができます。鍋の縁は吹きこぼれを防ぐ仕組みとなっているので安心して卓上で料理を楽しめます。

付属の鍋のほか、IH対応の鍋なら市販のものを使える。

「一人鍋や、サイド料理としてチーズフォンデュやバーニャカウダなどをするのに最適なサイズ感です。IHのため火加減を気にしなくて良いのもありがたいですね。プレートへの互換性もあるので、寒い季節にちょっと温かいものをいただきたいときに重宝してくれるアイテムです」

【Item Data】
・サイズ=
本体=206mm(幅)×214mm(奥行き)×69mm(高さ)(ゴム足からトッププレート面)
なべ=直径187mm×高さ75mm
ガラスふた=直径168mm×高さ40mm(つまみ含む)
なべ固定リング=直径206mm×高さ57mm
・重量=本体:1.2kg  なべ:440g   ガラスふた:360g
・電源=100V  50/60Hz
・消費電力=800W
・電源コードの長さ=2m(マグネット脱着式)
・パッケージ内容=専用電源コード
・カラー=ホワイト

6.ナチュラルテイストのお部屋に飾っておきたくなるプレート

Toffy「オーバルグリルプレート」
2万2000円(税込)

台座にけやき材を使い、一見家電とは思えないたたずまいのグリルプレート。色は「ペールアクア」と「グレージュ」の2色展開で、流行のナチュラルテイストの部屋にしっくりと馴染みます。また、フタの裏面には突起があり、食材から出た蒸気を鍋の中に還元することで旨味を増してくれます。

蓋裏の突起により蒸気を旨みに変えて鍋の中に戻す。

「エレガントなデザインでテーブルが華やぐだけでなく、料理の仕上がりも期待できるヒーター一体プレートを搭載。ヒーターとプレートが別々のタイプに比べて熱効率が良く、熱ムラを抑えられます。プレートが深いので、焼き物はもちろん、煮物や蒸し物でも活躍。グリルプレートは焦げ付きにくく、水洗いできるのでお手入れも簡単です」

【Item Data】
・本体サイズ=約490mm(幅)×260mm(奥行き)×175mm(高さ)(ウッドベース、蓋使用時)
・本体重量=約3.5g(ウッドベース、蓋使用時)
・電源=AC100V 50-60Hz
・消費電力=1000W
・電源コードの長さ=約1.4m
・付属品=ウッドベース(けやき材)、蓋、温度調節プラグ、ユーザーズガイド(保証書含む)
・カラー=ペールアクア、グレージュ

ホットプレートに“見せる”ライブ感というもてなしの要素が加わることで、使い方はさらに広がるはず。ホームパーティなど人が集うシーンで、今後さらに活躍する機会が増えそうです。

Profile

家電ライター / 田中真紀子

白物家電、美容家電を中心に、雑誌、ウェブなどで執筆。家電製品の検証やレビュー記事では、主婦目線を大切にした感性に定評がある。家事やインテリア、生活雑貨など、暮らしにまつわる記事も手がける。近年は専門家としてコラム執筆やメディア出演も多数。
ブログ

取材・文=癸生川美絵(Neem Tree)