しばしば“夏日”の気候になる日が現れ、いよいよ夏が近づいているのを感じます。そんな日は、水分補給が欠かせません。では、体に負担をかけない飲み物とは? 実は、食べ物と同じく飲み物にも、“グルテンフリー”か否かの違いがあります。グルテンフリーライフ協会 代表理事のフォーブス弥生さんに解説していただきます。
【関連記事】家の中でも油断大敵! 知って備えたい「熱中症」のこと
ドリンクにも“グルテンフリー”ってあるの?
食材を原材料にした飲み物であれば、グルテンフリー、またグルテンを含む飲料に分けられます。
「例えば一般的なお茶類であれば、日本茶(緑茶、煎茶、抹茶、ほうじ茶、玄米茶、そば茶、杜仲茶など)、中国茶(ウーロン茶、プーアール茶など)、紅茶、ハーブティーなどは、すべて“グルテンフリー飲料”です。
そのほか、コーヒーやココア、スポーツ・健康飲料、炭酸飲料、乳酸菌飲料、果汁系飲料、野菜系飲料なども、基本的にはグルテンフリー飲料がほとんどです」(グルテンフリーライフ協会 代表理事・フォーブス弥生さん、以下同)
意外!? 身近な飲み物が要注意かも
ただし気をつけなくてはならないのが、麦茶や、大麦などを含んだブレンド茶。
「これらのお茶には、原材料に大麦が使われています。大麦のたんぱく質は、グルテリンとホルデイン。厳密には小麦のたんぱく質であるグルテニンとグリアジンから成る『グルテン』とは異なりますが、非常によく似た分子構造をしているため、グルテンの疾患がある人は避けている人が多いのです。
最近では、巣ごもり消費やインターネットでの口コミの広がりで『麦芽飲料』の一時出荷が追いつかなくなり、販売休止したことも。カルシウムや鉄分を手軽に摂取できる麦芽飲料ですが、原材料に使われている『麦芽』とは、大麦を発芽させた麦粒のことです。麦芽飲料には、麦芽豆乳、麦芽コーヒー、麦芽パウダー入りココアなどがあります。これらにも大麦が使われているため、グルテンの疾患のある人は気をつけた方がいいでしょう」
はと麦茶は“麦”じゃない!?
ちなみに、「はと麦」(英語名:Job’s Tears / Coix seed)については、“麦”と名前についていますが、実際は麦ではなく、中国南部やインドシナ半島などの南アジアを原産とするイネ科ジュズダマ属の植物です。見た目や味は大麦や小麦よりはトウモロコシに近く、もちもちとした食感でかみ応えがあるのが特徴です。
「ハトムギの殻を除いて乾燥したものは、生薬名「ヨクイニン」と呼ばれ、漢方薬として用いるほど。ハトムギはさまざまな豊富な栄養を含み、すぐれた利尿作用によるむくみの解消、シミやソバカスの改善、肌の保湿力を高めるなどの肌改善などの効果があります。また海外では、ハトムギはスーパーフードとしても注目されているグルテンフリー食材です。そのため、はと麦茶はグルテンフリー飲料に分類されます」
夏バテ防止! 甘酒はグルテンフリー
「スーパーやコンビニなど身近なお店でよく見かけるようになった甘酒ですが、甘酒もグルテンフリー飲料です。“飲む点滴”とも呼ばれている甘酒は、原材料にはお米が使われており、ブドウ糖やオリゴ糖をはじめ、ビタミンB 群、アミノ酸などの栄養素を含み、夏バテ予防にも注目されているドリンクです。また、酒粕ではなく米麹から作られた甘酒にはアルコールは含まれておらず、ソフトドリンクとして飲むほかに、スイーツや料理の材料にも活用できる食材です。
わが家でも甘酒は常備しており、無糖ヨーグルトに少し入れたり、料理をするときにもうま味が豊富な甘酒を調味料として使っていますよ」
【関連記事】「ヨーグルトメーカー」で作る、体をリセットする甘酒&ヨーグルトレシピ
夏に向け暑い日が続くと、水分補給をこまめに行うことになります。自身の体質や日々の体調に合わせた水分補給を選びましょう。
Profile
グルテンフリーライフ協会 代表理事 / フォーブス弥生
一般社団法人グルテンフリーライフ協会代表理事。身内のグルテン過敏症をきっかけにグルテンフリーの探求と実践の道へ。長年にわたり培った知恵とノウハウをグルテンフリーの普及活動に生かすべく、2013年12月一般社団法人グルテンフリーライフ協会を設立。 著書に、自身の経験と実践レシピをまとめた『2週間、小麦をやめてみませんか?』(三五館)。
ダイエット・フィットネス・ヘルスケアのことなら「フィッテ」
https://fytte.jp/