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部屋も思考も、片付かないのはモノが多いからだった。ミニマリストに聞く、
モノ好きが部屋からモノを減らす方法

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一日の終わりや週末のたびに部屋を片付けているのに、なぜかごちゃごちゃしている、使いたいモノをどこにしまったかわからない、服は山ほどあるのに着たいものがない、すぐに散らかってしまう……。今暮らしている部屋がそんな部屋だとしたら、それはモノが多いせいではないでしょうか? モノを減らすことで快適な暮らしだけでなく、豊かな生き方も手に入れられるとしたら、多くの人が、今すぐ散らかった部屋を片付けたくなることでしょう。

そこで、著書『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』がベストセラーとなった“ミニマリスト”の第一人者、佐々木典士(ささきふみお)さんに、モノを手放すことで得られた解放感や精神的な変化を聞くとともに、モノの手放し方を教えていただきました。

↑以前の佐々木さんの部屋。片付けたくても、しまうスペースがなかった
以前の佐々木さんの部屋。片付けたくても、しまうスペースがなかった。

増えすぎたモノは時間とやる気を奪う

もともとカメラやアンティーク雑貨に興味があり、モノの収集にこだわりを持っていた佐々木さんがミニマリストになったのは、増えすぎたモノの管理をしきれず、身動きがとれなくなったからだそう。

「モノが多い生活は、当然モノを管理するのに時間がかかるんですよね。たくさん服を持っていると、お手入れも必要になってくるし、お皿がたくさんあれば洗い物も増えます。しかもそのモノを収納するために、広い家を借りる必要がでてきます。本棚に本が入りきらず、服はクローゼットに収まりきらず、そんな片付かない部屋では、片付けどころか何もやる気が起きない。もう自分で管理できるキャパシティーを超えてしまっていたのだと思います。

そこから脱するために、はじめはちょっとスッキリしたいと思って処分をはじめたのですが、手放してみたら思った以上に気持ちが軽くなったんです」(佐々木典士さん、以下同)

モノが減った環境でやりたいことに気持ちが向く

部屋にモノがなくなると、気持ちまで変わってくると、佐々木さんは言います。また、ミニマリストの生活は、必要最低限の持ち物だけを持って旅行をしたときの解放感と似ているのだとか。

「そもそも片付けが大変になるのは、たくさんのモノを動かしたり洗ったりしなくてはならないからです。溜まってしまった洗濯や洗い物、積み上げてしまった書類や本、出さなくてはならないクリーニングはひとりで持ちきれない……。そんなふうに片付けが大ごとになってしまうと、ひとつこなすのに時間がかかり、疲れているから今日はやめておこう、と後まわしになってしまうのです。

モノがなければ、悩んだり探したり片付けたりする労力が減り、モノの管理に手間がかからないので時間にゆとりができます。そうすると、体を動かしたり何か勉強したりしようかなという前向きな気持ちが湧いてくるんです。

家に帰ってきて、片付けなきゃと思いながらもお酒を飲んでしまったりテレビを見てしまったり、できない片付けから逃れるためにグダグダすることもありません。帰宅したら片付いた部屋で何をしようか、と考えることができ、何がどこにあるかわかっているので、何をするにもスムーズです。宿題を溜めてしまったような負担感がないので、いつもすっきりした気持ちでいられるのが、何よりのメリットですね」

モノを減らすメリットとは?

・広い収納スペースが必要なくなり、家賃の安いところに引っ越せる
・買い物にエネルギーやお金を使わなくなり、別の楽しみに使えるようになる
・モノの管理が楽になり、メンテナンスなどにかかる仕事量が減る
・探しモノをする時間が必要なくなり、失くすモノが減る

では早速、部屋にあるモノを後悔なく上手に減らしていく方法を、引き続き佐々木さんにレクチャーしていただきましょう。