【しまう】
クローゼットの中はグループ分けを
今度は、服をしまうときの注意点を聞きました。河井さんは、どのように整理整頓されたクローゼットをキープされているのか、興味は尽きません。
「クローゼットの中の収納が上手な人は、探し物をしません。なぜかというと、服をしまう場所がちゃんと決まっているからです。服の出し入れがどんなに多くても、必ず元あった場所に戻せば整理整頓された状態がキープされます」
では、具体的にはどのように整理をすればよいのでしょうか。
「まずはクローゼットの洋服をブラウス、Tシャツ、スカート、パンツとグループ分けして、場所を割り当てましょう。グループの中を色別で分けたり、長さで分けたり、頻度で分けたりするのは、さらにその先の工夫です。服も小物もクローゼットの中で場所をきちんと決めて、取り出したら同じ場所に戻すようにするだけで、探し物のストレスから解放されるはずです」
クローゼットで使うハンガーは本数を制限する
河井さんのクローゼットを拝見して印象的だったのが、服がスッキリとハンガーにかけて収納しているのに、スライドして寄せられるくらいの余裕があることでした。じつはクローゼットの中のアイテムにも秘策があるようです。
「揃いのハンガーにすることで、服を均一に並べられます。薄型のため普通のハンガーに比べて、ハンガーの数は2倍に増やせます。ただ、私は毎朝、『今日は何を着ようか』とハンガーをスライドさせて服を選んでいます。ですから、このスライドさせるスペースを確保するために、ハンガーの数はあらかじめ決めて、それ以上増やさないように心がけています」
「スカートは25本、トップスをかけるハンガーは45本、ワンピースをかけるハンガーは15本、コートをかけるハンガーを5本と決めています。できれば皆さんもクローゼットの中で使うハンガーの数を決めて、それ以上増やさないようにするというのも整理整頓されたクローゼットをキープするコツです」
バッグの上手な収納は「立てる」「吊るす」
服の次は、バッグの収納術をお願いしました。バッグはいくつ持っていても、また欲しくなりますよね。でも形やサイズがばらばらで型崩れしやすく、収納に悩む人が多いかと思います。ここにもスタイリストならではの工夫がありました。
「女性用のバッグはサイズもさまざまで、クラッチバッグなどはなかなか自立してくれませんが、ブックエンドに挟んでおけば整理しやすくなります。ビジュー(編集部注:フランス語で、宝石の意味。ファッションの場合、人造石(模造宝石)によって加えられた装飾部分などを示す)などが付いたバッグは、他のバッグを傷つける可能性があるので、そのときも『ブックエンド』で仕切れば安心ですから。また、ストラップのついた肩掛けバッグなどは、ポールにS字フックを取り付けて吊るしたりして収納するのが便利だと思います」
両面に写真を貼って春夏と秋冬で1個の靴箱を兼用
収納場所を増やせない代表格といえば玄関にあるシューズクローゼットですが、こちらにもプロの工夫が隠されていました。
「靴の収納はシーズンがあります。箱のままシューズクローゼットに収納しておきたいけれど全部の箱をとっておくのは結構かさばりますよね。そこで私は夏のサンダルと冬のパンプスを1つの箱で共用にしています。箱には両面に写真を貼っています」
【しまう】を習得しクローゼットがスッキリしたところで、また無計画に次から次へと服を買って詰め込んでは台無しです。その後の運用方法についても、教えていただきましょう。