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Before→Afterでわかりやすく解説!部屋を広く見せる
家具選びとレイアウトテクニック

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新年度を前に、部屋の模様替えや引っ越しを計画している人も多いのでは? 家具は選び方や配置を間違えると、部屋が狭く見えたり圧迫感を感じたりすることもあります。いったい何を根拠に選び、レイアウトするのが正解なのでしょうか? そこで、住まいの悩みとして多い「部屋が狭い」問題を解決するための、家具選びとレイアウトのテクニックを、模様替えのスペシャリストである一級建築士のしかまのりこさんに解説いただきました。

基本ルールは「動線」「空間分け」で
「家具が置ける広さ」を見極める

家具のレイアウトで部屋が狭くなってしまう原因は、どんなところにあるのでしょうか?

「失敗例の多くは、“部屋のサイズ”と“家具が置ける広さ”をイコールにしてしまうことです。
例えば、リビングダイニングが12畳あるとします。しかし、12畳すべてが“家具のおける広さ”ではありません。“家具が置ける広さ”とは、12畳から、部屋から部屋へ移動するための“動線”を引いた広さのこと。そして、前回の記事『家具レイアウトのルール』でも解説しましたが、その部屋をどういった部屋にしたいかという“部屋の役割”を考えたうえで“空間分け”をすることが大切です。失敗の多くは、そのまま“部屋のサイズ12畳=家具が置ける広さ”として、12畳に合うダイニングテーブルを購入してしまうことにあります。でも、実際に置いてみると、なんだか圧迫感を感じ、使いにくい……と、ストレスを感じてしまうのです。まずは、動線を考えてみましょう」(一級建築士のしかまのりこさん、以下同)

では、「動線」「空間分け」から「家具が置ける広さ」を割り出すための具体的な方法とは?

動線を無視したレイアウト

動線を考えたレイアウト

「上の2枚の画像を比べてみましょう。いずれも同じ間取りの10.7畳のLDKです。LDKなので、10.7畳の中には、リビングとダイニング、キッチンの機能が必要です。
動線を無視したレイアウトでは、キッチンのすぐ横に、ダイニングテーブルを置いていますが、扉から扉へ移動する“動線”の妨げになっています。これでは、生活していて不便さを感じます。実際には移動するための動線が必要なのに、その動線を考慮していません。まずは、動線を考えたレイアウトのように、家具が置けないスペースを確認する必要があります」

家具を置ける広さを割り出すためのステップを見てみましょう。

家具を置ける広さを割り出すための3ステップ

1.部屋の役割を洗い出す

「10.7畳のLDKを使って、部屋の役割を具体的に考えてみましょう。例えば、この部屋の基本的な役割を『ご飯を作る、食べる、くつろぐ』とします。そこに、『ピアノを弾きたい、勉強をしたい』などの希望をプラスします。まずは部屋でやりたいことを整理するのです」

2.動線の確保と空間分け

「次に、主な動線を確保します。主な動線とは、扉から扉、扉から階段など、部屋を移動する際に、必要な道のこと。上記の10.7畳でいうと、扉から扉へ移動する青文字で囲った2.4畳の部分です。動線の妨げになるので、ここに家具は置きません。となると、実際に家具を置けるスペースは、『10.7畳−2.4畳=7.3畳』なのです。
そして次に、部屋を役割ごとに分けます。空間を分けると物の移動が減るので、散らかり防止にもなります。『くつろぐスペース+ピアノスペース=3畳』『キッチンスペース=2.6畳』『食事スペース=2.7畳』としました。ここまで考えただけでも、3畳のスペースには、それほど大きなソファが置けないことに気づくことでしょう。10.7畳にあわせたソファでは、大きすぎるのです」

3.動線に合わせて家具を配置する

「部屋の役割のための空間が決まれば、そこに必要な家具のサイズもイメージしやすくなります。次に、部屋の中を移動するための動線を考えながら、家具を選びましょう。ダイニングテーブルからリビングテーブル、テーブルから収納へなどの“部屋の中を移動する”動線です。移動に必要な動線の幅は、最低でも60cm。2人がすれ違うためには、幅100〜120cmは必要です。レストランをイメージしてみてください。ホテルのゆったりしたレストランのような空間と、ぎちぎちにつまった居酒屋のような空間。どちらが、ストレスなく動けそうでしょうか。家の中は、座ってごはんを食べるだけではなく、料理したり洗濯したりトイレに行ったりと、移動が多いものです。居心地の良い動線は、生活するうえで大切な要素です」

とはいえ、そもそも部屋が狭すぎて、家具を置いただけで窮屈になってしまうなど、スペースに余裕がない住まいも多くあります。次のページでは、「部屋を広く見せる」具体的なテクニックをBefore・Afterを交えてわかりやすく教えていただきました。