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テラスやベランダで気軽に楽しむ!部屋から“一歩”のキャンプサイト
「ベランピング」の始め方

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今、空前のキャンプブーム。目立つのは、元からアウトドアアクティビティを積極的に楽しんできた人たちではなく、今まではホームパーティや街のレストランで家族や友人とワイワイ楽しんできた人たちが、そのにぎやかな食卓と居心地の良い空間をアウトドアに持ち出し、まるでマイホームやレストランのように作り込んで楽しむスタイル。グラマラスとキャンピングを掛け合わせた、いわゆる「グランピング」です。

等身大のキャンプはわが家のテラスやベランダで!

「女子キャンプ」を提唱してきたアウトドアコーディネーターのこいしゆうかさんに、このキャンプブームについて尋ねてみると……。「たしかに近年、キャンプやグランピングを楽しむ人は増えていますね」と、このトレンドは実感している様子。「キャンプ場にも若い人が増えているし、みんなおしゃれに楽しんでいます」。

さらに、キャンパーたちの楽しみ方も変化しているといいます。「選ばれるキャンプギアが変わってきたように感じます。特にキャンプ好きでモノにこだわる人は、コットン製のテントを使うようになりましたね。少し重いんですが、外気をしっかり遮断できるので快適に過ごせるんです。また、冬には薪ストーブを使って、まるで暖炉で暖まっているようなポカポカの中、キャンプを楽しむ人も」。運搬や設営の簡単さより、テントで過ごす時間の快適さを優先するように変わりつつあり、それがグランピングブームへとつながっているようです。

ただし、自分でギアを揃えてキャンプ場まで運搬するには、手間も時間もかかるし、虫も苦手。最近話題のホテルが用意しているようなグランピングだと、楽な反面、それなりにお金がかかる……。

そこで@Livingがおすすめしたいのは、そういった面倒なんて一切ナシの、自宅のテラスやベランダを活用したグランピング。わが家という、居心地のいい自分の“巣”の延長で楽しめるのが魅力です。そんな「ベランピング」を楽しむコツを、こいしさんに教えていただきました。

【食事】バーナーの火を点けながらの温かい食事を

鍋「リッケ/miniおそとパン」¥5,400、カップ「リッケ/木のふた付おそとカップ」¥4,320、シェラカップ「リッケ/目盛り付シェラカップ」¥1,404、まな板「リッケ/シートまな板と木のプレート」¥3,240、包丁「リッケ/フィールドナイフ」¥4,320/すべて和平フレイズ
鍋「リッケ/miniおそとパン」5400円、カップ「リッケ/木のふた付おそとカップ」4320円、シェラカップ「リッケ/目盛り付シェラカップ」1404円、まな板「リッケ/シートまな板と木のプレート」3240円、包丁「リッケ/フィールドナイフ」4320円/すべて和平フレイズ

楽しい時間を過ごすには、なにはなくとも食事! 今回、こいしさんに用意してもらったメインディッシュはチーズフォンデュです。

「テラスは意外と冷えるので、バーナーの火を点けながら温かい食事をとるのがおすすめ。チーズフォンデュはシングルバーナーで温め、適当にカットした食材をくぐらせるだけの簡単料理ですが、好きな食材を持ち寄れるし、本格的な料理と違って調理する人に負担がかかることもないので、みんなで盛り上がれるメニューです」(こいしさん)

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ジュースサーバーは、テーブルの彩りにもなります。「温かな食事を用意すれば、ドリンクには爽やかなコールドドリンクやワインをチョイス。これはレモン、オレンジ、グレープフルーツ、キウイ、ブルーベリーを炭酸水に漬け込んだ特製ドリンク。30分くらいで出来上がりです」(こいしさん)

【テント】杭打ちをしなくていい自立型シェルター

シェルター「ビッグアグネス/シュガーローフキャンプ」¥62,640/ケンコー社
シェルター「ビッグアグネス/シュガーローフキャンプ」6万2640円/ケンコー社

日よけ、風よけとなるテントやシェルター。これだけで“キャンプらしい”空間を演出できます。便利なのは、杭打ちをしなくて済む自立型。「これは最大8名を収容できる大型シェルター。サイズはテラスに合わせつつ大き目を選んでおくと、ホームパーティにも活躍するし、今回のように贅沢に家具を広げることもできます。メッシュのインナーテントがついているので虫よけにも」(こいしさん)。テラスは風が強いので、重しとなるものを用意すると万全です。

【チェア&テーブル】各自が自由にくつろげるタフなタイプ

デッキチェア「ラフマ・モビリエ/TRANSABED XL PLUS AIR COMFORT」¥35,640、ローテーブル「ラフマ・モビリエ/VOUGE」¥9,720/すべてラフマ
デッキチェア「ラフマ・モビリエ/TRANSABED XL PLUS AIR COMFORT」3万5640円、ローテーブル「ラフマ・モビリエ/VOUGE」9720円/すべてラフマ

リクライニングできるデッキチェアがあると、より快適に過ごせます。「“エアーコンフォート”というクッションが内蔵されていて、体をやさしく受け止めてくれます。のんびりと横になって、本を読んだり音楽を聴いたりしながらくつろげますよ。雨に濡れてもすぐ乾くのもうれしいですね」(こいしさん)。かたわらに、ドリンクなどを置けるローテーブルもあると、より快適に過ごせます。

チェア(手前)「ラフマ・モビリエ/GEM ANYTIME チェアー」¥19,224、チェア(奥)「ラフマ・モビリエ/HEDONA ANYTIMEチェアー」¥28,080、テーブル「ラフマ・モビリエ/ANYTIME テーブル」¥58,320/すべてラフマ
チェア(手前)「ラフマ・モビリエ/GEM ANYTIME チェアー」1万9224円、チェア(奥)「ラフマ・モビリエ/HEDONA ANYTIMEチェアー」2万8080円、テーブル「ラフマ・モビリエ/ANYTIME テーブル」5万8320円/すべてラフマ

「みんなで囲むテーブルは、人数やシェルターに合わせたサイズを選ぶこと。これは、雨はもちろん紫外線や衝撃にも耐える仕様で、熱いものをのせても大丈夫です。折り畳めるものの、ちょっと場所もとるしやや重量もありますが、その分安定性は抜群なので、安心して使えるんです」(こいしさん)。使わないときはテラスの隅に畳んで置いておけばOK。遠路持ち運ぶわけではないので、サイズや軽さより、重視すべきはあくまで使ったときの快適性です。

【防寒アイテム】風が通り抜けるテラスは寒さ対策を万全に

ブランケット左から「ペンドルトン/ブランケット(小)」各¥15,120、「ペンドルトン/ブランケット(大)」¥46,440/すべてエイアンドエフ
ブランケット左から「ペンドルトン/ブランケット(小)」1万5120円、「ペンドルトン/ブランケット(大)」4万6440円/すべてエイアンドエフ

「秋になると、日が傾けばすぐに肌寒くなるので、ブランケットは必須!」(こいしさん)。体を冷やさないよう、繊維の詰まった厚手で良質なものを選びましょう。「さらに寒い時期になったら、薪ストーブを使うのもおすすめです。最近キャンプ場では、薪ストーブをテントの中に持ち込んで暖をとる人たちも増えているんですよ。小型で煙の少ない“ペレットストーブ”なら、女性でも無理なく取り入れられるはず」(こいしさん)

アウトドアとインドアを行き来していいトコ取りできるのも魅力

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今回は、都内にある賃貸マンションのテラスを利用。ウッドデッキが全面に敷かれ、フェンス前の広い花壇にはグリーンが整えられています。ここでならどんなテントも楽に設営できてしまいますが、多くの場合スペースに限界があるので、それぞれに最適なギアを選びましょう。これから徐々に寒くなっていきますが、空気が澄んでいるので気持ち良く、星空を眺めるなど楽しめます。そもそも寒くなったらすぐに、暖房がきいた部屋へ“避難”してしまえばいいんですから。

部屋から“一歩外”のテラスで、無理なくアウトドアライフを楽しむ。これぞ自分的贅沢な、等身大のグランピングです。

Profile

アウトドアコーディネーター / こいしゆうか

趣味だったアウトドアを世の女子たちに広めるべく、女性視点のキャンプスタイル“女子キャンプ”を提唱。TBS「マツコの知らない世界」などテレビやラジオ、雑誌などへの出演多数。テントやウエアなど、アウトドアメーカーとのコラボ商品も多い。イラストレーターとしても活動しており、ゆるくてちょっとシュールなキャラクターのイラストが人気。

こいしさん考案のキャンプグッズブランド「CAMPANDA」のトンガリ屋根テント「PANDA」に、ホワイトが登場。http://www.tent-mark.com/campanda/

取材・文=@Living編集部 撮影=田口陽介 撮影協力=ロイヤルパークスリバーサイド(東京都足立区)