フルーツやクリームなど、多彩なスイーツが層になったパフェは、昔から人気のデザート。それがいま、さまざまな形で進化し、トレンドのひとつとなっています。今回は東京のなかで、特に注目度の高いパフェを提供するお店を紹介しましょう。
宝石のように美しいパフェを
手みやげでも楽しめる話題の新店
東急大井町線が通る世田谷区の等々力に、行列を生むスイーツ店があります。その店、「PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI」の、人気メニューのひとつが、“宝石”と称される美しいパフェ。
そしてこの秋、スイーツファンの間で大きな話題となったのが、隣にオープンした「ASAKO IWAYANAGI PLUS」です。コンセプトは、ジェラートやチョコレートなど、6つのカテゴリーをより深く表現すること。そのなかにはパフェも含まれており、同店ではテイクアウトのスタイルで味わうことができます。
「ASAKO IWAYANAGI PLUS」の店内には席がありませんが、外にテラスが用意されており、そこで「パルフェ アンポルテ」をはじめとしたスイーツを楽しめます。アーティスティックな美しさや、組み合わせたそれぞれの素材が生み出すおいしさは、やはり同店ならでは。シーズナルと定番の2品を紹介しましょう。
パフェやジェラートのほかには、冒頭で述べたチョコレート、クレープやガレット、焼菓子やタルト、コンフィチュールなども。また、ドリンクとのペアリングを訴求しているのも特徴で、パティシエールの岩柳麻子さんや専任のバリスタが選んだ日本茶やコーヒーを楽しめます。
本店でスイーツをゆっくり楽しんだあとに立ち寄ったり、気軽にパフェやジェラートを味わったり手みやげを選んだりと、訪れ方は多彩。思いおもいのシーンで贅沢なひとときを。
ASAKO IWAYANAGI PLUS
所在地:東京都世田谷区等々力4-4-5
電話番号:03-6809-8355
営業時間:10:00~19:00
定休日:月曜(祝日の場合は翌日休み)
アクセス:東急大井町線「等々力駅」北口徒歩3分
新宿と銀座、各街で見つけた
個性が光る和洋のパフェ
世界一の乗降客数を誇る駅がある新宿、そして東京屈指の美食タウンといえば銀座。それぞれの街で個性的なパフェを展開しているのが、人気アパレル「SALON adam et rope’」運営の「SALON BAKE&TEA」と「SALON GINZA SABOU」です。
前者は2016年に誕生した商業施設「NEWoMan」にあって、アクセスも至便。“DELICIOUS FASHION”をテーマに、お洒落な雰囲気のなか、旬のスイーツをはじめパティシエが作る繊細な美食を楽しめます。
ここで紹介したいのが、南仏スイーツ「トロペジェンヌ」の名づけ親、ブリジッド・バルドーをイメージした、季節のパフェ。毎シーズン、旬のフルーツなどを駆使したビジュアルも美しいパフェを提供しています。
今冬は2種類を用意。「パフェ オ ショコラ」は、濃厚なチョコクリーム、チョコアイス、シュトロイゼル、カカオの香りを感じるチョコレート好きのためのパフェ。アクセントのフランボワーズが甘酸っぱさを演出します。
もうひとつの「パフェ オ フレーズ」はイチゴのアイス、イチゴのジュレ、イチゴのパンナコッタなどさまざまなイチゴを味わえる一品。サクサクのパイや、ホロホロのシュトロイゼルが、食感のメリハリで楽しませてくれます。
「SALON GINZA SABOU」も、2016年にオープンした人気の商業施設「東急プラザ銀座」にあります。こちらはその名の通り、日本の今と古きよき食文化を感じられる甘味・お食事処。全国各地の素材を生かした料理のほか、世界が注目する日本茶とともに、自家製の和スイーツも味わえる空間です。
そのなかでも有名なのが、日本庭園をイメージした枡入りの「茶房パフェ-日本庭園風-」。そのビジュアルやおいしさから、オープン時から人気を博してきましたが、今秋リニューアルを遂げました。白玉や粒あんが加わり、さらに味わい楽しいパフェに。
また、厳選抹茶を使用した、「茶房パフェ-濃いめ-」も新登場。こちらは国内の厳選した濃いめの抹茶を使用し、よりビターな味わいに。抹茶の苦味と香りを立たせ、抹茶の生チョコ、粒あんで甘さを引き出しています。
もともと洋風のデザートだったパフェが、いまや和の要素をまとって斬新に進化するまでに。銀座でお茶をする際は、ぜひこの驚きのひと皿を楽しんでみて。
SALON BAKE & TEA
所在地:東京都新宿区新宿4-1-6 NEWoMan 3F
電話番号:03-6380-1790
営業時間:11:00~21:30(フードL.O.20:30、ドリンクL.O.21:00)
定休日:施設に準ずる
アクセス:JRほか「新宿駅」新南口直結
SALON GINZA SABOU
所在地:東京都中央区銀座5-2-1 東急プラザ銀座 B2
電話番号:03-6264-5320
営業時間:11:00~22:00(L.O.21:00)
定休日:施設に準ずる
アクセス:東京メトロ銀座線ほか「銀座駅」C2・C3出口徒歩1分
旬の果物を惜しげもなく贅沢に使う
フルーツパーラーならではの豪華さ
パフェの醍醐味のひとつが、旬のフルーツ。それを思う存分楽しむなら、フルーツパーラー系のお店がオススメです。都内には老舗をはじめさまざまな名店が存在しますが、旬のおいしさや新鮮さはもちろん、圧巻のビジュアルで人気を博しているのが「果実園リーベル」のパフェ。同店は目黒をはじめ新宿、東京駅などにもあり、2019年1月22日には「渋谷ヒカリエ」にもオープンします。
果実園とあるように、“常に身近に果物を感じていただきたい”という想いが込められた同店。旬の、熟した果物を最良の状態で出すことをモットーに、切りたて、搾りたてのおいしさを提供してくれます。「ズコット」という果物たっぷりのケーキや、フルーツサンド、パンケーキなど名物が数あるなか、高い人気を誇るのがパフェ。
その最大の魅力は、惜しげもない贅沢な盛り付け。定番のフルーツパフェも人気ですが、ぜひ食べるべきなのが旬の果物を使った季節限定パフェ。冬~春の時季はイチゴを使ったパフェがオススメで、12月中旬~5月上旬ぐらいまで提供される「あまおうパフェ」はファン垂涎です。
あまおうは、福岡が誇るブランドイチゴ。粒の大きさや豊かな甘味が特徴ですが、同店の「あまおうパフェ」は約2パックも使うというボリュームからして圧倒的。グラスにはぎっしりとあまおうが敷き詰められ、上にも満開の花のようにちりばめられます。イチゴ好きな方は、ぜひお試しあれ。
果実園 リーベル 目黒店
所在地:東京都目黒区目黒1-3-16 プレジデント目黒ハイツ 2F
電話番号:03-6417-4740
営業時間:月~土曜7:30~23:00、日曜7:30~22:00(各L.O.30分前)
定休日:なし
アクセス:JRほか「目黒駅」西口徒歩4分
札幌の“シメパフェ”文化を
東京に広めた開拓者
パフェを取り巻くトレンドのひとつに、札幌発祥の“シメパフェ”があります。現地ではお酒を飲んだ後にラーメンなどの炭水化物ではなく、パフェでシメるという文化が90年代から少しずつ浸透。2015年には、パフェをメインに掲げる夜営業のお店が目立つように。
やがてこの流れが、2017年ごろには東京にも。火付け役といわれているのが、渋谷に2017年9月30日オープンした「夜パフェ専門店 Parfaiteria beL」(パフェテリア ベル)です。
なぜなら同店は、ブームのおひざ元である札幌を拠点に、現地で3つの夜パフェ専門店を展開しているから。専門店ならではの味とビジュアル、また激戦区で人気を集めてきた実力の高さもあって、東京でも多くのファンを獲得しています。
パフェは素材から厳選。乳製品は基本的に北海道産を使用し、フルーツは旬のものを多く採用。そのため、すべてが期間限定です。いまの代表的なメニューを紹介しましょう。
甘さの強弱、酸味の強弱、苦みなどの全体バランスを計算することはもちろん、夜パフェならではのこだわりのひとつが、重くないテイスト。お酒を飲んだ後でもさっぱり食べれるよう、甘さは比較的抑えられています。
そして、多くのメニューにリキュールやワインなどのアルコールを用いることも特徴。また、お酒を含むドリンクも豊富なので、飲み足りないときの2軒目にもうってつけ。この冬、渋谷で飲む機会があったら、ぜひ同店にも訪れてみてはいかがでしょうか。
夜パフェ専門店 Parfaiteria beL (パフェテリア ベル)
所在地:東京都渋谷区道玄坂1丁目7-10 新大宗ソシアルビル3F
電話番号:03-6427-8538
営業時間:月〜木曜17:00〜24:00、金曜・祝前日17:00〜翌1:00、土曜15:00〜翌1:00、日曜・祝15:00〜24:00(各L.O.30分前)
定休日:なし
アクセス:JRほか「渋谷駅」南口徒歩4分
取材・文=中山秀明 撮影=真名子[ASAKO IWAYANAGI PLUS]、我妻慶一[リーベル]