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花をきれいなまま長く楽しめてギフトにもぴったり。ボタニカルデザイナーに教わる
「ハーバリウム」を手作りする方法

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「ハーバリウム」とは、オイルの中にドライフラワーなどを入れた、いわば新しいタイプのフラワーアレンジメント。さまざまな色合いのドライフラワーで作れ、狭いスペースにも飾れるので、インテリアのアクセントになります。また、水やりを気にしたり枯れる心配をしたりすることなく、美しいお花を飾ったままでいられるのも、人気の理由でしょう。ギフトとしても喜ばれそうですね。

既製品もいろいろと手に入りますが、花材やオイルがセットになった制作キットもあり、実は作り方さえマスターすれば、オリジナリティのあるものをイチから作ることができるのです。今回は、ボタニカルデザイナーの小柳洋子さんに、作り方を教えていただきました。

 

用意するのは、瓶・ドライフラワー・オイルの3点

まずは材料を準備しましょう。ハーバリウムは、瓶とその中に飾るドライフラワー、ハーバリウム用のオイルがあれば作ることができます。それぞれ選び方のポイントを見ていきましょう。

 

【瓶】初心者には丸みのある瓶がおすすめ

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ハーバリウムに使う瓶は、縦の長方形タイプがよく見られる形ですが、基本的にどんな形状の瓶でも作れるので、好きなものを選びましょう。

「花材を瓶にセッティングしたときに、初心者でもうまくデザインできるのはストレートの瓶ではなく、曲線があるものです。花材を入れてオイルを注ぐと、花材が浮き上がってくるのですが、湾曲した瓶ならその部分に引っかかって浮き上がりを防いでくれるため、最初にセッティングした状態を保つことができます。初めてで上手にできるか不安な場合は、丸みのある瓶を選んでみてください。
また、飾るときにこぼしたり倒したりしないよう注意が必要ですが、薬瓶など蓋がきっちり閉まらないタイプのものでも作ることができます。いずれもアルコール消毒薬をスプレーするなどして、しっかり消毒してから使いましょう」(小柳さん)

 

【ドライフラワー】彩りや大きさを考えながら選ぶ

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瓶の中に詰めるドライフラワーは、色合いや好きな形などから選んでみましょう。バラやカーネーションなど、咲くのを楽しんだあと、風通しのいい場所に逆さにして吊るしておくだけで、自分でも簡単にドライフラワーが作れるタイプの花もあります。いただいたブーケなどをドライにし、ハーバリウムにして保存するのもおすすめです。

「お花の色が鮮やかなものはとてもきれいに仕上がりますが、花の色が落ちやすいこともあります。長持ちさせたい場合は、あまり色が濃くないものから選んでみましょう。また、実ものなど枝からぽろぽろと外れてしまうものは、硬化材をスプレーして乾燥させてから瓶に入れます。さらに、瓶の口に入る大きさのお花がどうか考えて選んでみましょう」(小柳さん)

 

【オイル】ハーバリウム専用のオイルを使う

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ハーバリウム用のオイルは、「シリコンオイル」と「ミネラルオイル」の2種類があり、ペットボトルなどに入っているものをオンラインショップで購入できます。

「シリコンオイルは植物が浮きやすく、花材の色落ちがしにくいのでおすすめです。ただ、ミネラルオイルの方が安価で一般の方でも入手しやすいので、今回はこちらを使って作ってみましょう。そのほかに、お花を切るときに使う花バサミや、瓶の底までしっかり届く長いピンセットがあると便利です。ピンセットは25cmのものが使いやすく、最近ではハーバリウム用のものも売られています」(小柳さん)

 

同系色がおしゃれ! センスある「ハーバリウム」の作り方

1.使う花材と瓶を決める
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まずは、使いたいドライフラワーと瓶の形を選んでみましょう。ドライフラワーは、フラワーショップや雑貨屋で購入できるほか、インターネットでも買えます。また、ドライフラワーのリースやブーケとして売られているものを外してハーバリウムにすることも。
「今回は、(写真左から)ラークスパー、ブルニア、シルバーデイジー、ルリタマアザミを選んでみました。どんなものを選んでもオリジナリティが出て面白いのですが、個人的には同系色にまとめるか、使うお花の色数を少なくして、スタイリッシュなイメージで作るのが好きです」(小柳さん)

2.花材の長さを調節する
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使いたい瓶に合わせて、花材を切っていきます。少し長めに切って、あとで調節します。

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「大きめのお花がついたものは、枝をぜんぶ取ってしまってもいいですし、花や実だけでなく、枝もかわいいアクセントになります」(小柳さん)

3.瓶に花材を詰めていく
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ピンセットを使って花材を詰めていきます。「ぎゅうぎゅうに詰めてもかわいいですし、花材を少なめに入れて空間をつくると、そこに入ったオイルがきれいなので、透明感のあるハーバリウムになります。飾る場所にもよりますが、360度どこから見てもいいように、いろいろな角度から確認しながら詰めていくとうまくいきますよ」(小柳さん)

4.瓶の中のゴミを取り除く
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すべての花材を入れ終えたら、瓶を逆さにして上からトントンと叩き、中のゴミを出します。「瓶の上から叩けたら、斜めにして回転させながら叩き、花弁などのゴミをすべて出します。これが残っていると、オイルを入れたときにぷつぷつと浮いてきてしまうのです」(小柳さん)

5.オイルを注ぐ
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オイルを静かに上から注いでいきましょう。いったんオイルを注いだあとは、ピンセットで内部を動かすことができなくなるので、位置やゴミがないかなどしっかり確かめてから行います。「オイルが入っていくと、お花の質感が変わってみずみずしい感じがしてきますよ」(小柳さん)

6.蓋を閉める前に3分ほど置く
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オイルを入れると、中から気泡が上がってきます。気泡をすべて外に逃がしてから蓋を閉めるようにしましょう。「上がってきた気泡をしっかり抜いてから蓋を閉めたほうが、きれいに仕上がります」(小柳さん)

7.オリジナルハーバリウムの完成
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完成したハーバリウムは、直射日光を避けて飾ります。オイルを注ぐとドライフラワーがみずみずしく光り、いつまでも眺めていられる美しさです。どのくらい持つかは花の種類やオイルにもよりますが、オイルや花の色の劣化が気になってきたら、処分するようにしましょう。
「食品用のオイルを捨てるときと同じように、オイル用ペーパーなどに染み込ませて処分します。簡単に作れますので、処分したらしっかり瓶を洗って消毒し、またいろいろなお花を使って楽しんでみてください」(小柳さん)

 

キットを使えばもっと手軽に楽しめる

自分で花材をバランスよく用意するのは大変、という人は、キットとして売られているものを使うのがおすすめです。プリザーブドフラワー専門店「FLOWER*FORTUNE」のキットは、ハーバリウムでは定番になっているアジサイやかすみ草だけでなく、個性的な形の花も取り入れたキットで、どんな人が作っても美しく仕上がるよう計算されています。


FLOWER*FORTUNE「ハーバリウム手作りキット」
4698円
ハーバリウム専用のミネラルオイル500ml、瓶3本、プリザーブドフラワー&ドライフラワー、オリジナルタグ、メッセージカードのセット。

 

材料を揃えれば、手間なしの工程で楽しめるハーバリウム作り。瓶の形や花材の色合いをアレンジするだけで印象がぐっと変わるので、いくつも作りたくなる魅力があります。ぜひチャレンジしてみてください。

Profile

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ボタニカルデザイナー / 小柳洋子

文化女子大学服装学科卒業後、ベイクルーズ、ユナイテッドアローズでプレス・販促を経て、アンシェヌマン/ミニョンの全国展開のディレクション、プロデュース、マネジメントをし、世界中を回る。その間得意とするディスプレイで、ルミネ新宿店VMDコンテスト全館1位と特別賞を受賞。退職後、興味のあった花のコーディネートに目覚め、ハーバリウムのディプロマを取得。
https://suite.official.ec/

 

取材・文=吉川愛歩 撮影=矢部ひとみ 構成=Neem Tree