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「特別な日はシャンパン」は古い?世界のとっておきスパークリングワイン

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「記念日だから、いつもならスパークリングワインだけど、今日は奮発してシャンパンで乾杯しよう!」と意気込んだ経験、ある人も多いでしょう。たしかにシャンパンは特別な日にふさわしいスパークリングワインですが、“シャンパン=高級”というイメージだけが先行して、ついほかの銘柄を軽視してしまいがちではないでしょうか?

でも品質や価格、ストーリーで選ぶなら、フランス産のシャンパン(シャンパーニュ)だけでなく、さまざまな国に、世界に誇るクオリティのスパークリングワインが存在するのです。例えば、イタリアへ新婚旅行に行った記念日、イギリスに留学していた友人友の誕生日。ストーリーに合わせて選べるとっておきのスパークリングワインの選択肢が増えたら、さらに特別な日になるかもしれません。

 

フランス・シャンパーニュ地方だけじゃない、いま最注目の産地と銘柄

1. シャンパン以上に希少! イタリアの「フランチャコルタ」

イタリア北部の都市・ミラノを州都とするロンバルディア州のなかに、東部に広がるフランチャコルタ地区。ここでは、その名も「フランチャコルタ」と呼ばれるイタリア最高級スパークリングワインが造られています。

小さな盆地のような同地区は、かつてアルプス山脈から徐々に押し寄せた氷河によって土壌が削られて生まれました。後にその氷河が溶けた水が、フランチャコルタ地区のすぐ北にイゼオ湖を形成。現在では、このイゼオ湖とアルプス山脈の狭間の特殊な地形と気候が、良質なフランチャコルタ生産に大きな影響を与えているのです。

「シャンパーニュ」を名乗るには、「フランス・シャンパーニュ地方産のものであること」が条件になっていることはよく知られていますが、「フランチャコルタ」も同じく原産地呼称の規定があり、栽培地域はもちろんのこと、場合によっては製造の過程でもシャンパーニュ以上に厳しい規定をクリアしなければ名乗ることができません。そうして造られるフランチャコルタの総生産量は、シャンパーニュの約5%程度とも。特殊な地形の産地ゆえに、今後生産地区が広がる可能性も少なく、希少性はシャンパーニュよりはるかに高いスパークリングワインなのです。

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「フェルゲッティーナ ミレッディ・フランチャコルタ・ブリュット 2014」
5200
生産者数もシャンパーニュより圧倒的に少ないフランチャコルタ。なかでも、シャンパーニュで言うところの“RM”(自家栽培・自家醸造・自家元詰)と呼ばれるワイナリーはごく少数ですが、フェルゲッティーナはそのひとつ。小規模、家族経営だからこそできる丁寧な造りは、例えば搾汁率にも表れています。通常、フランチャコルタの規定では65%までブドウの果汁を絞ることが認められていますが、フェルゲッティーナでは35%のみ。他にはない透明感と純粋な味わいを造り出しています。

 

2. お手頃価格から上級クラスまで多彩なスペインの「カバ」

お手頃なスパークリングワインとして知られるカバ。ですがこのカバも、シャンパーニュやフランチャコルタと同様に生産地域が特定されており、スペイン産のスパークリングワインを総称してカバと呼べるわけではありません。

さらに、シャンパーニュ製法を用いて生産されることも規定されています。総生産量としてはシャンパーニュの数量に迫るほどですが、価格的には1000円台から1万円を超えるものまで存在し、消費者としては選択肢の幅の広さがうれしいスパークリングワインです。

2016年には「Cava del Paraje Calificado」(カバ・デ・パラへ・カリフィカード)という上級クラスの格付けが新たに承認され、お手頃イメージと高級スパークリングワインというイメージの共存が期待されています。

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「バルドリーナ カバ・ブルット・グラン・レゼルバ 2013」
3400
1000円台のカバの生産と人気を支える大手メーカーがある一方で、家族経営の小さなワイナリーは強いこだわりを持ちながら希少なカバを造っています。バルドリーナはわずか11ヘクタールの畑に有機栽培とビオディナミ農法を本格的に取り入れていて、醸造工程もすべてが手作業。シャンパーニュ製法には欠かせない“ルミアージュ”(動瓶)と呼ばれる作業ですら、昔ながらの手回しを行なっています。シャンパーニュでは第二搾汁まで認められているところ、こちらのワイナリーでは第一搾汁分だけを使用。同様の造りやこだわりのシャンパーニュの価格と比較することができるとすれば、はるかにコストパフォーマンスの高いスパークリングワインと言えます。

 

3. 冷涼な気候を活かしたイギリスのスパークリングワイン

これまで、ワインの産地としては寒すぎる土地だったイギリス。ですが、皮肉にも地球温暖化の影響で、年々注目を集める産地となっています。

特に南部のケント州、サセックス州、ハンプシャー州あたりはかつて海底であったことに由来する白亜質土壌が広がる土壌で、その条件はシャンパーニュ地方にも類似しています。恵まれた土壌と冷涼な気候を生かし、2000年以降スパークリングワインの生産量が増加傾向にあります。

ワイン産地としての歴史は浅いものの、ワインに関する教育機関や世界的に活躍する評論家、英国ワイン専門誌が世界のワイン市場に与える影響力は大きく、今後はワイン産地としても存在感を増していくことは間違いなさそうです。

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「ハッティングレイ・ヴァレー クラシック・レゼルヴ・ブリュット」
5200
ハッティングレイ・ヴァレーは、弁護士として活躍したサイモン・ロビンソン氏が1999年に11ヘクタールの畑を購入し5年に及ぶ土壌研究を重ねた後、2008年に植樹を開始してワイナリーをスタート。2016年にはシャンパーニュ地方のポメリー社からイギリスで醸造するスパークリングワインの公式パートナーにも選ばれました。わずか数年でその高い品質は老舗シャンパーニュメーカーも魅了し、絶大な信頼を得るほどです。

 

その他にも、オススメのスパークリングワインはいろいろ。いくつかご紹介しましょう。

 

・南アフリカも新興産地として注目を集める存在

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「グラハム・ベック・ワインズ ブリュット・ロゼ・ミレジム 2012」
2600

南アフリカでも近年、スパークリングワインを生産するワイナリーが増えています。

南アフリカでは、瓶内二次発酵によるいわゆるシャンパーニュ製法のスパークリングワインを「メトード・キャップ・クラシック」(MCC)と呼びます。なかでもこのグラハム・ベック・ワインズは、南アフリカが世界に誇る高品質MCCの造り手としてその地位を確立。マムやモエ・エ・シャンドンなど老舗シャンパーニュメーカーを含め数多くのワイナリーでワイン造りを経験した醸造家のピーター氏は、周囲から「その身体を流れる血は“泡”で出来ている」と語られるほど、南アフリカにおけるスパークリングワイン界の重鎮的存在となっています。

 

・おもてなしに間違いなしの“国賓を迎える味わい”

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「ザンクト・ラウレンティウス リースリング・ブリュット」
3800

白ワインの産地として知られるドイツは、キレのある美しい酸をともなうスパークリングワインの産地としても秀逸。ドイツのスパークリングワインには、「ゼクト」と呼ばれるカテゴリーが存在します。ザンクト・ラウレンティウスは、ドイツでもトップクラスの品質を誇るゼクトの造り手です。

1980年にゼクトを造ろうと決意しますが当時は資金が無く充分な設備が揃えられなかったため、週末に近所のワイナリーを手伝って資金を稼ぎ、シャンパーニュの青空市場で中古の設備を買い揃えていきました。そしてゼクトを造ってはシャンパーニュへ持って行き、助言を仰ぎました。1995年頃から軌道に乗り、近年ではシャンパーニュ地方の醸造学校の生徒が研修に来るまでになりました。その後、ドイツ最高のゼクト生産者に複数年にわたって選出、ドイツ農業振興協会(DLG)が選ぶ最高評価の国家栄誉賞を8度、連邦栄誉賞に伴う「最優秀ゼクト生産者」を4度獲得。さらにはスウェーデン王室や駐ベルリン英国大使館御用達、ドイツ連邦大統領官邸の迎賓館でのウエルカムドリンクにも使用された経験を持ちます。

 

・やっぱり王道を選ぶならストーリーのあるシャンパーニュ

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「アンリ・ド・ヴォージャンシー キュヴェ・デ・ザムルー ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ」
5800円

やっぱり“王道”のシャンパンを選ぶなら、贈る相手やパーティーの主旨に合わせたストーリーを持つこだわりの1本を選びたいところ。

こちらは現在8代目当主という歴史あるワイナリーですが、とあるテーマパークを併設しています。そのテーマとは“結婚”。1820年〜1920年当時のフランスの結婚をテーマにした宝石や家具、調度品や衣装などが多数展示された博物館がワイナリーの敷地内にあるのです。そんな場所で造られるのは「キュヴェ・デ・ザムルー」、つまり“愛し合う者たち”と名付けられたシャンパーニュです。ハートとつがいの鳩がデザインされたラベルやワイナリーのストーリーは、まさに結婚祝い、結婚記念日祝いにぴったりなシャンパーニュです。

 

 

※ワインの価格はすべて、税抜きです。

取材・文=山田マミ 撮影=真名子