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家でワインを楽しむための蘊蓄講座ワインの世界を旅する 第1回
―フランスと5つの産地―

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ロワール 〜東から西へ、河沿いに広がるブドウ畑〜

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ワイン産地としてのロワールを、ひとくくりにすることは難しいかもしれません。東から西へ500kmを超えて流れるロワール河流域にはいくつかのワイン産地があり、総じて白ワインが親しみやすく、赤ワインはやや玄人好みといってもいいように思えます。

白ワイン品種の主要な品種はソーヴィニヨン・ブランとシュナン・ブラン。前者は、地域によって硬質で洗練されたものから、柔らかで親しみやすいタイプの幅広い辛口白ワインを、後者は、芳醇な辛口から魅惑的な甘口まで、こちらも幅広い味わいのものが造られています。そのほか、ロワール河下流の街、ナント周辺では、ムロン・ド・ブルゴーニュから造られるミュスカデがあります。ミュスカデは価格もリーズナブル、微かな塩味を感じる辛口は、海老やムール貝など魚介を使った料理には定番の組み合わせです。

ロワールのワインのエチケット(ラベル)には、“Loire”と記載されているわけではないので、いくつかの主要な産地、シュナン・ブランならアンジューやサヴニエール、ヴーヴレイ、ソーヴィニヨン・ブランなら今回ご紹介するサンセールと対岸のプイィ・フュメなどの産地を覚える必要があるかもしれません。

ソーヴィニヨン・ブランは、今や世界中で栽培されていますが、プイィ・シュル・ロワール周辺(サンセールとプイィ・フュメ)ほど繊細で華やか、シャープに感じるのに長命というソーヴィニヨン・ブランを見つけるのは、簡単ではありません。ワインショップの棚でサンセールを見かけて、もしも手に取ったならば、ぜひともチーズのことを思い出していただきたい。そのお店にチーズは売っていますか? であれば、一緒に買い物かごに入れることをおすすめします。サンセールと白カビや山羊のチーズとの抜群の相性は、一度お試しいただきたい組み合わせなのです。

そしてロワールといえば、15世紀には首都だった古都トゥール、中世の赴きを残す美しい街並み、歴史的な建造物と見どころ満載の街です。現地で飲まれているのは、同じソーヴィニヨン・ブランでもトゥーレーヌと表記された、サンセールやプイィ・フュメとはまた違う柔らかでフローラルな白ワイン、価格的にもリーズナブルなものが多いので、こちらもぜひ。もちろん、チーズとも抜群の相性です。

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Claude Riffaultクロード・リフォー)
「Sancerre, Monoparcelle 469 2018(サンセール モノ・パーセル469 2018)」
5500
輸入元=ベリー・ブラザーズ&ラッド

 

次のページでは、「ローヌ」について解説します。