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シロップをドレッシングやゼリーに! 紫蘇(しそ)ジュースの作り方と飲み飽きないアレンジレシピ
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夏バテ予防にも効果的!しそジュースの作り方と、
飲み飽きないアレンジレシピ

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6月に入り、スーパーの野菜売り場に並ぶようになる赤紫蘇(あかじそ・あかしそ)。梅干しを漬ける際に欠かせない食材ですが、それ以外にはなかなか出番が思いつかないのではないでしょうか?

8月には旬を終えてしまうので、この旬のうちに「しそジュース」を手作りしてみませんか? さっぱりとした味わいで、夏バテ予防にも効果的です。今回は、祖母の代から親子3代に渡り料理家として活躍している、ほりえさわこさんにしそジュースの作り方を教えていただきました。

色以外の違いは?
赤じそと大葉の使い分け

「しそ」というと、「大葉(おおば)」と区別がつかない、という人も多いのではないでしょうか? しそには、今回取り上げる「赤じそ」と「青じそ」があり、後者が大葉と混同しやすいようです。

大葉は青じその葉部分一般的にしそと呼ばれるのは、赤じそのことを言います。青じその旬は7〜10月ですが、温室栽培のものが年中出回っていますね。赤じその旬は初夏で、梅干しを漬け込む時期にしか手に入りません。
大葉も赤じそも、種や苗を買ってくればプランターで手軽に栽培できますよ。栄養価や香りにはほとんど大差はありません。ただし、赤じそは葉が固いので、青じそのようにそうめんや冷奴に添えるには不向き。お刺身のツマにしても、見栄えはよくないですよね。赤じそのおすすめの活用法は、なんと言っても梅干し、それから紫蘇ジュースです」(料理家・ほりえさわこさん、以下同)

栄養価は、βカロテンをたっぷりと含み、ビタミンも豊富。ぺリアルデヒドという芳香成分が含まれ、香り高いのと同時に高い防腐・殺菌効果をもっています。刺身のツマにしそが使われるゆえんです。

赤じそは鮮度が大事!
使う直前に購入を

スーパーで買える赤じそは、枝付きで袋詰めされています。どのように保存すればいいでしょうか?

「枝から外し、洗ってキッチンペーパーを入れた密閉容器に入れて野菜室で保存すれば、数日は日持ちしますが、香りが日に日に落ちていくので、できれば、ジュースを作る当日か前日に購入するようにしましょう。買ってきた赤じそは葉部分をちぎって洗い、ザルにあげてぬれたキッチンペーパーを上からかぶせておくことで、葉がパリッとします。ジュースにしてしまえば、冷蔵で1年以上は保存できるので、旬の赤じそを購入したら、香りの高いうちにジュース作りに取りかかりましょう」

鮮やかなピンク色が美しい、
しそジュースの作り方

赤じそを煮出し、砂糖と酸味を加えて作るしそシロップを、水や炭酸水で好みの濃度に薄めて氷を入れれば、しそジュースの完成。夏のほてりを鎮めるリフレッシュドリンクです。

「赤じそのビタミンやミネラル、酢やレモンのクエン酸入りで夏バテ予防にぴったり。きれいなピンクも清涼感がありますよね。ただし、糖分はかなり含まれているので、飲み過ぎには注意しましょう」

【材料(1L分)】

・赤じその葉……100g
・水……1L(5カップ)
・砂糖……3カップ
・レモン汁または酢(混ぜてもいい)……1/2〜3/4カップ

【作り方】

1.洗った赤じその葉と水を鍋に加え、沸騰したら火を弱めて10分位にて、赤じその色味が抜けたら火を止める。

「加熱しすぎると水分が蒸発してしまうので、沸騰したら弱火にし、赤じその色味が抜けたら火を止めましょう」

2.ボウルの上にザルとキッチンペーパーを敷き、上から1を流し入れ、ヘラなどを使っておさえる。

「上からギュッギュッと抑えて、赤じそのエキスを絞りましょう」

3.砂糖と酢を入れてよく混ぜる。

「レモン汁や酢を入れると、鮮やかなピンク色に変わっていきますよ。酢を使う場合、米酢やりんご酢、ワインビネガーなど、お好みの味わいのもので大丈夫です。ただし、黒酢を使うとせっかくのピンク色が映えなくなるので、避けた方がいいでしょう」

4.再び加熱し、ひと煮立ちさせる。

「砂糖や調味料がしっかりと混ざるように加熱します。よく冷ましたら、しそシロップの完成。煮沸消毒した容器に入れて冷蔵庫で保存し、水や炭酸水で割って飲みましょう」

赤じそと青じそをミックスして作ると、さっぱりとした味わいになるそう。赤じそと青じその配分をお好みの味わいになるように調整するのも、手作りならではの楽しみ方と言えますね。

飲む以外にも楽しみたい、
しそジュースのアレンジレシピ

数分煮出して砂糖と酸味を加えれば、あっという間に完成するしそジュースのシロップ。水や炭酸水で割って飲む以外にも、ゼリーやドレッシングにアレンジすれば、夏らしい楽しみ方が広がります。

・ゼラチンで固めるだけ!「しそシロップのぷるぷるゼリー」の作り方

さっぱりとしたのどごしのゼリーは夏らしいスイーツ。ピンクの鮮やかな見た目が食欲をそそります。「火を使うことなく、すぐに作れます。凍らせてシャーベットにするのもいいですね」

【材料(2人分)】

・ゼラチン……5g
・水……50cc
・しそシロップ…100cc
・氷水……50~80cc

【作り方】

1.水にゼラチンを振り入れ、ふやけてから600Wのレンジで1分加熱し、紫蘇シロップを加える。

「レンジで加熱すれば、火を使わずに調理できます。紫蘇シロップを加えたら全体をよく混ぜてなじませましょう」

2.紫蘇シロップがしっかりと溶けたら、氷水を加えてさらに混ぜ、冷やし固める。

「ゼラチンがしっかりと溶けてから、冷たい氷水を加えて濃度を調整すれば冷たいゼリーがあっという間に完成します」

・ほんのり甘くて色がキレイな「しそドレッシング」の作り方

甘酸っぱい紫蘇シロップに玉ねぎの粗みじん切りを加えたドレッシングです。「たとえばカブのスライスにかけるだけでもおいしいし、白身魚にかければカルパッチョ風に。豆腐やわかめのサラダにもよく合います」

【材料(2人分)】

・たまねぎの粗みじん切り……50g
・しそシロップ……100cc
・塩……小さじ1/4
・酢……大さじ2
・サラダ油……大さじ2

【作り方】

1.すべての材料を混ぜる。

「しそシロップの色味が映えるように、オイルはサラダ油や太白のごま油など、色味の薄いものを選びましょう。お好みでレモン汁を絞ってもおいしいですよ」

・梅シロップとミックスした「梅&しそジュース」もおすすめ

梅シロップを仕込んでいる方ならば、混ぜて飲むのもおすすめだそう。「わが家ではよくやるのが、このミックスです。酸味と風味が合わさり、深みのある味わいになりますよ」

【材料(適量)】

・梅シロップ……適量
・しそシロップ……適量

【作り方】

1.シロップを混ぜ合わせる。

「あらかじめ原液を混ぜておき、それを水や炭酸水で割って飲むだけ。しそジュース単体とはまた違った味わいが、汗ばむ季節の清涼ドリンクとして活躍します」

旬の季節にしか出回らない赤じそで作る、手作りドリンク。30分もかからずに完成するので、忙しい合間でも仕込めます。ちなみに、シロップの砂糖量を減らすと保存が効かなくなってしまいます。甘さを控えたい場合は、作るときに砂糖の量を減らすのではなく、飲むときにシロップの量を少なめにして調整するのがコツです。

Profile

料理家 / ほりえさわこ

料理家 / ほりえさわこ

料理研究家の草分け的存在である祖母・堀江泰子さんと、同じく料理研究家の母・堀江ひろ子さんとともに三代で料理家として活躍。幼稚園の頃から包丁を握り、料理の道へ。イタリアと韓国での料理修業の経験を持ち、和食をベースにしながらもレパートリーが広く、家庭で作りやすいレシピを提案している。総勢8名の大家族の中で、おすすめレシピをまとめた『100歳まで元気でボケない食事術』(主婦の友社)は、読むだけでも面白くてタメになる。

取材・文=今井美由紀(Neem Tree) 撮影=矢部ひとみ