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青梅と完熟梅で味くらべ。日本酒で漬ける梅酒と
飲み飽きないレシピ

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5月中旬を過ぎると、野菜売り場に青い梅が並びはじめます。梅干しや梅酒、梅シロップを手作りする“梅仕事”は、在宅時間が増えた近年、楽しむ人が急増しました。@Livingでも梅干し梅酒梅シロップの漬け方を紹介してきましたが、2023年に提案するのは、日本酒を使った“すぐ飲める梅酒”。漬けてから1〜2週間程度で飲むと、フレッシュな果実感のある味わいを楽しめます。甘さを抑え、風味が豊かなうちに飲みきれるくらいの分量でつくってみましょう。今回は料理家のオザワエイコさんに教えていただきました。

日本酒でつくる梅酒は“アルコール度数”に注意!

まず、準備したいのが、果実酒用の日本酒です。梅酒を漬けるときはホワイトリカーやブランデーなど、さまざまなお酒でつくれますが、オザワさんのおすすめは日本酒。

「日本酒でつくる梅酒は、アルコール度数が他のお酒よりも低いため、飲みやすいのがポイントです。ただし酒税法に触れないよう、アルコール度数が20度以上の日本酒でつくらなくてはなりません。飲むためにつくられた日本酒でもかまいませんが、果実酒用の日本酒なら手に入りやすいのでおすすめ。例えば今回使った『白鶴』の果実酒用日本酒は、このまま飲んでもおいしいんですよ」(料理家・オザワエイコさん、以下同)

2種類の梅で漬ける日本酒梅酒

今回オザワさんに漬けていただいたのは、5月下旬ごろから出回る「青梅」を使ったシンプルな梅酒と、6月に入っても手に入る完熟した「黄梅」でつくるスパイス梅酒です。どちらの梅でも同じ手順でつくれるので、逆に青梅でスパイス梅酒を漬けてもおいしく仕上がります。ただ、味わいが異なるので両方つくって飲み比べるという楽しみもあります。

青梅……実は硬く、香りはあまりしない。梅酒にすると、すっきりとした酸味のある味に仕上がる。
黄梅……青梅を置いておくと黄色く熟す。杏に似た甘い香りで、梅酒にするとふくよかな風味に。

急いで飲みたい人には冷凍梅がおすすめ

冷凍した梅でもおいしく漬けられます一度冷凍することで梅のエキスが抽出しやすくなり、冷凍していないものよりも早く飲むことができるというメリットも。また、冷凍梅はインターネットでも一年中買えるので、旬の時期を逃してしまった! という場合は、冷凍のものを購入するといいでしょう。

「すぐに飲みたい!という方や、梅を買ったけどすぐには漬けられない……という方は、冷凍してから漬けることをおすすめします」

・冷凍していない梅……飲めるようになるまで2週間。飲みごろはおよそ2週間後から3か月後。
・冷凍してある梅……飲めるようになるまで1週間。飲みごろはおよそ1週間後から3か月後。

漬けてすぐ楽しむフレッシュな梅酒

梅酒に限らず、果実酒は日数が経過するにつれ、味わいが濃くなっていきます。深みが出て濃厚になっていく一方で、フルーツらしい香りや甘みは減っていく傾向があるのです。

「何年も経った果実酒は、梅でも杏(あんず)でも、だんだんと味が似通っていってしまうんですね。素材そのもののフレッシュな香りを楽しみたいなら、漬けてからあまり日を置かずに飲むのがおすすめです。冷凍していない梅なら、漬けてから2週間くらいで飲みはじめるといいですよ」

また、一般的に梅は1kgで売られていることが多いのですが、1kgで漬けると1.8Lもの梅酒ができあがります

「たくさん飲むならいいのですが、飲みきれずにけっきょく置物のようになっている……という話も聞きますので、今回は500gで漬けてみました。甘みを、砂糖やはちみつ、黒糖などと変えて250gずつ漬けてもいいですし、日本酒とブランデー、のようにお酒の種類を変えても楽しいと思いますよ」

梅の下処理の仕方

梅は、漬ける前にアクを抜いて、ヘタを取っておきます。

1.梅を水に浸してアクを抜く。

「青い梅はアクが強いので、数時間は水に浸しておきます。ただし、黄梅はアクが少なく、傷みやすいので、さっと洗う程度で大丈夫」

2.ヘタを取る。

「楊枝や竹串をそっと差し入れて、ヘタを取ります。実を傷つけないように注意して」

3.水分をよく拭く。

「水気があると、かびてしまったりするので、しっかり拭きましょう。ヘタを取った窪みの部分に水が溜まりやすいので、確認します」

下処理が終わったら、さっそく漬けていきましょう。次のページでは「青梅と日本酒で漬けるシンプル梅酒」と、「黄梅と日本酒で漬けるスパイス梅酒」のつくり方を解説していただきます。