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スマホで手軽に家計管理!人気FPが教える、
家計簿アプリの選び方と使い方

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普段と違う買い物や出費が増え、物入りが多くなる年末年始や新生活シーズンは、金銭バランスがわかりづらくなりがちです。収支の状態を把握できず、行き当たりばったりの使い方をしていると、旅行や引越しなど大きく支出する計画が立てにくくなったり、思ったよりも使いすぎてカードの支払い額が膨らんでしまったり。

そこで現状を把握し、どんなものにいくら使ったか把握するためにしておきたいのが、家計簿をつけること。ここでは、レシートを撮影するだけでデータ化できたり、グラフ化できたりと、紙の手帳タイプに比べ手軽で便利な「家計簿アプリ」を使っての管理に注目。人気ファイナンシャルプランナーの柳澤美由紀さんに、家計簿アプリを使ったお金の管理方法について教えていただきました。

 

家計簿が暮らしのピンチを助けることも

家計簿は、つけはじめるときは大変ですが、習慣化できれば「最低これだけのお金があれば、暮らしていける」という金額がわかり、ライフプランにも役立ちます。

「家計簿を10年以上つけ続けている人の中には、リストラに遭ったり、ガンと宣告されて働き方を変えなければいけなくなったりした人がいました。でも、家計簿があったから家計のピンチを乗り越えることができた、という話を聞いて、家計簿ってスゴイなぁと、感心したことがあります。家計簿を付けることだけが家計管理ではありませんが、お金をコントロールする手段として有効です」(ファイナンシャルプランナー・柳澤美由紀さん、以下同)

 

家計簿アプリで管理すると継続しやすい

そもそも日々の支出を記録しなければならない家計簿は、必要だとわかっていても面倒なもの。ですからできるだけ簡単につけられるよう、スマホで管理するのがおすすめです。スマホで管理すると、どんなメリットがあるのかをまとめました。

1. 外出先でも入力できる
スマホやタブレットで家計簿を管理する最大のメリットは、いつでもどこでも、隙間時間にデータ入力できるところです。「紙の家計簿だと持ち歩くのに不便ですし、電車のなかで取り出してつけるのは恥ずかしいですよね。スマホで管理していれば、電車やバスなどの移動時間に、レシートを写メしたり、ざっくり入力したりできます。忙しいビジネスマン・ウーマンの人でも手軽に活用ができるのです。最近は音声認識できるアプリも登場しています」

2. 楽に分析できる
家計簿をつけていても、集計やデータ分析となると腰が重たくなるものです。ですが、大切なのはつけた家計簿の使い道でしょう。「家計簿は、今どのくらい何に自分がお金を使っているのか把握するための大切な資料となります。今後の計画を立てるときも、何に使いすぎていて何を減らせばよいのか、あるいはどこが今足りていないのか、分析することが必要です。アプリなら入力したデータをグラフ化したり、過去のデータ遡って先月比や前年比のデータも瞬時に調べたりすることができます」

3. 自動計算できる
家計簿で面倒なのは、使ったお金をいちいち入力しなければならないことです。ここで挫折する人も多いのではないでしょうか。「クレジットカードや銀行口座と連携機能のあるアプリなら、情報さえ入れておけば自動で計算してくれますから、使った金額の入力さえ必要がないパターンもあります。レシートを撮影するだけで、自動転記できる家計簿アプリもあり、費目ごとに自動集計されて楽チンです。費目ごとに予算立てをしている場合は、断然アプリの利用がオススメです」

 

アプリでの管理が向いている人は?

スマホでの家計簿管理は、家でじっくり記帳する時間のない、アクティブに動いている人に向いているといえます。

「クレジットカードやポイントカード、電子マネーなどで支払いをしている人、ネットショッピングをする人はアプリでの管理が向いています。決済日と引き落とし日がずれてしまう支払いも、アプリを使えば楽に管理できます。ただし、自動記帳は支出したことを意識できないので、支出合計額は頻繁に確認するようにしましょう。また、連携機能や共有機能を利用する場合、セキュリティが脆弱だと個人情報が洩れる心配があります。スマホにウイルスソフトを入れたり、暗証番号をキャッシュカードとは違うもので設定したりするなどの注意が必要です」

 

欲しい機能からアプリを選ぶ

家計簿のアプリはさまざまありますから、何を管理したいのかを決めてからアプリを選ぶとよいでしょう。

「最近では、カップルで共有できるアプリも登場しています。同棲中でそれぞれが生活費を出し合ってやりくりしている場合、早く帰ったほうが食材を買って夕飯を作る、というときでも、共有機能のある家計簿アプリなら、使った人が入力し、2人でデータを共有できます。連携機能や共有機能が必要なのか、入力がとにかく楽なものがいいのか、残高管理が必要なのかなど、それぞれのアプリで特徴がありますから、パターン別におすすめを見ていきましょう」

 

・デザインもかわいくて続けたくなる「家計簿レシーピ!」

節約消費生活アドバイザーの和田由貴さん監修による、レシートを撮影すると自動入力できる機能が嬉しい家計簿アプリです。購入した食材を元にレシピを見ることができたり、毎日欠かさず買うコーヒーや毎月購読している雑誌などは登録しておけば自動で入力できます。

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「家計簿 レシーピ!」
https://receipi.jp/

ホーム画面では、設定しておいた「一ヶ月で使える額」がどの程度減り、あとどのくらい残高があるかのグラフが表示されていて、使える額が一目瞭然です。
ホーム画面では、設定しておいた「一ヶ月で使える額」がどの程度減り、あとどのくらい残高があるかのグラフが表示されていて、使える額が一目瞭然です。
グラフページでは、費目ごとにどのくらいの金額を使ったかがわかるようになっています。「いつまでにいくら貯める」と貯金の目標額を設定しておけば、自動で残高が「貯金バコ」に入り、毎月どのくらい貯めればよいか教えてくれます。
グラフページでは、費目ごとにどのくらいの金額を使ったかがわかるようになっています。「いつまでにいくら貯める」と貯金の目標額を設定しておけば、自動で残高が「貯金バコ」に入り、毎月どのくらい貯めればよいか教えてくれます。
長いレシートも撮影することができるので、買い物をしたらすぐ撮影しておけば、レシートが財布に溜まることもありません。
長いレシートも撮影することができるので、買い物をしたらすぐ撮影しておけば、レシートが財布に溜まることもありません。

 

・資産管理もできる「マネーフォワード」

使っている銀行やクレジットカードを登録しておくと、自動で入出金のデータが家計簿に反映されます。グラフ化の他に、カレンダーでの閲覧機能もあるので、いつ何にいくら使ったかを把握しやすくなります。

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「家計簿マネーフォワード ME」
https://moneyforward.com/

 

・金融機関との連携数が多い「Zaim」

約1500の金融機関と提携しているので自動管理がしやすく、レシートを撮影することで自動入力できるので、時間がない方でも効率よく家計簿をつけることができます。よく行くお店の特売情報も閲覧できる優れものです。

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「家計簿Zaim」
https://zaim.net/

 

・音声認識も簡単な「マネーツリー」

広告がなくシンプルな画面のつくりなので、見やすいのが最大の特徴です。また、カードを登録しておけば、マイルやポイント残高なども確認でき、カードを使用したときや入出金があったことをプッシュ通知で教えてくれるので、キャッシュレスでも安心して生活することができます。

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「Moneytree 家計簿より楽チン」
https://moneytree.jp/

 

機能別のおすすめ家計簿アプリは?

毎日家計簿をつける場合、時間がかかると億劫になりがちです。ポイントは、毎日5分で操作を終えられそうなものを選ぶことでしょう。レシートを写メすれば自動転記されるものや、費目をカスタマイズできるものを使って、ざっくり入力できるものを選んでください。アプリ入力で挫折してしまうのは、市販の家計簿帳と同じように自分には不要な項目があり、どの勘定科目に入れたらいいかわからなくなってしまう点です。「わからないことがあるとそれを考えるのが面倒になり、続かなくなってしまいます。食費と日用品を一緒に管理できるように『スーパー』という費目を作ったり、化粧品や美容室、ネイル、洋服、趣味など自分のために使ったお金を記帳できるように『おこづかい』という費目を作ったりするのもいいですね。基本的な項目設定を自分仕様に整えておき、シンプルな勘定項目にしておくのがよいでしょう。記録→集計→分析→改善案実行のステップが踏めるように整えます」

・電子マネーやクレジットカードがメインの方には…「Moneytree」「マネーフォワード」「Zaim」
・共有機能がほしい方には…「マネーフォワード」「Zaim」
・レシート撮影機能がほしい方には…「家計簿レシーピ!」「Zaim」
・現金支出をラクにつけたい方には…「Zaim」
・予算内でやりくりしたい人には…「家計簿レシーピ!」

 

家計簿は、つけ続けて分析することが何より大切です。家計簿アプリにはそれぞれ特徴がありますから、自分がつけやすいと思うアプリで管理をはじめ、まずは一ヶ月続けてみて、つけやすい方法を探ってみてください。

Profile

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ファイナンシャルプランナー / 柳澤美由紀

「専門知識と真心で日本の家計を元気にする」を使命に活動するCFP認定者。ライフプラン、家計の見直しを中心に相談・講演活動を行っている。相談件数は800件以上。オーダーメイドで資産を増やす仕組みを作るのが得意。
家計アイデア工房 https://www.kakeiidea.com/

 

取材・文=吉川愛歩 執筆協力=橋本絵美 構成=Neem Tree