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「AGE」研究の第一人者が解説する健康寿命を縮め美容を妨げる
老化物質「AGE」の正体とは?

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「いつまでも若々しくありたい!」とは、誰もが思うところ。でも、歳を重ねるごとに「肌にハリがなくなった……」とか「疲れが抜けなくなってきた……」なんて感じることも。そんな老化のスピードを、もしもゆるやかにできるとしたら?

近年、老化の原因には「AGE(エージーイー)」という物質が関係していることがわかってきました。このAGEをできるだけ減らすことで、老化のスピードを抑えられるというのです。AGE研究の第一者で、昭和大学医学部教授の山岸昌一先生に詳しく教えていただきました。

 

AGEは「焦げつき」の成れの果て

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私たちの体はたんぱく質でできていて、それが適材適所で機能することで健康が維持されています。このたんぱく質の機能は、歳をとるにつれて劣化していきます。それに関係しているのがAGEです。

AGE(Advanced Glycation End Products)は、たんぱく質に糖がベタベタとこびりついて、体温であたためられ焦げついていくこと(糖化)によってできる物質の総称です。日本語では「終末糖化産物」といいます。

AGEを表すイラスト画像

糖も、体にとって欠かせないエネルギー源。しかし、とりすぎて血液中に余ってしまうと、たんぱく質と糖が結びついて、最終的にAGEとなってしまいます。

また、AGEは体内でつくられるだけではなく、食べものや飲みものにも含まれています。AGEをたくさん含んだ食べ物を口からとり込むことでも、AGEが溜まっていくのです。

 

サビとコゲ……“酸化”と“糖化”が老化のスパイラルを引き起こす

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老化というと、「酸化」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか? 酸化は、体内に入った酸素から発生した活性酸素が、細胞を傷つけることで起きる現象。いわば“サビ”です。このサビを引き起こす「活性酸素」を無毒化するのが「抗酸化酵素」と呼ばれるものです。

その「抗酸化酵素」は、タンパク質からできています。したがって、これらが糖化しAGE化していくと、本来の力を発揮できなくなり酸化が進んでしまうのです。

一方で、酸化によって糖化が進むこともわかっています。つまり、サビが進めばコゲも進み、コゲが進めばサビも進むということ。酸化と糖化は老化のスパイラルを作り出してしまうのだといえます。

 

シワ・たるみ・シミを作り出り薄毛の原因にも!

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肌のハリを保っているのは、主に「コラーゲン」というたんぱく質。皮膚のコラーゲンもAGE化すると機能が低下してしまい、ごわごわのゴムのようになってしまいます。それが、シワやたるみの原因になります。また、シミの原因となる紫外線は、AGEを肌に溜まりやすくします。また、それだけではありません。AGEそのものが、紫外線のようにシミを作り出してしまうのです。

しかも、AGEは髪をつくる細胞にも影響し、薄毛の原因になることもわかっています。なかでも、女性によく見られる頭頂部の薄毛に関係していると考えられています。

 

AGEは健康寿命を縮める

AGEが増えていくと体内のたんぱく質の機能が落ちていき、さまざまな病気が引き起こされます。糖尿病やがんの発症にもAGEが深く関係していることがわかっていますし、AGEが溜まると骨や関節がボロボロになってしまうことも知られています。そのほか認知症や歯周病、白内障、不妊症など、多くの老年病にAGEが関与することが報告されています。

美容面でも健康面でも悪影響を及ぼすAGE。たしかにAGEは加齢にと伴い溜まってくる老化物質であるため、この過程を完全にストップさせることはできません。でも、AGEの溜まり具合は、食習慣や生活習慣の違いで大きく変わっていきます。つまり、老化スピードを加速させるのも減速させるのも、自分次第なのです。だとしたら、すぐにでも効果的なAGE対策をしていきたいですよね。次回からは、AGEを減らすための具体的な方法について説明していきます。

 

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Profile

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昭和大学 医学部 糖尿病・代謝・内分泌内科学 教授 / 山岸 昌一

総合内科専門医、糖尿病学会専門医、循環器学会専門医。高血圧学会専門医。日本抗加齢協会理事。平成元年、金沢大学医学部卒。金沢大学医学部講師、ニューヨーク留学をへて、久留米大学医学部教授を10年間勤め、平成31年より昭和大学医学部教授。糖尿病と心臓病の研究から老化の原因物質AGE(エージーイー)に着目。AGEに関する最新データを次々と発表し、その英文論文数は600編を超える。世界で最も精力的に老化、AGE研究に取り組んでいる医学者の一人。AGEに関する研究で、アメリカ心臓病協会最優秀賞、日本糖尿病学会賞、日本抗加齢医学会奨励賞など多数の医学賞を受賞。「ためしてガッテン」「あさイチ」「たけしのみんなの家庭の医学」「夢の扉」「林修の今でしょ講座」「主治医が見つかる診療所」「羽鳥慎一モーニングショー」などの多くのテレビ番組や5大新聞で研究成果が大きく取り上げられる一方、「AGEを抑え、老化を防ぐ食養生」について一般向けに広く啓蒙活動も行っている。

 

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